世界の動き 2022.3.8 Tuesday

N.Y. Times 電子版より

1.戦闘激化に巻き込まれるウクライナ市民
【記事要旨】
 ロシアの無差別攻撃で多くの市民が暖房が無く食料も欠乏する生活に陥っている。月曜までの202の学校、34の病院、1500のビルが破壊され、1000の町で全く電気が遮断されているとゼレンスキーのアドバイザーが説明。ロシアからの露やベラルーシへの退避案をウは拒否。人道回廊では市民脱出できていない。ミコライフが確保しているとウは発表。
 米は17000の対戦車兵器をNATOとともにウに供与を計画、サイバー部隊の支援も。直接的な軍事関与に一歩近づく。
 露では言論統制強まりソ連時代の独裁体制に戻る。
【感想】
 未だに露は一般市民を巻き込む攻撃はしていないと説明。
 株式市場は状況の改善が見えず株安へ。今後も神経質な動きが
続くと思われる。

2.習主席のプーチン支持が中国の選択肢を制限
【記事要旨】
 一月前にオリンピック開会式でプーチンとの「友好」を謳った後3週弱で露はウクライナで戦端を開いた。当初露に融和的だった中国は徐々にスタンスを変え市民被害の拡大を憂慮する姿勢を見せ始めた。習はオリンピック中はプーチンに戦争開始しないように言ったという説があるが、習の融和的な姿勢がプーチン戦争開始を促したのは確か、と西側情報筋。
 イタリアのBari市は正統派ローマカトリックの遺跡は露のウクライナ侵攻から影響を受けている。
【感想】
 中国の王毅外相の仲介発言が日本では大きく取り上げられていたが、期待したいものだ。

3.アマゾンは復元力を失いつつある
【記事要旨】
 アマゾンの森林は草原にとってかわられる分水嶺。まだ未開拓の熱帯雨林の4分の3が復元力を2000年以来失ったとの研究。過去50年で熱帯雨林の17%が失われたが900億トンのCo2に相当する。草原は熱帯雨林に比べCo2吸収力は大幅に劣る。
 バイデン政権はバス、トラック等の自動車からの排ガスに厳しい制限を計画。
【感想】
 物販のアマゾンかと思いました。熱帯雨林の重要さは何十年も
言われてきたが、有効な策が講じられなかった。開発が豊かな生活につながるという現地での現実があれば開発を制限するのは困難だろう。森林維持のために先進国からの何らかの所得移転が必要。

その他:
コロナ関連、元気な女王
Queen Elizabeth II met Prime Minister Justin Trudeau of Canada in her first in-person official meeting after testing positive for the coronavirus.
シリア難民もいました。さらにウクライナ難民が
Dozens of Syrian asylum seekers are stuck in limbo after the Danish authorities revoked their residency permits.
韓国大統領選での事件、知りませんでした
Just days before South Korea’s presidential election on Wednesday, the campaign manager for the ruling party’s candidate was hospitalized after being attacked, Reuters reported.

(2022.3.8 Tuesday)

世界の動き 2022.3.7 Monday Part2

N.Y. Times電子版の配信が1時間遅れ、私の配信は6時間遅れることになった。お詫びします。

1.ロシア軍の攻撃で避難できず
【記事要旨】
 露軍の攻撃激しいマリウポリ近郊では民間人避難できない。露軍キエフに迫るがウ軍が抵抗。ウクライナ市民は離散している。ウクライナ人家族がロシアに住む親族に連絡すると、ロシアではこの戦争が市民に知らされていない。
 ゼレンスキー大統領はウクライナ上空を軍用機の飛行禁止区域に指定を求めるも欧米は躊躇。プーチンは飛行制限をする国は敵国と見做すと発言。米はポーランドのロシア時代の戦闘機をウクライナに貸与することを企図。
 露国内では反戦デモで3,000人が逮捕される。マスターカードとVisaは露国内でのカードの使用を制限。露国内では独立系メディアに政府から強圧。
 この戦争は米主導の自由主義体制への挑戦だが、西側諸国は適応し、前例のない制裁でロシアを機能不全にするだろうとの分析。
 ハッカーの動きが活発。TikTokはロシアからのアップロードを制限。
【感想】
 依然五里霧中。ウクライナの人々の苦悩だけが確か。

2.中国の新経済計画
【記事要旨】
 経済計画では安定化を第一に。土曜に発表された年次計画ではウクライナに触れもせず。人民の満足と雇用の維持で、秋の共産党大会で習体制の継続を目指す。予算では、社会福祉、教育は10%の、軍事費は7.1%の伸び。
 経済の安定成長が第一であり、成長率目標は5.5%。
【感想】
 ウクライナ危機でも中国が一番「焼け太り」する印象。習主席は地道に実績を積み重ねている印象。手ごわい。

