世界の動き 2024年1月10日 水曜日

今日の言葉:
「健康第一」
年賀状で飛び交った言葉だ。
昨日は八代亜紀さんの訃報に接した。まだ73歳であり私より1歳年上に過ぎない。彼女の歌と一緒に成長してきた世代として、喪失感を禁じ得ない。
和田秀樹さんの80台の壁を超える本がベストセラーになっているようだが、壁を乗り越えるのはそんなに簡単ではないのだろうか。
坂田利夫さんや篠山紀信さんは80歳そこそこで老衰で亡くなった。
健康について、日々の過ごし方について考えさせられる年のはじめだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.トランプ氏は刑事告訴を免除されるのか?
【記事要旨】
昨日ワシントンで行われた公聴会で、裁判官らは、2020年選挙の転覆を企てた罪から免責されるというドナルド・トランプ氏の主張に深い懐疑を表明した。 トランプ氏の弁護士らは、容疑はトランプ氏が大統領としてとった行動に起因するものであるため、訴追されるべきではないと主張した。
3人の連邦控訴裁判所判事からなる合議体は、トランプ氏の弁護士の1人に免責の主張について厳しい質問を投げかけた。 共和党大統領候補指名獲得を目指しているトランプ氏も出席したが、発言はしなかった。
ある裁判官は、トランプ氏が敗北を覆そうとした際に、選挙の健全性を維持するという憲法上の義務を守っているとは納得できなかったようだ。
共和党から唯一任命されたカレン・ヘンダーソン判事は、「法律が忠実に執行されるよう配慮するという憲法上の義務により、刑法違反が許されるというのは逆説的だと思う」と述べた。
ここでは 5 つのポイントを紹介する。
免責問題は最高裁判所まで持ち込まれる可能性が高く、同裁判所はトランプ氏を州の投票から除外できるかどうかという別の重要な問題をすでに審理している。 免責問題のペースと結果は、3月に予定されている選挙干渉事件でトランプ大統領がいつ裁判を受けるか、あるいは裁判を受けるかどうかを決める上で中心となる。 それは彼の他の3つの刑事裁判の時期を決定するのにも役立つ可能性がある。
そのタイミングは2024年の大統領選に大きな影響を与える可能性がある。 最近の世論調査では、同氏の支持者の4分の1近くが、同氏が有罪となれば共和党の候補者になるべきではないと考えていることが判明した。 「接戦の場合、たとえほんの一部の有権者が重犯罪者への投票を拒否したとしても、それが決定的になる可能性がある」と、NYタイムズのトップ政治アナリストは示唆した。
裁判官の一人は、米兵にライバルの暗殺を命じたとして大統領が刑事告発される可能性があるかどうかを尋ねた。 トランプ氏の弁護士は、大統領が弾劾手続きで最初に有罪とされた場合にのみ訴追が可能になると述べた。
これに対し、政府の代理人弁護士は、大統領が軍に敵対者の殺害を命令し、その後刑事責任を逃れることができれば「非常に恐ろしい未来」が訪れると警告した。
【コメント】
ユーラシアグループの世界の10大脅威の第一に米国の分断を挙げている。トランプが共和党の候補として選ばれた場合には民主主義への深刻な脅威が予想される。彼が選挙に負けた場合は恐ろしい手段に出て敗北を認めない可能性が指摘されている。困った人だと思う。

2.記録上最も暑い年
【記事要旨】
昨年は地球上で過去 1 世紀半で最も暖かかった年だった。 毎月、地球の気温は過去の記録を更新した。
科学者らはまた、2023年は少なくとも過去10万年で最も暖かい年になるようだと述べた。 そして今年はさらに暖かくなる可能性がある。
「前回気温がこれほど高かったときには、この地球上には都市も本も農業も家畜もまったく存在しなかった」とあるEU加盟国は語った。 科学者。 研究者らは、2023 年が、暑さの記録が破られるだけでなく、破られる年がさらに多くなる可能性があるのかどうかを解明しようとしている。
温室効果ガスの排出は地球温暖化の主な原因です。 しかし、再発する気象パターンであるエルニーニョは年半ばまで発生しなかった。つまり、エルニーニョが異常な暖かさの主な原因ではなかった可能性があると科学者らは述べた。 今年はそうなるかもしれない。
【コメント】
再度私見を。「温暖化ガス排出量と温暖化は、因果関係か相関関係かまだはっきりしたものではない。」

