米国景気の減速 8月雇用統計の意味するもの

米国労働省が9月7日(金)に発表した8月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数が前月に比べて4000人減少しました。(9月8日(土)の日経一面に記事が載っています)

この発表は二つの意味で「米国の景気後退を示すもの」と米国では受け止められています。
1つ目は、雇用者数の減少が4年振りであること
2つ目は、事前の予想が110千人の増加であったこと

New York Timesの9月7日版の記事を読むと ( www.nytimes.com で簡単に読めます。無料で読める米国の経済記事では一番充実していると思います) 「リセッションのリスクが高まった」という内容になってます。
同日版を見ると、サブプライムローンの大手であるCountrywide Financialが60000人の従業員のうち5分の1の12000人をレイオフするという記事がのっており、金融セクターでのレイオフが本格化する9月の雇用統計は更なる悪化が予想されます。

今後発表される米国の経済指標等で、個人的にもっとも注目すべきは大手投資銀行・証券会社の業績発表です。9月19日にはモルガンスタンレー(http://www.morganstanley.co.jp/ http://www.morganstanley.com/ )、9月20日にはゴールドマンサックス( http://www2.goldmansachs.com/による第3四半期の業績発表が予定されています。大きな打撃を受けたとうわさされているベアースターンズ( http://www.bearstearns.com/)も9月中旬に業績発表するはずです。

サブプライムローンの証券化、ヘッジファンドへのレバレッジの供給とファンドの運用、PEファンドの運用とデットの供与、デリバティブスを使った商品化と運用、といった米国大手投資銀行が自家薬籠中のものとし、収益源としてきたビジネスがどれほど影響を受けているかがはっきりわかるからです。