週間市場動向 2026年2月2日~6日 備忘録

【米国株式市場】
 2025年2月2日週(2月2〜6日)の米国株式市場は、AI関連株の調整やトランプ政権による関税方針、経済指標(雇用や景況感)への警戒から上下動を繰り返しつつ、週末にかけてやや重い展開となりました。

主要な市場動向とイベント
 週全体としては、S&P500が小幅安で引け、ダウはほぼ横ばい〜やや軟調、NASDAQはAI関連を中心にボラティリティが高い展開でした。
投資家心理を揺らしたテーマは
・中国AI企業の技術ブレイクスルー報道による米テック株の競争懸念(AIバブル崩壊懸念を伴う)
・トランプ政権によるカナダ・メキシコ・中国への関税発動・延期を巡る報道(企業収益・インフレ懸念)
・1月雇用統計が市場予想をやや下回ったことや、米消費者マインド低下などのマクロ指標
​ FRBの政策スタンスは前週のFOMCで据え置き、「見通し不確実だが雇用とインフレのリスクは概ね均衡」との文言で、大きなサプライズはなし

 セクター面では、序盤はAI関連・半導体などハイテクが売られ、週の途中からディフェンシブ(生活必需品、ヘルスケア、金融など)への資金シフトが見られた。

S&P500:週トータル(2月3〜7日)で▲0.2%の下落
ダウ:同週のダウは、週トータルでおおむね小幅安〜横ばい。
NASDAQ:AI関連・テック中心に調整色が強く、週トータルでS&P・ダウを下回るパフォーマンス(▲1%超)

【日本の株式市場】
 2025年2月2〜6日の日本株式市場(現物)は、月初の米ハイテク調整とAIバブル懸念を背景に大きく下落してスタートし、その後も戻りは限定的で、「2日急落→3〜6日は方向感乏しい持ち合い〜戻り鈍い」展開でした。

日経平均・TOPIXの動きと騰落率
日経平均株価
 6日時点:2日急落後の自律反発で一部戻したものの、なお前週末比マイナス圏(▲1〜2%程度)。
TOPIX
 2日に▲2%前後の下落、その後も戻りは限定的で6日時点でも前週末比マイナス圏。

背景要因・投資家心理
 背景として、米国でのAI・メガテック調整と「AIバブル崩壊」懸念が日本の半導体・生成AI関連にも波及。
 1月末からの米長期金利上昇とドル高一服が、輸出株の買い手控えにつながった側面。
​ 2月第1週にかけての米決算・雇用統計など重要イベントを控え、海外投資家が日本株をややリスクオフ方向に傾けた動き。
 2日〜6日のトータルでは「日本株は2日急落の影響が大きく、週後半にかけても戻り切らず、前週末比で日経平均・TOPIXともおおむね▲1〜2%程度の軟調推移。

【金融市場・円ドル為替の動向】
 2025年2月2〜6日の局面では、米金利は「強い雇用・インフレ懸念を意識した高止まり〜じり高」、日本金利は「2%台前半でのレンジ推移」、為替は「150円後半のドル高・円安圏で上下しつつ、やや円高方向に振れる場面もある」という構図でした。

米国金利の動き
 期間中の米10年国債利回りは、4%台前半で推移しつつ、雇用統計などを控えて小幅に上昇する日が多く、「高止まり圏での神経質な上下」という動きでした。
 足もとの水準感から見ると、2025年初からの流れとしては「FRBは利下げ時期を慎重視、インフレ再燃リスクも意識」で、2年債利回りも短期金利見通しを反映しつつ高水準を維持する局面にありました。
 2月第1週は、1月雇用統計を控えた「イベント前の金利上昇バイアス」が意識され、リスク資産(特に株式・AI関連)には逆風となる金利環境でした。

日本金利(JGB)の動き
 日本の10年国債利回りは、2%台前半で推移しました。
 10年国債利回りは、最新データで約2.23%(2026年2月5日)。ちょうど1年前は約1.29%であり、1年間で約0.9%ポイント(約70%超)上昇しています。
 2025年12月時点でも1.9〜2.1%前後だったため、2025年後半〜2026年初にかけて2%台に乗せその後も上昇しています。​