3.選挙に関する偽情報が2024 年に新たな高みに達する
【記事要旨】
誤った物語と陰謀論は世界的な脅威に発展しており、世界人口の約半数が今年の主要選挙で投票する準備をしています。 今は偽情報が蔓延する極めて重要な瞬間だ。
外国の影響力を高めるキャンペーンは、国内の二極化する課題をターゲットにしています。 A.I.はプロパガンダ活動を強化し、現実の認識を歪めてきた。 そして大手ソーシャルメディア企業は、数十年にわたる世界の運営に影響を与える選挙戦を前に、安全策を縮小し、選挙チームを縮小している。
【コメント】
ロシアや中国による国家政策としての選挙への策動が世界中で起こると予想される。フェイク映像はとても効果的で、有効な対策は無さそうだ。本当に困った事態だ。

その他の記事より
・台湾の選挙妨害
A warning from Taiwan about a satellite, erroneously called a missile in English, raised concerns about Chinese harassment before elections on Saturday.
・米軍の中国スパイ
A U.S. naval officer who sent military photos and plans to a Chinese intelligence officer was sentenced to more than two years in prison.
・モディのモルジブでの休暇
India and the Maldives traded insults on social media after Prime Minister Narendra Modi posted a photo from his vacation on Lakshadweep, a nearby island paradise.

2024年1月10日 水曜日

世界の動き 2024年1月9日 火曜日

今日の言葉:
「ボーイング」
 アラスカ航空が運航するボーイング737Max9型機は5日の離陸直後に窓や機体の一部が吹き飛び、オレゴン州のポートランド国際空港に緊急着陸した。事故の影響を受けて米ボーイングの株価が週明けの米株式市場で大幅安となった。
米連邦航空局(FAA)が、同機種の一時的な運航停止と検査の実施を命じたことが嫌気された。同機の部品製造を担ったスピリット・エアロシステムズ・ホールディングスも急落。アラスカ航空の親会社、アラスカ・エア・グループも軟調となった。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエルはガザでの戦争を変更していると述べた
【記事要旨】
 イスラエル軍は、数週間にわたる攻撃縮小の圧力を経て、ガザ侵攻は激しくない段階を開始したと発表した。 しかし同国の参謀長は、レバノンでの攻撃で司令官が死亡したと発表したヒズボラに対する「新たな戦争」の準備ができていると述べた。
 イスラエル軍の最高報道官は、今月始まった新たな段階ではガザ地区での空爆と地上軍の削減が含まれると述べた。 同氏は、イスラエルは今後ハマスの南部と中部の本拠地に重点を置くと述べた。
 「大規模な作戦ではなく、より的を絞った作戦が期待できる」とタイムズのエルサレム支局長は語った。 「それが民間人の苦しみを軽減するかどうかはまだ分からない。攻撃は明らかに今も続いており、毎日数十人が死亡しており、ガザ人の80パーセント以上が避難しており、その多くは帰る家がない。」
 ヒズボラ司令官アル・タウィル氏の殺害は、イスラエルが北部国境への侵入を目的としているヒズボラメンバー少なくとも7人を殺害したと発表した翌日に行われた。 レバノン当局者は、アル・タウィル氏がその部隊に所属していたと述べた。
 土曜日、レバノンからのヒズボラの攻撃によりイスラエル軍基地が被害を受けたが、これは同グループにとってここ数カ月で最大規模の攻撃の一つとなった。 バイデン政権はヒズボラ軍を国境から遠ざける合意を求めている。
 ブリンケン国務長官は昨日、紛争がより広範な地域戦争に拡大するのを防ぐことを目的とした協議のためイスラエルに到着した。
【コメント】
 米国の努力にもかかわらず、地域全体を巻き込む火種は既に中東各地に広がっている。燃え盛らないことを期待したいが、参加者に鎮火の意思がない。

