オランダ、ベルギー、日本 (備忘的メモ③最終回)

個人的な経験をいくつか述べたい。

【キャッシュレス化】
 旅行まえに現金は30ユーロしか持っていなかった。ガイドさんがそれ以上持って行く必要が無いと言うので、それ以上現金を持って行かなかった。
 確かに、現金は殆ど不要だった。土産屋、マルシェ、キオスクのどこでもクレジットカードで決済出来た。
 驚いたのは、有料の公衆トイレですら現金不要で、クレジットカードで決済出来た。
 一度だけ困ったのは、ブラッセルのGodivaの本店で、日本で売っていないチョコを買おうとした時だ。店のクレジットカードの機械が壊れており、現金を要求されたのだ。現金が必要だったのはその時だけだった。
 多分100ユーロ程度は現金を持って行った方が良さそうだ。

【物価】
 ツアーだったのでツアーに組み込まれていない食事は、昼2回、夜1回だけだった。食事の値段に違和感は無かった。フードコート的なところは安いし、そこそこのレストランはそこそこの値段だった。
 もう少し円高が進めば、欧州への旅行はずっとしやすくなるだろうと思った。

【日本の影響力】
 観光地ではどこへ行っても、まずはニーハオと声をかけられた。中国人で無いとわかると、こんにちわに切り替える。
 2000年頃は朝食のバッフェに味噌汁を準備するところが多かったが、今回は皆無だった。

【イスラム化】
 オランダ、ベルギーともにアラブ系の住民が目立った。ヒシャーブを被った女性も多かった。両国ともアラブ系の住民は5%以上いるようだ。
 日本では人口減対策として、移民難民の扱いが議論になっているが、本格的な議論をしないまま、なあなあで日本的に進んでいる。
 日本の警察が外国人を外見だけで差別して職務質問するのは憲法違反だという外国人からの訴訟が起きている。この辺も併せて、しっかりとした議論が必要だ。
 NIMBYという言葉がある。NIMBY(ニンビー)とは、英語の「Not In My Backyard(我が家の裏庭には置かないで)」の頭文字を取った言葉で、公共に必要な施設だということは認めるが、それが自分の近くでは嫌だという意味だ。アジア系の人でも持て余しているのに、クルド系やアラブ系の人と上手く日本人は接して行けるのだろうか。
 移民・難民はまさにNIMBYの問題だであり、しっかりした議論が、地方でも国政でも、まさに今、必要な段階だ。

【2つの失敗】
 旅行中に失敗を二つした。
1.オランダの石畳で滑って転んだ
 履きやすいでの履いていたMBTの靴の裏がかなり減っていた。
 それで石畳の上でつるりと滑って大きく転んだ。
 けがは無かったが、とても恥ずかしい経験だった。底の減った靴は履かないようにしようと思った。

2.アムステルダムの空港の動く歩道でカートが滑った
 動く歩道に傾斜がついて上りに差し掛かった。
 下がってくるカートに抗しようと一生懸命レバーを握って押した。カートのレバーを離せばブレーキが効き何事も無かったのだが、一生懸命押し返そうとしたためにカートがずり下がり家内が転びそうになった。
 老齢ドライバーがブレーキを踏むべきところをアクセルを大きく踏み込むのに似た操作をしてしまった。やばい経験だった。反省!

2024年4月21日 日曜日

オランダ、ベルギー、日本 (備忘的メモ➁)

今日は経済の比較をしてみたい。

【一人当たりGDP】OECD統計より
金額(千ドル) 世界順位
オランダ  61        11
ベルギー   51       16
日本      35       31

オランダ、ベルギー共に日本よりずっと豊かだ。
因みにベネルクスの残りの一国ルクセンブルクは1人当たりGDPは132千ドルで世界一位、日本の4倍近い。これはルクセンブルクで働く多くのドイツ人の給料はルクセンブルクで計上されるが、国民の数にカウントされないため、一人当たりGDPは大きく嵩上げされている、という説明がされる。

オランダ、ベルギー共に伝統的な工業と農業が発達しており、近年はIT産業も国家の成長をけん引しているようだ。国民の少なさも一人当たりの豊かさを維持する際には有効だ。日本も、これからの人口減少を好機ととらえ一人当たりGDPの上位国へと「挽回」を図る好機にしたいものだ。1995年には日本は世界第8位だったのが、今はFIFAの世界ランクのような状態に低迷している。

為替レートも順位に大いに影響するが、一ドル150円から90円程度まで70%近く円高が進まないと、オランダに為替レートだけで追いつくことは出来ない。

【電源構成】% 2022の統計
オランダ  ベルギー  日本
天然ガス 39.6     12.5    32.7
風力   17.9    11.9      0.9
石炭    15.9     0.1     30.9
太陽光   14.9    5.6      9.2
原子力  3.7     50.3      5.6