日米金利差とドル円(USD/JPY)の動き
 日米金利差(特に2年・10年)は依然として大きく、米金利>日本金利という構図は維持されており、為替の基調としてはドル高・円安方向を支持する状況でした。
 一方で、2月第1週は、 米金利が高止まりしつつも、AI関連株の調整・株価の不安定化でリスクオフ気味のムードが出たことと、BOJの正常化へ向けた議論継続や、日本側長期金利が2%台へ乗せてきたことから、極端なドル高・円安の加速は抑制されました。

円ドルレートの水準感と方向
 2025年通年のUSD/JPYの平均は149円台で、2026年初には一時158円台までドル高・円安が進んでいました。
 株価調整やリスクオフ、あるいは日本金利上昇観測が意識される局面では一時的な円高方向(150円方向)という「広義のドル高・円安レンジの中での往来」と整理するのが妥当です。

【高市トレードの方向性】
 今のところ「高市トレード=株高・円安・金利高」が一直線に続くというより、かなり振れ幅が大きくなりつつある「変形版・高市トレード」の局面に入っている、という見方が妥当です。

現状:何が起きているか
 高市政権の「財政拡張+構造改革期待」に支えられ、日本株は2025年にかけて大きく上昇し、2026年入りでも基本シナリオとしては強気な見方が主流です。同時に、国債増発と日銀の量的引き締めでJGB利回りは27年ぶり水準まで上昇、「金利高」はかなり現実のものになっています。円は構造的には弱く、「円安基調」は続いているものの、急激な円安に対しては当局の介入警戒・日銀の追加利上げ観測が出やすく、一本調子ではなく乱高下しやすい局面です。

株高・円安・金利高が同時に続く条件
 この3つが同方向でそろうのは、ざっくり言えば「財政拡張+日銀は緩和的(ただしゼロ金利ではない)+世界のリスクオン」が維持される場合です。

株高:
内需・賃上げ・設備投資が回り、企業収益が増える。
コーポレートガバナンス改革・資本効率改善でPERの上振れ余地がある。

円安:
日米金利差がまだ十分に大きい、あるいは市場が「円は構造的に弱い」と見ている。
政府・日銀が急激な円安でない限り容認的。

金利高:
インフレ・賃上げが定着し、日銀が緩やかに利上げ・国債買入縮小を継続。
財政拡張・国債増発へのリスクプレミアムが乗る。

 現状の政策・景気シナリオを見る限り、2026年も「緩やかな政策正常化+財政は拡張気味」という組み合わせが続く公算が大きく、基本線としては「株高・金利高・円安寄り(ただし円は介入警戒で頭打ちしやすい)」という方向に引っ張られやすい環境です。

どこがリスクになるか
・「株高」が崩れるパターン
 米テックの再調整や世界景気減速でリスクオフになれば、日本株も巻き込まれる。財政・国債への不信が強まり、「株も債券も売られ、円も売られる」という2025年末に見られた“Sell Japan”相場が再燃するリスク。
​・「円安」が止まる/反転するパターン
 円安があまりにも進み、当局が実弾介入+日銀がタカ派シフトを強める場合。米国の利下げ開始で日米金利差が縮小した場合。
・「金利高」が行き過ぎるパターン
 財政拡張への不信が強まり、JGB利回りが急騰すると、株式のバリュエーションに圧力、銀行以外のセクターに逆風。

実務的な見方
ベースシナリオ:
 2026年は「新・高市トレード」として、
日本株:ガバナンス改革・賃上げ・設備投資を材料に、押し目を挟みながらも高値圏維持〜高値更新を狙う動き。
円:構造的には弱めだが、150円台以深では介入・日銀タカ派化リスクがあるため、レンジの上限はかなり意識される。
金利:10年JGBは2%台前半〜半ばで高止まり。超長期ゾーンは財政懸念次第でボラティリティ高め。
リスクシナリオ:
「Sell Japan」再燃で、株・債・円の“三重安”が一時的に表面化する可能性も残る。
​ その場合、「高市トレード」は一時的に崩れ、むしろボラティリティを取りに行くトレード(ボンド・先物・オプション)が主戦場になるイメージです。

