世界の動き 2022年9月13日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「ベビーパウダー」

 ベビーパウダーは安全な商品の代名詞だと私は思っていた。
 ジョンソン&ジョンソンが大きな訴訟リスクを抱えているという記事がNew
Yorkerに載っていた。J&Jの主力商品の一つであるベビーパウダーが以前タルク(滑石)を主要原料として使っていたが、タルクに発ガン性があるのだ。特に女性がデリケートな部分に使用すると卵巣がんの発生可能性が高まるので、巨大な集団訴訟が起きている。
 J&Jはこのリスクを回避するために破産という法的手段を取るかもしれないというのがNew Yorkerの記事だ。
 内服薬でなくてもこのようなリスクがあるとは、製薬会社は巨大な製品リスクを抱えていると理解を新たにした次第だ。

ニューヨークタイムズ記事
1.ウクライナの反攻は進む
【記事要旨】
 ウクライナは東部カリキウ州の殆どを奪還し南部のロシア軍に投降を呼びかけた。ロシアはカリキウから部隊の戦略的再編を発表した。ロシアは撤退時に発電所を破壊。ロシア国内では、モスクワとセントピーターズバーグの18の地方区でプーチンの辞任を求める申請が出されたとの報道がある。ウクライナの反攻の成功は西側支援国を力づけ、ウクライナは更なる武器支援を要請している。
【コメント】
 太平洋戦争時、大本営が「撤退」と言わず「転進」と表現していたのと同じだ。強大なロシア陸軍は、西側の最新兵器の前には脆い印象だ。あせるプーチンは核兵器使用の誘惑に駆られているいるだろう。危険だ。

2.英連邦諸国は将来に口をつぐむ
【記事要旨】
 エリザベス女王が亡くなり旧英国領だった国々では自国の将来を検討している。現在14か国が元首にエリザベス女王を戴いている。ニュージーランドのアーダーン首相は「自分が生きている間に共和国にあるかもしれないがすぐにと言うことではない」と語る。オーストラリアはアイルランドからの移民が多く、共和国化にはより積極的で、政治的な混乱を招く恐れもある。オーストラリアでは服喪のため2週間の国会休会が決定されたが、改革が停滞するとの批判が出ている。カリブ海諸国やスコットランドでは共和国化の動きが強まる恐れ。イングランドでも反王政派は葬儀後に活動を強める見込み。
【コメント】
 「チャールズ3世を元首にいただくのはどうもね」と思う国も多いのでしょうね。

3.レバノンでは電力危機
【記事要旨】
 国営電力会社の電力供給は一日数時間になり、供給の時間も不確定。世界銀行は住民への打撃と言う観点からは、1800年代以降で最悪の経済危機の一つと表現。7月末で前年比物価上昇率は168%であり経済格差が拡大。一握りの富裕層がディーゼル発電設備を持ち、生活を維持している。

その他:
コロナ制限の緩和
New Zealand has removed most of its Covid restrictions, The Guardian reports.
Japan may remove some pandemic border controls, the BBC reports.
タイでの不敬罪 Suchidaさんは現国王の第4夫人
In Thailand, a 25-year-old activist who was said to have dressed up as Queen Suthida was sentenced to two years in prison for insulting the monarchy, Reuters reports.
米国では子供の貧困は改善
A new analysis showed that child poverty in the U.S. fell by 59 percent from 1993 to 2019, highlighting the role of increased government aid.

(2022年9月13日 火曜日)