3.ISがパキスタンの寺院を爆弾テロ
【記事要旨】
 ペシャワールのシーア派寺院で63人が死に200人以上が負傷して爆弾テロについてISが犯行声明。パキスタン警察によれば犯人はアフガン人。スンニー派の過激組織ISIS-Kが起こした最大の爆弾テロ。
【感想】
 同じムスリムのシーア派とスンニー派の争いは近親憎悪に我々には見える。ウクライナ人とロシア人もそうかもしれない。
 何とかならないものか。

その他:
韓国の事前投票
South Korea reported high turnout in early voting for its presidential election, but apologized to coronavirus patients for a lack of preparation that resulted in long wait times.
インドのワクチンは?
The U.S. Food and Drug Administration rejected an Indian-made coronavirus vaccine from the pharmaceutical company Bharat Biotech for children 2 to 18.

(2022.3.7 Monday)

統制の3種類

今日は「内部統制」の話を。
 何か不都合なことが起こるのを防ぐ統制には3種類ある。予防的統制、発見的統制、指令的統制の3種である。

1.予防的統制
 何か不都合なことが起こるのを事前に防ぐ統制である。不都合な事態が起きる前に防止することが可能で、通常は発見的統制よりもコストがかからない。

 (例)銀行の窓口では200万円以上の現金の引き出しは認めず、必ず役付き者が、応接室で対応するルールになっている。年配のお客さんがオレオレ詐欺にあうのを事前に防ぐことが可能。

2.発見的統制
 不都合な事態が発生した後に発見して対応を取る統制である。通常は予防的統制よりも費用と労力がかかる。

 (例)衣料の小売り店で期末に在庫の棚卸をする。そうすると、記録より実際の在庫が少ないことがわかり、管理体制の不備や従業員の不正がわかる。

3.指令的統制
 不都合な事態が起きないように本社が全社に指令する統制である。

 (例)銀行の本部が支店に対し、今期の短期の貸出は最低0.50% の利鞘が無ければ取り組んではいけない。という指示を出すことがある。これは銀行全体の収益水準を維持するための指令的統制だ。

さて、現在のウクライナ情勢に牽強付会すると以下のようになろうか。

1.予防的統制
 ロシアをめぐる国際的な話し合いがこれに相当するだろう。本当は、ウクライナのNATO加盟が実効のある統制だったのだろうが、それが出来なかったために実際のロシアの侵入を許してしまった。

2.発見的統制
 ロシアの軍事進攻を受けて西側諸国が発動した制裁が相当するだろう。米国が事前に強い制裁の可能性をプーチンに警告していた。予防的統制として有効だと考えていた節がある。大きな誤算だったと言わざるを得ない。

3.指令的統制
 国連の安全保障理事会、総会がロシアの非難決議を出しているが、常任理事国の一つであるロシアに対して強制力のある決議は出来ない。従って有効な指令的統制は効かせることができない。

結局、今回の危機に対しては、いずれの統制も有効に機能しなかった。

(2022.3.6 Sunday)

「10歳からの考えが育つ力が育つ20の物語」を読んで

子供向けの図書をよく読む。小学4年生と1年生の孫にはどんな本が良いかと探しているのだ。

 表記の本を最近読んだ。誰もがよく知っている名作童話20編をあつめそれぞれについて普通の解釈とは少し違う解釈を主人公のブルースという豚(多分)の探偵が助手のシナモン(リス)と一緒にしてみせるお話だ。

 例えば「3匹の子豚」ではこんな具合だ。
 お話は、3匹の兄弟の子豚が家を建てた。長男は面倒がり屋で簡単にできる藁の家を建てた。次男はちょっと頑張って木の枝を集めて家を作った。三男はコツコツとレンガを積み上げて家を作った。おなかをすかせた狼が子豚たちを食べようと狙ってきた。長男の藁の家は簡単に吹き飛ばされた。長男は次男の木の枝の家に逃げた。狼は次男の木の枝の家も簡単に壊した。二人は三男の家に逃げた。狼はレンガの家を壊そうとしたが壊せず、煙突から家の中に入ろうとした。煙突の下の暖炉では火が燃えていて狼は大やけどして逃げて行った。という内容だ。

 普通の解釈は、「しっかりした努力や準備は無駄にならない。悪者は結局報いを受ける」というようなものだろう。

 この本は違っていて、子豚たちの正義と狼の正義を比べている。「正義の反対は悪ではなく、もう一つの正義だ」という。腹をすかした狼には狼なりの考え方があったのだろう。そうした考えも尊重するべきだというのだ。
 トランプ時代にはやったalternative factsやpost truthを彷彿とさせる考えが述べられている。

 このお話では3匹の子豚が全部助かるが、オリジナルの話は最初の2匹は狼に食べられてしまう。その場合でもalternative factsと著者は考えるのだろうか。

 他の19編に関する教訓も興味深い。孫と話をするにはお勧め出来る本だ。

(2022.3.5 Saturday)