戦略の方向感:プロの立場であれば、
株:構造改革・国内需要・賃上げの恩恵を受ける銘柄に軸足を置きつつ、金利上昇・円急変に敏感な外需・高PER株はポジション管理をタイトに。
債券:超長期の金利上振れリスクを意識し、デュレーションはやや短め〜中期ゾーン中心、あるいは金利上昇局面での段階的なサイド積み。
為替:基調は円安方向だが、介入リスクを見ながらコール・プットオプション等でテールをヘッジ、というのが今の環境にフィットしやすい形だと思われます。

【PE市場、プライベートクレジット市場の動向】
 最近はヘッジファンドへの機関投資家のアロケーションが増加している。

ヘッジファンド:増配分の流れは明確
 BNPパリバの「2026 Hedge Fund Outlook」によると、調査対象アロケーターのうち2025年に55%がヘッジファンドへのネット配分を増やし、2026年も64%がネットで増やす意向とされています。
 同レポートは、2025年にヘッジファンド業界が現金より平均641bp高(約10.5%)のリターンを上げたことを背景に、2026年も約240億ドルの追加純流入が見込まれるとしています。
​ BofAの調査では、回答したアロケーターの約51%が2026年にヘッジファンド配分を増やす意向とされ、「他のオルタナティブよりヘッジファンドの方を増やす」とのトーンが示されています。

プライベートエクイティ(PE)・プライベートクレジット(PC):減らすというより“成長続く”
 BlackRockの2026 Private Markets Outlookでは、プライベートクレジットはむしろ「全体の貸出に占める比率を高め、2026年も機会拡大」とされており、配分縮小ではなく成長分野として位置づけられています。
​ Nuveenのグローバル機関投資家サーベイでは、66%の投資家が今後5年でプライベートアセット(PE・PC等)への配分を増やす意向と回答しており、「オルタの中核は依然としてプライベート市場」というニュアンスです。
​ McKinseyのGlobal Private Markets Reportでも、PE・PCを含むプライベートマーケットはAUM拡大基調が続いており、直近はディール減速・エグジット環境悪化でテンポは鈍っているものの「構造的な縮小トレンド」とまでは位置づけられていません。

「PE/PCからHFへ」の明示的なリバランス報道は?
 BNPパリバやBofAのヘッジファンド見通しは「HF配分を増やす投資家が多い」点を強調していますが、「原資としてPEやPC配分を削る」と明示しているわけではありません。
 一方、オルタ全体の中でボラティリティ増加への対応として“リキッドなオルタ”(ヘッジファンド・絶対収益戦略)を厚くする、レバレッジドローンや一部PE戦略に対するリスク認識の高まりから、新規コミットメントのペースを抑え、既存ポートフォリオの自然減を待つといった「相対的なウェイト調整」を示唆する論調は見られますが、これは各ハウスのアウトルックの中でのニュアンスレベルにとどまっています。

実務的な読み方
 2025〜26年の流れとしては
ヘッジファンド:マルチストラテジーなどを中心に「再評価・増配分」。
PE・PC:ディール・エグジット環境は難しいが、長期分散・インカム源としての位置づけは維持、全体としては「横ばい〜やや増やす」スタンスが主流。
 という構図で、「PE・PCを減らしてHFへ大きく振り替え」という決定的なシフトを示すエビデンスは限定的です。

