政党の主義主張

元内閣総理大臣をつとめた村山富市氏が100歳を迎えたというTVニュースがあった。1994年6月に自社さきがけの連立政権で首相に任命され1996年1月まで在任した。

村山の出身母体である社会党は、私の理解では、「非武装中立」「自衛隊は違憲」「日米安保反対」を党是としていた。ところが村山が首相になったとたんに、施政方針演説で、自衛の兵力保持を容認し、自衛隊は合憲、日米安保容認というように180度政策を転換した。しかも社会党の党大会で決議もせず、村山の一存で政策転換をしたのだった。

私は社会党の主張は全く非現実的と考えていたが、村山の主導する方向転換には心底驚愕した。社会党は普通の政党になり、その後大きく地盤が沈下し、現在の社民党はほぼ存在しない政党に成り下がっている。

今回、国会で論戦になっている、政治と金を巡る動きにもう一つ身が入らないのは、政治家の主張は一朝一夕に替えられるふすま紙のようなものであることを実感として知っているからだ。与党であれ野党であれ政治家の発言をあげつらっても意味がないことは国民の大多数がお見通しだ。

キツネやタヌキの行状をムジナが暴いても、出来上がるのは元の木阿弥であり、現在の政治システムではキツネ、タヌキ、ムジナしか政治を志さないから、政治が理想に(国民にそれがあるとしても)近づくことはない。

シェークスピアのマクベスの名セリフで最後をしめくくりたい。少し虚無的に過ぎるでしょうか。
Out, out, brief candle!
Life’s but a walking shadow, a poor player,
That struts and frets his hour upon the stage,
And then is heard no more. It is a tale
Told by an idiot, full of sound and fury,
Signifying nothing.

2024年3月3日 日曜日