世界の動き 2024年3月4日 月曜日

今日の言葉:
「利食い」
 株価が上がると売却して利益を確定したいと考える。これを利食いと言う。日経平均もNYダウも史上最高値で、利食いに最善の時期に見える。
 利食いは嬉しくもあり、難しい。儲かった資金で次に何を買おうかと考えなければならないからだ。運用会社の殆どは、投資資金の5%程度までしか現金で保有することを認められていないルールを投資家との間で締結して運用している。従って、利食いで得た資金は、必ず別の銘柄に投資しなければならない。
 しかしNVIDEAやMETAを売却し何に投資すればよいのだろうか。そのまま波に乗っている方が良いのではないか。大いに悩みどころなのだ。個人的には大いに出遅れている公共株に投資する時期だと思うのだがどうでしょうか。

 

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ガザの致命的なリーダーシップ空白
【記事要旨】
 ガザ北部では先週、数千人のガザ人が救援車に殺到し、100人以上が死亡したと同地の保健当局が発表した。 群集の波が起きイスラエル兵が群衆に向けて発砲した。
 直接の原因は極度の飢餓と絶望だった。国連はガザ北部で飢餓が迫っていると警告している。ガザでは依然として約30万人の民間人が足止めされており、援助物資の配達は稀だ。
 しかし、さらに根深い問題がある。北部での戦闘は沈静化しているにもかかわらず、イスラエルは現在の指導者の空白を埋めることに消極的である。 ハマスの再建を阻止しようとして、イスラエルはハマス主導政府の警察官によるトラックの護衛を阻止し、替わりとなるパレスチナ人による法執行機関の創設を遅らせている。
 これは、行政サービスの提供、法と秩序を執行、援助トラックの保護するための中央機関が存在しないことを意味する。 武装集団が救援物資を護送する車列を攻撃する映像が公開されており、外交官らはハマスが残した穴を犯罪組織が埋め始めていると述べている。
 犠牲者: 戦争中のイスラエルの砲撃と侵略により、3万人以上のガザ人が殺害された。
 紅海:英国所有の貨物船がフーシ派の襲撃から約2週間後に沈没した。 輸送されていた肥料は水路に環境リスクをもたらす可能性がある。
【コメント】
 イスラエルの狙いは、完全な混乱よりはイスラエルによる管理の方がましだとパレスチナ人に思わせることにあり、長引く混乱は望むところだろう。

2.シャリフ氏が二期目に就任
【記事要旨】
 パキスタン議会は昨日、シェバズ・シャリフ氏を首相として承認した。 同氏は数週間にわたる激動の後に2期目をスタートしたが、自身の正当性について何年にもわたる疑問に直面することになる。
 アナリストらは、シャリフ政権に対する国民の信頼は低いと指摘する。 彼の党は1か月前の選挙で最多議席を獲得できなかった。投獄された元首相イムラン・カーンの同盟者が最多議席を獲得した。 軍が投票をシャリフ氏の党に有利に傾けるために数十の選挙結果を改ざんしたのではないかという非難が高まっている。
 次はどうなるか:シャリフ連合の存続は軍部の支援に依存する可能性が高い。 カーン氏の同盟者らは議会で激しい戦いを繰り広げる準備を進めている。
 冒涜: 暴徒がイスラム教に対する冒涜の疑いで人々を非難し襲撃している。
【コメント】
 相変わらず安定しないようだ。政治の安定が欠けると宗教間、人種間の火種に着火する。南アジアの大国であるパキスタンには安定して欲しい。核保有国でもある。

3.バイデン支持者さえも彼は「老齢すぎる」と言う
【記事要旨】
 タイムズ紙とシエナ大学による最新の世論調査によると、2020年にバイデン大統領を支持した有権者の過半数は現在、同氏が国を効果的に導くには「年齢を取りすぎている」と述べている。 全登録有権者の73%が同氏は高齢で有能ではないと回答し、45%が同氏には職務を遂行できないとの考えを表明した。
 彼らの懸念は再選への脅威を深めており、77歳でわずか4歳年下のドナルド・トランプ氏には及んでいないようだ。 この秋に再戦する可能性が高く、彼らは史上最高齢の大統領候補となるだろう。
 最高裁判所:判事らは予備選スーパーチューズデーの前日にトランプ氏の大統領就任資格について判決を下す可能性がある。
【コメント】
 誰もが思っている結果だろう。トランプの勢いの前に民主党は清新な候補者を立てなければ勝てそうもない。