オランダは昔も今も風車の国だ。風車は、昔は、低湿地の水の排水に使われ、今は発電に使われている。アムステルダム空港に飛行機が近づくと遠浅の海に林立する風車が見える。国内のどこを車で移動しても、風況の良いところには風車が建てられている。日本の風力発電比率がまだ0.9%に留まっているのを考えると17.9%と言うのは驚異的な数字だ。オランダは代替エネルギーの拡大で脱原子力を果たそうとしている。
ベルギーはフランスと同様に原子力依存で脱炭素化を果たそうとしている。これは一つの考え方だ。
隣接する二つの国で、エネルギーに対する政策が大きく異なるのは驚きだ。
我が国の長期エネルギー政策は原発の再開を巡り揺らいでいる。地政学的な観点も踏まえつつ、ぶれないエネルギー政策を立て、実現して行くことが課題だ。オランダで林立する風車を見て思いを巡らせた次第だ。

2024年4月21日 日曜日

オランダ、ベルギー、日本 (備忘的メモ⓵)

オランダとベルギーを8日間の駆け足で旅行した。日本との比較で気づいたことも多かったので備忘録的にまとめてみたい。ベルギーは20年振り、オランダは初めての訪問だ。

まず基本情報を整理する。
【基本情報】
オランダ   ベルギー   日本
面積  42千㎢    30千㎢    370千㎢
(九州ほど) (四国よりやや大)
人口  1776万人   1170万人   12500万人
建国  1648年    1830     紀元前600年
スペインから独立 オランダから独立 神武天皇即位
政体  立憲君主制   立憲君主制   立憲君主制

両国の国土の面積ではとても小さい国だと今更ながら認識する。
(観光旅行するにはとても都合が良い)

ベルギーとオランダにルクセンブクを加えた3か国はBENELUX3国と言われる。元々この地域はネダーランド(低湿地)と呼ばれ欧州の交通の要衝を占めていた。そのため、長く欧州の強国に支配されてきた歴史を持つ。
現在も、ドイツとフランスと言う欧州の二大強国に挟まれているが、EUの本拠がベルギーに置かれたりして、存在感を示している。

【宗教と言語】

宗教(%)     オランダ ベルギー  日本 日本
無宗教     57           ー    62
カトリック    18    伝統的に

プロテスタント 13
イスラム 6
神道                 48.5          3
仏教                 46.3       31
キリスト教               1           1
その他                 4           1
(宗教年鑑)(NHK)

日本の宗教は宗教年鑑による数字(宗教団体の申告)とNHK調べに大きな差があるが、NHK調べが実態に近い。

驚くべきはオランダの無宗教比率の高さだ。キリスト教の禁止された江戸時代に長崎の出島で交易を許され日本にとっての海外へ開かれた窓となったオランダは、宗教に囚われない融通無碍さがあったのが当時の大きな理由だが、現在では、その無宗教性が更に大きくなってきているように見える。

言語       オランダ  ベルギー
オランダ語   ほぼ100   北部で
フランス語          南部で
ドイツ語          東部の一部で
第一次大戦前
ドイツ領だったエリア

ほぼオランダ語がつかわれるオランダと違い、ベルギーは北部と南部で言語も文化も異なり絶えず分離論が起きている。複雑な国内をまとめる力は複雑な欧州をまとめる力でもある。
第3代欧州理事機議長(EUの大統領と呼ばれることもある)シャルル・イヴ・ジャン・ギスレーヌ・ミシェル(フランス語: Charles Yves Jean Ghislaine Michel、1975年12月21日 – )は、ベルギーの政治家で元ベルギー首相だ。

2024年4月20日 土曜日

世界の動き 2024年4月11日 木曜日

今日の言葉:
「媚びた笑顔」
岸田首相がバイデン大統領の公用車ビーストに乗って歯をむき出してニカーと笑っている写真が広まっている。
日本の国益を守るという決意が微塵も見られず、自動車に載せてもらってはしゃいでいる子供のようだ。
沖縄の方々や拉致被害者の家族、能登半島の被害者の方々はどのようにご覧になっただろうか。
真田広之や渡辺謙とは言わないが、毅然とした日本男子の気概を少しは持ってもらいたい。媚びた笑顔は止めてもらいたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事より
1.米国が日本の首相を接待
【記事要旨】
バイデン大統領は昨日、ワシントンで日本の岸田文雄首相の国賓訪問 を歓迎した。 私たちがこのニュースレターを送ってから数時間後、両氏は岸田氏を讃えて公式晩餐会に出席することになるが、これは米国が最も近い同盟国だけに設けている栄誉である。
この式典は、米国に対する日本の重要性を示すことを目的としていた。これはすべて、最近の韓国との軍事訓練を含む、中国に対抗することを目的とした広範な地域活動の一環である。 両氏は今日遅くにフィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領と会談し、米国とその同盟国による中国を孤立させるためのより積極的な取り組みを象徴する協議を行う予定だ。
バイデン氏と岸田氏は、軍事、経済、その他の種類の協力を強化するためのさまざまな動きを発表した。 バイデン氏は、米国と日本はオーストラリアとの拡張的な防衛体制を構築し、英国との軍事演習に参加し、米国主導のオーストラリアおよびニュージーランドとの連合に日本が参加する方法を模索すると述べた。 同氏はまた、米国はNASAのアルテミス計画の一環として日本人宇宙飛行士の月旅行に参加させる予定だとも述べた。
当局者らはまた、バイデン氏が11月の選挙前に可能な限り日米関係を強化しようとしていると述べた。 ワシントンと東京の両方の多くの人々は、その予測不可能性が多くの世界の指導者たちを不安にさせてきたドナルド・トランプ氏が権力に復帰するのではないかと懸念している。
鉄鋼取引:国賓訪問に迫っているのは、ペンシルベニア州に本拠を置くUSスチールを買収する日本企業の日本製鉄による140億ドルの入札に対するバイデンの反対である。 州内の組合員らはこの協定に反対しており、バイデン氏の再選には彼らの投票が極めて重要となる。
晩餐会: 「春の恵み」をテーマにした公式食事のメニューには、様式化されたカリフォルニアロールとステーキのセサミサバイヨン添えが含まれる。 ポール・サイモンが出演する予定だ。
【コメント】
米国サイドからの概ね好意ある報道だ。岸田首相がいくら小切手を切るかは触れられていない。支持率のマイナスの二人が交歓すると、マイナス掛けるマイナスで、プラスに転化するのだろうか。