2.判決によりシャリフ氏の再出馬が可能となる
【記事要旨】
 パキスタン最高裁判所は、過去に有罪判決を受けた政治家が政治公職に就くことを禁じた法律を覆した。 この動きにより、2月8日の選挙に元首相のナワズ・シャリフ氏が出馬する道が開かれることになる。
 3度首相を務めたシャリフ氏は、2017年に汚職疑惑や軍事クーデターによって任期途中で失脚し、終身選挙に立候補する資格を剥奪された。彼は2019年にロンドンへ逃れたが、政治家としてのキャリアを復活させるために10月にパキスタンに戻った。
 パキスタンは2022年4月以来、政治的・経済的危機に揺れている。この時、投獄されているが依然として幅広い人気を誇るイムラン・カーン元首相が軍部の支持を失い、議会の不信任投票で追放された。
【コメント】
 パキスタンの混迷はますます深まって来ているようだ。パキスタンの混乱もある。南アジアの政治的な混乱は深まっている。

3.SpaceXに挑むロケット
【記事要旨】
 昨日早朝、バルカン・ケンタウロス・ロケットがフロリダ州ケープ・カナベラルから打ち上げられ、ロボット宇宙船を月に向けて飛ばした。 ロケットの打ち上げは成功したが、搭載していた宇宙船が故障したため、月面に着陸できない可能性が高い。
 バルカンは、ボーイングとロッキード・マーチンの合弁事業であるユナイテッド・ローンチ・アライアンスによって製造されており、スペースXの優位性に挑戦する可能性がある。
 また、人々の遺灰や DNA を宇宙に送る会社 Celestis からの荷物(遺骨や遺灰)も搭載されていた。 この中には、スタートレックの作者であるジーン・ロッデンベリーもいる。 3人のアメリカ大統領の毛髪サンプルも搭載されている。
【コメント】
 民間による月着陸へのチャレンジが今後増えそうだ。夢のある話だ。

その他の記事より:
・インドの最高裁判断
 India’s top court restored life sentences for 11 Hindu men who were convicted of gang-raping a Muslim woman during Hindu-Muslim mob violence in 2002.
(restoreと言う言葉の意味が良くわからない)
・中国のスパイ容疑
 China said it had detained a foreign consultant that it accused of spying for Britain.
・フランスの内閣改造見込み
 Prime Minister Élisabeth Borne of France resigned ahead of a widely expected cabinet reshuffle by President Emmanuel Macron.

2024年1月9日 火曜日

世界の動き 2024年1月8日 月曜日

今日の言葉:
「震災から一週間」
 NYタイムズの記事でFive days after an earthquake in western Japan, a woman in her 90s was rescued from under a collapsed house.というのがあった。
 西日本で起きた大地震と言う表現で、海外では日本全体が大きな被害を受けているように受け取られているようだ。
 この記事にあるが90代の女性が救出されたのは奇跡的だ。救出活動に従事される消防や自衛隊の方々には頭が下がる。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.バングラデシュ、弾圧とボイコットのさなか投票
【記事要旨】
 バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は昨日低投票率の選挙で投票が終了し、連続4期目の就任がほぼ確実となった。
 主要野党であるバングラデシュ国民党(BNP)が不公平だとして選挙をボイコットし、全国規模のストライキを推進したため、治安は厳重なままだった。 投票までの数日間、首都ダッカで電車内で4人が死亡した放火や十数か所の投票所への放火など、暴力行為が全国で報告された。
 投票に抗議する野党の取り組みは、弾圧の強化に見舞われている。 BNP指導者や弁護士らによると、10月に行われた前回の大規模集会以来、20000人以上の党員や指導者らは逮捕されている。 何百万人もの党員が裁判所の任命で活動できない状況だ。
 ハシナ氏側はBNPのボイコットを軽視しようとしたが、選挙戦終盤のハシナ氏の動きは、彼女が投票の正当性を懸念していることを明らかにした。 彼女は与党に対し、無敵で勝利したかのように見せないようダミー候補者を擁立するよう指示した。
 「双方から暴力が激化するリスクがある」と見る専門家もいる。「もしBNPが 今回の選挙に向けて展開した非暴力戦略が失敗したと感じている場合、指導者たちは過去の暴力による戦略に戻るよう圧力を受ける可能性がある。」
 しかしBNPのプラカシュ氏は、広範な暴力に訴えれば、まさに罠にはまるだろう。与党は、野党が「テロリスト」や「殺人者」で満ちているという説を推し進め、さらに広範な弾圧に向けて動いている。
【コメント】
 バングラの人口は1億6千万人。世界第6位だ。有権者は1億2千万を数える。この選挙のことは日本では殆ど報道されていなかったが、南アジアの安定上は大事な選挙だった。混乱が拡大しないことを祈りたい。