2026年2月7日 土曜日 曇り
AM10:30 気温3度 さっき散歩したら粉雪が舞っていました。

世界の動き 2026年2月6日 金曜日

今日の一言
「エプスタインファイルに登場する著名弁護士」
二人の有名な弁護士がファイルの公開で明らかになった。
一人は Paul Weiss (ニューヨークの著名な事務所だ)の Brad Karp 氏。同氏は、エプスタインとの複数年のメール・会食・息子の映画関係の依頼などが DOJ 文書で明らかになった。2026年にファイルが明らかになると同時に会長を辞任した。
もう一人は投資銀行最高峰のGoldman Sachs の Kathryn Ruemmler 氏。同氏は、エプスタインから多数の高額ギフトを受け取り、メールで “Uncle Jeffrey” と呼ぶなど親密な関係が文書で判明した。同氏は今のところ辞任しないようだ。
驚くのはそれぞれの年俸だ。Karp氏は非公開だが、事務所のトップパートナーは最大2,000万ドル級と推定される。Ruemmler氏は約1,760万ドル(2024年)だった。
弁護士に最も要求される資質は「清廉潔白性」だと思う。米国のビジネスではman (woman) of integrityというのは最大の誉め言葉だ。二人の著名弁護士は、驚くほど高額の年俸を得ていながら、エプスタイン氏とのビジネス上の貸し借りに手を染めていたことになる。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.冬季五輪開幕
【記事要旨】
冬季五輪の開会式に合わせて、会場では厳重な警備が敷かれているが、今回は米国の移民・税関執行局(ICE)が米国選手団の安全確保のため「助言役」として参加している。ただし、移民法の執行権限は持たず、取り締まりも行わない。
しかし、ICEがミネアポリスで2人を射殺した事件などで悪名が高いため、イタリア国内では強い反発や抗議が起き、政治家も批判。米国のホスピタリティ施設は「Ice House」から「Winter House」へ名称変更を余儀なくされた。
世界的な緊張の中で開催される今回の五輪では、米国選手が欧州の観客からブーイングを受ける可能性も懸念されている。また、イタリア当局はチケットシステムや大会サイトを狙った大規模サイバー攻撃を阻止したと発表。2018年平昌五輪でもロシアによるとされる攻撃があり、今回もロシアはウクライナ侵攻により出場禁止のため、妨害リスクが指摘されている。
IOC の新会長キルスティ・カヴェンツリーは「政治を理解しているが、我々のゲームはスポーツだ」と述べ、政治介入を極力避ける姿勢を示した。関係者の間では、ロシアの出場禁止が次回大会では解除される可能性も語られている。
競技面では、ブラジル代表として出場するルーカス・ピニェイロ・ブラーテン(アルペンスキーの回転・大回転)が注目されている。ノルウェー生まれの彼は2024年にブラジル代表に転向し、南米初の冬季五輪メダル獲得の可能性があるスター選手。
また、40代で膝の人工関節を抱えながら挑戦を続けるリンゼイ・ボン(アルペンスキーの滑降・スーパー大回転)の出場意欲も話題。怪我で出場が危ぶまれているが、その姿勢自体が多くの人を鼓舞している。
【コメント】
スポーツと政治は不可分だが、今回ほど政治の影響が懸念される大会は少ない。ただ、当方はTVで日本選手の活躍を見たい。それだけだ。

2.エプスタイン文書公開後の謝罪と波紋
【記事要旨】
英国のスターマー首相は、元駐米大使ピーター・マンデルソンとエプスタインの親密な関係が文書で明らかになったことを受け、強い批判に直面している。
スターマー首相は、
– マンデルソン氏が関係を隠していたことを「欺瞞」と非難
– エプスタインの被害者に対し「彼の嘘を信じて任命してしまい申し訳ない」と謝罪すると述べた。
新たに公開された文書は、エプスタインが有罪判決後も王室関係者やその側近と近い関係を保っていたことを示している。
また、エプスタインが著名人に贈り物を送り、関係を築こうとしていた実態も明らかになった。
例:- ノーム・チョムスキーにカシミアのセーター
– ウディ・アレンに高級下着
こうした贈り物は、エプスタインが影響力を得るための手段として使っていたとされる。
【コメント】
今日の一言をご覧ください。