その他の記事:
・ナワリヌイ氏の葬儀に数千人が参加
 Thousands of Russians attended Aleksei Navalny’s funeral service, a major show of dissent.
・OPECは減産維持
 Several OPEC countries plan to extend their cuts in oil production, likely a move to boost prices.
・韓国での外国人労働者
 South Korea relies on foreign workers, but often does not protect them from predatory employers and other abuse.
(日本も同様の記事を書かれかねない)

2024年3月4日 月曜日

政党の主義主張

元内閣総理大臣をつとめた村山富市氏が100歳を迎えたというTVニュースがあった。1994年6月に自社さきがけの連立政権で首相に任命され1996年1月まで在任した。

村山の出身母体である社会党は、私の理解では、「非武装中立」「自衛隊は違憲」「日米安保反対」を党是としていた。ところが村山が首相になったとたんに、施政方針演説で、自衛の兵力保持を容認し、自衛隊は合憲、日米安保容認というように180度政策を転換した。しかも社会党の党大会で決議もせず、村山の一存で政策転換をしたのだった。

私は社会党の主張は全く非現実的と考えていたが、村山の主導する方向転換には心底驚愕した。社会党は普通の政党になり、その後大きく地盤が沈下し、現在の社民党はほぼ存在しない政党に成り下がっている。

今回、国会で論戦になっている、政治と金を巡る動きにもう一つ身が入らないのは、政治家の主張は一朝一夕に替えられるふすま紙のようなものであることを実感として知っているからだ。与党であれ野党であれ政治家の発言をあげつらっても意味がないことは国民の大多数がお見通しだ。

キツネやタヌキの行状をムジナが暴いても、出来上がるのは元の木阿弥であり、現在の政治システムではキツネ、タヌキ、ムジナしか政治を志さないから、政治が理想に(国民にそれがあるとしても)近づくことはない。

シェークスピアのマクベスの名セリフで最後をしめくくりたい。少し虚無的に過ぎるでしょうか。
Out, out, brief candle!
Life’s but a walking shadow, a poor player,
That struts and frets his hour upon the stage,
And then is heard no more. It is a tale
Told by an idiot, full of sound and fury,
Signifying nothing.

2024年3月3日 日曜日

納税の義務

日本国憲法第30条「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」 税金は、国や地方団体を維持し、発展させていくために欠かせないものです。 そこで、憲法では、税金を納めることは国民の義務と定めています。 この「納税の義務」は、「教育の義務」「勤労の義務」と並んで国民の三大義務の一つとされています。(行方市の広報資料より)

数日前に区役所の納税課から電話があった。私が地方税の一部を未納だという連絡だった。UNHCRとユニセフに毎年寄付しているのだが、これらの組織は大田区に本拠地が無いので、区税に寄付金控除は適用されず、それに相当する分が未納だというのだ。

当方は税務申告作業は国税の確定申告コーナーを利用しており、そこでPCがしてくれる計算通り寄付金控除の入力をしているので、全く思いがけない区からの指摘だった。以前の申告ではどうなっているか聞いたところ、年金からの特別控除の際に調整していたとの説明だった。今年は地方税を特別控除でなく普通控除にしたので、調整できなかったという説明だった。普通控除にしたのも区だったのだが。。

個人が、なけなしのお金から国際援助機関に寄付しても、地方税の取り漏れを年末になって見つけ出すとは、凄い調査能力と課税能力だ。当方の担税能力に陰りが出て来ているものの、「納税」は国民の義務だから逃れるわけには行かない。

腑に落ちないのは、納税の義務を楽々とすり抜ける種類の人たちがいることだ。自分で良いようにザル法を作り、うまい汁を吸っているように見える人たちが沢山いるようだ。どうにかならないものだろうか。