2.韓国与党は大負けの予測
【記事要旨】
韓国の総選挙は投票が終了し、今朝正式な結果が発表される予定だ。 しかし、出口調査によると、尹錫悦大統領とその党は惨敗に向かうことが示唆されている。
主要テレビ局3社の出口調査では、尹氏の国民の力党とその関連政党が国会300議席中105議席しか獲得しないと予想された。 野党指導者イ・ジェミョン氏率いる民主党とそのパートナーは197人を獲得すると予想されていた。別の世論調査でも同様の結果が予想されていた。
李氏の党は、韓国の有権者に対し、今回の選挙が、消費者物価の上昇から汚職や権力乱用の告発に至るまで、さまざまな問題で尹氏を懲罰する機会であると描いた。 その戦略は功を奏したようだ。 これほど劇的な敗北を喫すれば、尹氏は残りの任期(2027年5月10日まで)でレームダックになることになる。
【コメント】
難しい政策運営が見込まれる。イ・ジェンミン氏は反日的な言動が目立つ政治家で今後の日韓関係が心配だ。

3.習氏は台湾の元指導者と会談銹
【記事要旨】
習近平氏は昨日北京で台湾の馬英九前総統と会談した。 中国の指導者が中国本土で台湾の元総統と会談するのは初めて。 この動きは、中国が台湾との関与に前向きであることを示すシグナルとなったが、それはあくまで条件付きでのことだった。
習氏は発言の中で、馬氏を台湾海峡の「平和的発展」を推進した愛国者として称賛し、台湾は中国の一部であることを認めるべきであるとする中国政府の立場を表明した。 馬氏は、たとえそれが何を意味するかについて意見の相違があったとしても、双方が一つの中国の一部であることを受け入れるべきであるとの立場を再確認した。
【コメント】
興梠一郎氏によれば、馬氏は言葉を選んで発言しているようだ。中国と言わず大陸と言うとか、習主席と言わず習総書記と言うとかだ。
ただ、馬氏の心の底には、台湾が中国に吸収され合体しても仕方ないという考えがありそうだ。

その他の主要記事
ヘルスケア:
イギリスは、子供に対する性別治療薬の制限を開始したヨーロッパで5番目の国となった。
EU:
移民政策を全面的に見直す画期的な法案が欧州議会で承認された。
気候: 海の温度は1年以上毎日記録を更新しています。
インフレ:
米国の消費者物価は予想よりも速く上昇した。
香港:
国境なき記者団の代表者が、現地での報道の自由の縮小に関する事実調査任務中、香港への入国を拒否されたと同団体が発表した。
天候:
ロシアとカザフスタンの広大な地域を壊滅的な洪水が襲い、10万人以上が避難を余儀なくされた。
南アフリカ:
2018年に恥を忍んで大統領職を辞任したジェイコブ・ズマ氏は、来月の議会選挙に野党候補として立候補している。
カナダ:
ジャスティン・トルドー首相は、以前は否定していた中国による選挙干渉について公聴会で証言した。
K-POP:
人気グループのNewJeansが、韓国でYouTubeユーザーを名誉毀損で訴えようとしている。 彼らは米国の裁判所に対し、Googleに対しその人物の身元を公表するよう命令するよう求めた。
中東の話題3つ
緊張:
先週のイスラエルによるシリア攻撃に対してテヘランがいつどのように報復するかについての懸念が高まる中、イランとイスラエルは新たな脅迫をしあっている。
会談:
ハマスの政治指導者は、イスラエル軍の攻撃によりガザで息子3人と孫数人が死亡したと述べた。 同氏は、イスラエルに対するハマスの立場が変わることはないと述べた。
ガザでは:
ラマダンの終わりを告げる祭典であるイード・アル・フィトルは、戦争と飢餓によって台無しになった。

2024年4月11日 木曜日