その他の記事
・ロシア、ウクライナ、米国の関係者による和平交渉はわずか3時間で終了し、膠着状態が示唆された。
・中国の習近平国家主席は、トランプ大統領と長時間の電話会談を行い、台湾問題について圧力をかけた。
・イランと米国は本日、オマーンで新たな交渉ラウンドを開く。イラン当局は、反政府デモへの報復の一環として、大規模な逮捕を行っている。
・マーク・カーニー首相は、カナダを電気自動車の世界的リーダーにするためのインセンティブと減税策を発表した。
・べェルサーチは、創業48年の歴史の中で初めて、イタリア国外出身者をチーフ・クリエイティブ・オフィサーに任命した。

銀の高騰により、世界最大の宝飾品ブランドはプラチナへの切り替えを進めている。【コメント:世界最大のジュエラー(Pandora)が実際に“銀→プラチナ”へ切り替えを発表 Pandora は世界最大のジュエリーブランドだが、

  • 銀の加工コストが高騰
  • プラチナの方が製品として安定して安く作れる
    という理由で、銀製品の一部をプラチナに切り替えると発表したそうです。】

2026年2月6日 金曜日

AM7:00 摂氏2度 週末は東京でも雪が降るそうだが。。

世界の動き 2026年2月5日 木曜日

今日の一言
「藤原幸弘氏」
 東京8区(杉並区)で衆議院議員選挙に無所属で立候補している。年齢は92歳で、今回の選挙では最高齢の候補者だ。
 私が以前勤務していた銀行で役員になり、その後は東京会館の社長を長く務めた。銀行では国際部門の大先輩だが、世代が違うので直接職場でご一緒したことは無い。
 ネットで調べると、主張はリベラルだ。現在の政治情勢に危機感を抱いての出馬と拝察する。
 当方は支持する政党がないなーと不満を漏らしているが、藤原さんの行動は感嘆に値する。年寄りの冷や水ではない。その熱血にエールを送りたい。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.世界的な少子化は「問題解決」にならない
【記事要旨】
 世界各国で出生率が急低下しており、中国や米国を含め、多くの国で人口増加が鈍化または減少に向かっている。現在の傾向が続けば、世界人口は今後50〜60年で縮小に転じる見通しだ。これは経済成長、イノベーション、政治の安定に深刻な影響を与える。
 一部には「人口が減れば気候変動の負荷が減る」「AIが仕事を奪うなら、労働人口が少ない方が良い」といった楽観論もある。しかし専門家は、人口減少はこれらの問題の解決策にはならず、むしろ状況を悪化させる可能性が高いと指摘する。

気候変動との関係
– 人口減少の効果が現れるのは非常に遅く、気候変動の危機的タイムラインとは合わない。
– 研究によれば、2200年までに人口が数十億人減っても、気温上昇を抑える効果は0.1℃未満にとどまる。
– つまり、人口減少は気候変動対策としてほぼ無意味だ。

AIと労働力の関係
– 高度なロボットが労働力不足を補うには、技術の進展が間に合わない。
– 東欧のように「豊かになる前に高齢化した」国では、すでに労働力不足が深刻だ。
– AIがすべての仕事を奪う可能性は低いが、仮にそうなっても人口が少ないことがショックを和らげるわけではない。

 人口減少は気候変動やAIによる雇用喪失の「魔法の解決策」にはならない。むしろ、人口縮小という新しい現実に対応するための地道な政策づくりが不可欠である。
【コメント】
 人口減の最先進国日本の対応が世界への指針になる。
 日本では、消滅する地方自治体が数多くあるというレポートが数年前にあったが、その後、国を挙げて課題に取り組む姿勢は見られない。地方交付税を増やせばよいというものでもなかろう。

2.ミネアポリスでのICE(移民税関捜査局)部隊の一部撤収
【記事要旨】
 トランプ政権の国境担当責任者は、ミネアポリスから700人のICE職員を撤収し、市内での取り締まりを縮小すると発表した。これにより、ミネソタ州には約2,000人のICE職員が残ることになる。
 この決定は、2人の市民が射殺された事件を受け、全米で抗議が広がったことが背景にある。ミネアポリス市長は、今回の縮小を「正しい方向への一歩」と評価しつつも、「本格的な緊張緩和には至っていない」と述べた。
【コメント】
 まだ2000人も残っているのですね。