2.米国はガザ戦争を封じ込める努力を続けている
【記事要旨】
 ブリンケン米国務長官は昨日、この地域で戦争が拡大するリスクを軽減することを目的とした1週間の地中海東部および中東歴訪の一環として、ヨルダンで指導者らと会談した。
 その後、ブリンケン氏はカタールに飛び、首相および首長シェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー氏と会談し、カタールは人質交渉を進めようとしていると述べた。
 ガザではイスラエル軍が、北部でハマスの軍事能力を解体し、現在は中部と南部地域でも同様の軍事力を解体することに注力していると述べ、ハマスを壊滅させるために別のアプローチを取る計画だと述べた。
 ガザではジャーナリスト2人が殺害された。 一人はアルジャジーラテレビの著名なパレスチナ特派員ワエル・アル・ダハドゥの長男ハムザ・アル・ダハドゥだった。
 ヨルダン川西岸では暴力行為の激化により、幼児、イスラエル軍将校、エルサレム居住者を含む少なくとも9人のパレスチナ人が死亡した。
【コメント】
 もう破壊しつくしたからこれから戦争を縮小するという考えのようだ。随分ここまで来るのに時間がかかったものだ。

3.日本の鉄鋼会社買収はバイデンにとって試練
【記事要旨】
 USスチールは、バイデン大統領が自身の経済政策によって米国に取り戻すと述べている、失われた製造業の力の一例だが、同社は先月、日本の競合会社である日本製鉄に141億ドルの取引で買収される計画を発表し、バイデン氏は厄介な位置に置かれた。
 労働組合や民主党のポピュリスト、共和党は同氏に売却を阻止するよう圧力をかけているが、これはおそらく同氏の主要な経済目標である、高賃金の労働組合による製造業の雇用の創出と維持に沿った動きだ。
 しかし、バイデン氏がクリーンエネルギーやその他の新興技術分野で中国に対抗する取り組みを含む幅広い問題で日本の協力を求めているため、売却阻止は米国の主要同盟国を怒らせるリスクがあるかもしれない。
【コメント】
 世界の鉄鋼業は合併が進み、今回の日本製鉄とUSスチールの買収が実現しても世界第3位になる規模だ。独禁法からは問題ないはずなのであとは米国の政治判断次第だ。認められることを希望したい。

その他の記事から:
・北朝鮮の韓国に向けた砲撃
 North Korea fired 200 rounds of artillery into waters near its disputed western sea border with South Korea on Friday.
・テスラの中国での大規模リコール
 Tesla recalled 1.6 million cars in China to fix their self-driving systems.
・インドネシアでも世襲制か
 Critics say that democracy in Indonesia has backslid under President Joko Widodo. Now his son is rising in power.

2024年1月8日 月曜日

タイ消費財王の警句

 1月4日の日経新聞10面にタイ消費財王ブンヤシット氏の大きなインタビュー記事が出ていた。同氏は、サハ・グループの総帥としてタイを代表する企業家で、70年代から日本企業との合弁事業で、タイの消費財市場に君臨してきた有名な経営者だ。

 私は1986年から89年にわたりバンコクに駐在し、三和銀行とサイアム商業銀行との合弁の金融会社で営業の責任者をしていたが、ライオン、ワコールと言った企業とサハグループとの合弁企業が取引先だった。当時はまだ30歳前半だったが、一度ブンヤシットさん(ブンさんと呼ばれていた)にお目にかかったことがある。