2024年3月2日 土曜日

世界の動き 2024年3月1日 金曜日

今日の言葉:
「2024年度予算」
 「裏金」の話に報道が集中しているが、100兆円を超える予算については十分な審議がされたのだろうか。
 異次元の少子化対策の資金を社会保障費の負担増で補う(500円とか1000円の負担増)という議論が注目されたが、防衛費の増大、共同開発する戦闘機の輸出、教育の改革といった根本の議論はなされないまま、予算が成立しそうだ。
 審議の状況を確認しようとニュースを見れば、大谷翔平の結婚の記事一色だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエルが発砲しガザ地区で多くの人が死亡
【記事要旨】
 パレスチナ自治政府通信社とイスラエル当局者によると、昨日、ガザ市の支援車列の近くに群衆が集まっていたため、イスラエル軍が発砲し、数十人が死傷した。
 何が起こったのか詳細は不明であり、パレスチナとイスラエルの当局者は全く異なる説明を提供した。
 ガザ保健当局は、「虐殺」により100人以上が死亡、700人以上が負傷したと発表した。 パレスチナ自治政府の国営通信社ワファは、援助の到着を待って「イスラエルの戦車が数千人に向けて機関銃を発砲した」と報じた。
 イスラエル当局者は軍隊が発砲したことは認めたが、数百ヤード離れたところで起きた集団暴行で住民のほとんどが死傷したと述べた。 イスラエル軍は、ガザの住民が援助トラックを包囲し「物資を略奪」したと発表した。 その結果、数十人が「押したり、踏みつけたり、トラックにひかれたりして死傷した」。 パレスチナ側による機関銃発砲の主張には直接言及せず、調査中であると述べた。
 ハマス当局者は、今回の殺害により停戦交渉が狂う可能性があると警告した。 バイデン大統領は週初めに月曜までに合意に達する可能性があるとの期待を表明した後、銃撃事件により交渉が複雑になる可能性が高いとの見方に同意した。
 厳しい節目:10月7日に戦争が始まって以来、ガザ地区の死者数は3万人を超え、ガザのパレスチナ人73人につきおよそ1人が死亡したことになる。 専門家らによると、ガザ保健省が提供した数字はおそらく過小評価されているという。
【コメント】
 援助物資の近くで起きた事故か虐殺か。とても嫌なニュースだ。ハマスが始めた攻撃が引き金とは言え、ガザの住民の犠牲は余りに大きい。ハマスはそもそも何を狙って10月7日の攻撃を仕掛けたのだろうか。イスラエルの10倍返し戦略は理解していたはずだ。

2.プーチン大統領、西側諸国は核紛争の危険にさらされていると発言
【記事要旨】
 プーチン大統領は年次教書演説の中で、西側諸国がウクライナ戦争により直接介入すれば核反応の可能性に直面すると述べた。
 ロシア指導者は今週、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がウクライナにNATO軍を派兵する可能性を提起した発言に言及した。 プーチン大統領は、そのような動きを検討する可能性のあるNATO諸国は「最終的に核兵器の使用による紛争、ひいては文明の破壊を本当に脅かしている」ことを理解する必要があると述べた。
 背景: プーチン大統領は、2年前のウクライナ侵攻以来、西側諸国に対して核による脅迫を繰り返し行ってきた。 彼は昨年、そのレトリックを弱めているように見えた。 しかし昨日、彼はそれに戻り、その脅しと米国との軍備管理交渉を再開する用意があるとの主張を結びつけた。
 軍事援助:当局者らによると、政府が弾薬を補充するための資金が不足しているにもかかわらず、バイデン政権は国防総省の備蓄を再び利用してウクライナに武器を提供することを検討しているという。
【コメント】
 防衛力の強化には、最終的には核武装が必要なのかと思わせるプーチンの発言だ。国内では数万人の戦死者が出ていると言うが、プーチン批判は沈黙している。強権を支えるロシアの国民性も怖いが、メディア統制のなせる業だろうか。

3.トランプ大統領の遅延戦術が免責訴訟で功を奏する
【記事要旨】
 最高裁判所は水曜日、2020年の選挙を覆すことを企てた容疑でドナルド・トランプ氏が訴追されないという同氏の主張を考慮する決定を下し、トランプ氏に法的な生命線を与えた。 最高裁の決定は、裁判を遅らせようとする同氏の努力を後押しし、11月の選挙日までに同氏が陪審に出られない可能性が高まった。
 判事らはこの問題に関する聴聞会を4月下旬に予定している。 現在の予定では、判事が6月の今期終了までに判決を下し、トランプ氏が訴追を免れないと判断した場合、裁判は9月末か10月までに開始される可能性がある。
 賭け金:トランプ氏が裁判に臨む前に大統領に選出されれば、訴訟を完全に却下される可能性がある。
【コメント】
 トランプは大統領にならなければ生き残れない。自己の保身のための議事堂襲撃の扇動が大統領の免責特権で認められるのは、トルーマン大統領が戦争に勝利するために原爆を投下する判断をしたのとは全く次元が異なると思うのだが、米最高裁はそうは考えなかったようだ。

その他の記事より
・メキシコ国境にバイデンとトランプが訪問
 President Biden and Donald Trump landed in Texas for dueling trips to the U.S.-Mexico border as immigration is shaping up as a big issue in the U.S. election campaign.
・韓国での医療紛争
 More than a week after thousands of doctors walked off the job in South Korea, their dispute with the government shows no signs of resolution.
・日本はぬるま湯に安住
 Despite a struggling economy, declining population and political gridlock, Japan remains remarkably stable and cohesive, with little sense of impending doom.
(差し迫った破滅の恐れは無いのか目をつぶっているのか)

2024年3月1日 金曜日