3.ウクライナ人の間で「領土割譲」容認が増加
【記事要旨】
 戦争初期の2022年には、ウクライナ国民の82%が「いかなる状況でもロシアに領土を渡すべきではない」と考えていた。しかし、長期化する戦争の疲弊の中で、その姿勢に変化が見られる。
 今週発表された新たな調査では、回答者の40%が「安全保障の保証と引き換えに東部ドンバス地域を譲渡することを支持する」と答えた。これはウクライナ社会の大きな意識変化を示している。
 ドンバスの将来は、ウクライナ・ロシア・米国が協議を続ける中で、最も難しい争点の一つとなっている。
【コメント】
 ウクライナという国は西部、中部、東部に文化的な違いがある。東部の譲渡は戦争停止のためのやむを得ない選択肢だ。
 キッシンジャー博士が2022年に提唱した停戦案をもう一度振り返りたい。その核心は次の3点だ。
① ロシア軍を「2月24日以前の戦線」まで撤退させる
– ロシアは2022年2月24日の全面侵攻以前のラインまで撤退する。
– ただし、クリミアやドンバス(ドネツク・ルガンスク)については即時返還を求めない。
➡ ウクライナ側は「1991年国境(全領土)」の完全回復を主張しており、この案を拒否。
② クリミア・ドンバスの扱いは「停戦後の交渉」に回す
– クリミア、ドネツク、ルガンスクなどロシアが占領・併合を主張する地域は、
停戦後に交渉で決めるべきだと提案。
– つまり、即時返還を求めず、事実上ロシアの占領を一定期間容認する形。
➡ ウクライナは「領土の譲歩は一切不可」として強く反発。
③ ウクライナをNATOに「何らかの形で」結びつける
– 中立化はもはや現実的でないため、
ウクライナをNATOと結びつける安全保障枠組みを構築すべきと主張。
– ただし、ロシアも将来的に国際秩序の中で「位置を与えるべき」と述べ、
ロシアを完全に弱体化させるべきではないと警告。
➡ ウクライナ側は「ロシアに譲歩しすぎ」と批判。

ウクライナが拒否した理由
– 領土の一部(クリミア・ドンバス)を交渉対象にすること自体が容認できない。
– ロシアの既成事実化を認めることになり、さらなる侵略を招くと懸念。
– 「1991年国境の完全回復」がゼレンスキー政権の公式方針。
そのため、キッシンジャー案はウクライナ国内で強い反発を受け、
一時は「敵」とみなされるほど批判された。
 いま見直すと、博士の慧眼に恐れ入るばかりだ。

その他の記事
・イスラエルは、武装勢力がイスラエル軍を攻撃したとして、ガザ地区への空爆を開始した。ガザ当局によると、この攻撃で少なくとも21人のパレスチナ人が死亡した。
・ワシントン・ポスト紙は300人以上のジャーナリストのレイオフを開始し、これにより国内、国際、スポーツ報道に壊滅的な打撃を与えると予想される。
【コメント:現オーナーはジェフ・べゾス氏だ】
・2024年の大統領選キャンペーン中に、フロリダ州のゴルフコースでドナルド・トランプ氏を殺害しようと企てた男に終身刑が言い渡された。
・ビル・ゲイツ氏の元妻メリンダ・フレンチ・ゲイツ氏は、エプスタイン氏のファイルで元夫に言及されたことで「信じられないほどの悲しみ」を覚えていると述べた。
・シェブロンは、シリア政府がシリアの石油・ガス田を制圧したことを受け、シリアで事業を開始するための最初の合意に署名した。
【コメント:シェブロンはベネズエラでも強い】