 当時、タイの華僑では息子が三人居ると、一人は欧米へ、一人は中国・香港へ、一人は日本に留学させて、一族の商売を拡大させるのが慣行だと聞いた事がある。ブンさんが日本に留学されたかどうかは聞きもらしたが、流ちょうな日本語で、金融でサハをサポートしてくださいと若い私を激励してくれたものだ。

 日経のインタビュー記事では、現在の日本企業に対し「判断が遅く、このままでは競争に勝てない」と警告を鳴らしている。

 私が1986赴任した年に赴任したころのタイの一人当たりGDPは2000ドル弱。日本は既に20000ドルに近かったと記憶する。プラザ合意後の円高の進展で日本企業が大量にタイに生産拠点を移した時期だった。

 三和銀行の頭取がバンコクに来た際は、サイアム商業銀行は、大蔵大臣、中央銀行総裁、経済大臣を招いて歓迎のレセプションを大々的に開いてくれた。当時の彼我の経済の格差がもたらした厚遇でもあった。

 昨年ははタイ人の訪日観光客数が、日本人の訪タイ観光客を上回ったそうだ。日本は何もかも安いとタイの若者がTVインタビューで元気に答えていた。

 日本企業の活性化は日本が世界で伍して生き残ってゆくための唯一の手段だ。昔の記憶や名声にすがることは出来ない現在、ブンさんの警句に耳を傾けて、ここで頑張らなければ、彼の努力に対して恩返しすることにもならない。

2024年1月7日 日曜日

山崎元さんの訃報に接して

 山崎元さんが亡くなった。経済評論にとどまらず、政治についても時に切れ味の鋭い評論を行っていた。氏の書く物には読み応えのある長文の分析が多かった。

 山崎さんが定期的に寄港していた楽天証券のトウシルは以下のように伝えている。
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 経済評論家で元・楽天証券経済研究所の山崎元(やまざき・はじめ)さんが1月1日、死去した。65歳だった。通夜・葬儀は行わず、近親者のみにて見送った。

■ご遺族から
 山崎 元は1月1日に永眠致しました。 ここに謹んでご報告申し上げます。
長い間、「ホンネの投資教室」を楽しみに読んで下さいましてありがとうございました。
生前に山崎が賜りましたご厚情に、遺族より深く感謝申し上げます。

1月5日
妻・山崎 薫、妹・山崎 由愛

■山崎元さんの足跡
 1981年に東京大学経済学部を卒業。三菱商事や住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)、メリルリンチ証券(現・BofA証券)など12回の転職を経て、2005年に楽天証券経済研究所客員研究員。2023年3月に退職し、経済評論家として活動。北海道出身。
 トウシルの連載「ホンネの投資教室」では、15年間にわたり約500本の記事を執筆。世に出回る情報を疑い、自身が正しいと信じる資産運用の心得やお金との向き合い方を発信してきた。金融の道を歩みながら、業界の不都合な真実に関しても強い信念で警鐘を鳴らした。全ての発信を通じて、多くの人がお金に関する正しい知識を身に付けられるよう力を注いだ。
 本連載中で癌について公表し、その経過や治療を通じて考えたことを記した記事は多くの反響を呼んだ。
 山崎元、癌になってみて考えた。「どうでもいいこと」と「持ち時間」(2023/1/24)
 2023年6月には、読者から寄せられた質問に答える連載「読者の疑問にホンネで回答」を開始。専門分野であるお金の話題だけでなく、趣味の将棋からキャリア相談、人生の悩みまで、痛快な「ヤマゲン節」で答えた。
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 一度セミナーでお目にかかり名刺交換したことがある。大学が同窓(氏は私より6期下だが)なこと、私がUFJ銀行に勤務していたこと(氏はUFJ系の研究所に勤務)で、話が弾んだ記憶がある。いつ原稿を書いているのかお聞きしたら、適当に時間を見つけてとおっしゃっていた。

 癌を克服されたかのような最近の活躍ぶりだったので、亡くなられたのが信じがたい。
 まだ65歳の若さで亡くなったのは大変に惜しい。
 ご冥福を心からお祈りしたい。

2024年1月6日 土曜日