オゼンピックを開発したデンマークの製薬大手ノボノルディスクは、今年の売上高が減少すると予想していると発表した。

2026年2月5日 木曜日

AM6:58 摂氏3度 晴れ 少し寒さが緩んだ朝です

世界の動き 2026年2月4日 水曜日

今日の一言

「ケネディの就任演説の名文句」

 Ask not what your country can do for you. Ask what you can do for your country.(国が諸君に何をしてくれるかを問うな。諸君が国に対して何をできるかを問え) 1961年、ジョン・F.ケネディ大統領の就任演説における呼びかけ。これにこたえた米国の若者たちがPeace Corp(平和部隊)に結集した。この理念を実施するUSAIDもトランプ氏に廃止された。

    大学に入学したばかりのころ、クラブのスピーチコンテストでケネディの就任演説全文を暗唱させられたことがある。記憶力が良かったので覚えられたが、演説自体の呼びかけが、心に響くものだった。

 翻ってわが国の現状。衆議院議員選挙で、大きな国家ビジョンを示し、国民に痛みを伴う協力を求める政治家はいない。財源のない消費減税やバラマキで国民にニンジンを示す政治家がほとんどだ。うーん。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.エプスタイン関連文書(Epstein files)に関して分かっていること
【記事要旨】
– エプスタイン文書とは、2005年に未成年者への性的虐待疑惑で捜査対象となって以降、検察当局が蓄積してきた資料の総称。
2006〜2019年の2度の刑事捜査に基づくもので、総計約300万ページが公開された。
– 内容は性犯罪関連だけでなく、
顧客の財務資料、個人メールやメッセージ、写真・動画など多岐にわたる。

– 最新の公開分で物語が大きく変わる新事実はないが、
有力者たちが“性犯罪者として登録済みのエプスタイン”と付き合い続けた実態がより鮮明になった。
– 文書には多くの国際的な名前が登場。
例:
– アンドリュー王子(元王族)
– ピーター・マンデルソン(元駐米英国大使)
– エフード・バラク(元イスラエル首相)
– ノルウェー王室
また、若い女性の多くは東欧やロシア出身だった。

– なぜ多くの富裕層・権力者がエプスタインと関わったのか:
金と人脈が“磁場”となり、さらに有力者を引き寄せるというエリート社会の構造が背景にあると指摘。
– エプスタインは2008年から性犯罪者として公的に登録されていたが、一部のエリート層は若い女性を階級的に“使い捨ての存在”として扱っていたことも浮き彫りに。

– この問題は政治的にはトランプ大統領(当時)との関係が注目されている。
– トランプ氏はエプスタインとの関係が知られていたにもかかわらず、「完全な透明性」を約束した後、既知の情報しか公開せず、「何か隠しているのでは」と疑念を招いた。
– 最新文書にもトランプ氏に関する未確認情報が含まれていた。

– ただし、記者の見解では、
この問題の本質はトランプではなく、エリート男性社会が若い女性をどう扱ってきたかにある。

最近の動き
– 司法省が誤って多数の性被害者の名前を公開し、対応に追われている。
– ビル・クリントン、ヒラリー・クリントンが議会で証言することに同意。
– エプスタインは獄中自殺の2日前、1億ドルの資産を恋人に譲渡する文書に署名していた。
– ロンドン警察はマンデルソンに対し、機密情報漏洩などの疑いで捜査を開始。
【コメント】
 ピーター・マンデルソン(Peter Mandelson)は、イギリスの著名な政治家・元閣僚・外交官で、トニー・ブレア政権およびゴードン・ブラウン政権で重要ポストを務めた人物。
 トランプのメラニア夫人は、エプスタイン氏の紹介でトランプと巡り合ったということだ。

2.ロシアの攻撃停止を破る空爆
【記事要旨】
 ロシア軍は和平協議の前日に、ウクライナの少なくとも6地域の発電所をミサイル攻撃し、首都キーウでは2つの地区が暖房と電力を失った。気温は氷点下25度まで下がっていた。
 この攻撃は、アブダビで始まる予定のウクライナ・ロシア・米国による協議に向けた「信頼醸成のための一時的な攻撃停止」を破る形となった。
【コメント】
 Again and again and again.

3.ベネズエラの恐怖政治の緩和か
【記事要旨】
 米軍によるニコラス・マドゥロ拘束から1か月が経ち、ベネズエラでは長年続いた権威主義体制に“ほころび”が見え始めているのではないか、という期待が広がっている。
 検閲の限界を試す動き、潜伏していた野党指導者の再登場、政治犯への恩赦案などが、その兆しとして受け止められている。
 一方で、マドゥロ支持を訴えるメッセージが組織的に拡散されている様子もあり、政権側の影響力維持の試みが続いている。
【コメント】
 日本ではこのあたりの報道は皆無だ。マドゥロが育てた民兵組織が暴力をふるっているようだ。情勢はまだ混とんとしている。

その他の記事
・米当局者によると、アラビア海を航行中の米空母に接近したイランの無人機を米軍戦闘機が撃墜した。
・ガザ地区の住民は、国境が再開された日にエジプトとの国境を越えることができたのはわずか12人で、予想されていた人数のごく一部だった。
・イラン大統領は、金曜日にイスタンブールで開催される高官級会合に先立ち、米国との「公正な」協議を支持すると述べた。
・トランプ大統領は、共和党に対し、米国の選挙を「国営化」し、一部の州で投票手続きを「掌握」するよう求めた。
・日本で数週間にわたる大雪により、少なくとも30人が死亡した。

・イーロン・マスク氏は、自身のAIスタートアップ企業xAIとスペースXを合併させた。また、パリにあるX社の施設を警察が捜索した際、マスク氏はフランスの検察当局から召喚された。
・トランプ大統領とインドは貿易戦争を中止したが、両国が発表した合意条件は依然として不透明である。
・ディズニーは、テーマパーク業界で豊富な経験を持つものの、映画やテレビ業界での専門知識は乏しいベテラン、ジョシュ・ダマロ氏を次期CEOに任命した。
++
・ローマのバロック様式の教会のフレスコ画に描かれた天使像が最近修復され、ジョルジャ・メローニ首相に驚くほど似ていることが判明した。
・研究者たちは、父親の子育てスタイルが母親よりも子供の健康に大きな影響を与える可能性があることを発見した。

2026年2月4日 水曜日
AM7:05   摂氏‐1度 寒い「立春」の朝です

世界の動き 2026年2月3日 火曜日

今日の言葉
「米百俵の精神」
 幕末・明治初期に長岡藩の小林虎三郎が、困窮の中でも「目先の食い扶持」となる米を売却し、将来の教育資金(国漢学校)に充てた故事に由来する教育第一主義の考えだ。
 2002年に小泉首相が所信表明演説で使ったので再注目された。
(以下、小泉氏の演説から)
 明治初期、厳しい窮乏の中にあった長岡藩に、救援のための米百俵が届けられました。米百俵は、当座をしのぐために使ったのでは数日でなくなってしまいます。
 しかし、当時の指導者は、百俵を将来の千俵、万俵として活かすため、明日の人づくりのための学校設立資金に使いました。その結果、設立された国漢学校は、後に多くの人材を育て上げることとなったのです。
 今の痛みに耐えて明日を良くしようという『米百俵の精神』こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要ではないでしょうか。
 新世紀を迎え、日本が希望に満ち溢れた未来を創造できるか否かは、国民一人ひとりの、改革に立ち向かう志と決意にかかっています。(引用終わり)
 海外のメディアで日本の消費減税への批判が強まっている。海外に言われるまでもない。減税に5兆円使うよりも、日本の教育の強化、ひいては産業力の強化に使われるべきなのは明白だ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.トランプのナイジェリア爆撃を決意させたもの
【記事要旨】
 ナイジェリアでは土地紛争、誘拐、宗教・民族対立、ボコ・ハラムなどのテロにより、キリスト教徒・イスラム教徒の双方が毎年多数犠牲になっている。しかし、長年にわたり一部のキリスト教系活動家は、状況を「キリスト教徒迫害」という単一の物語に押し込み、米国の介入を求めてきた。
 トランプ政権下で彼らは共和党議員や著名人と連携し、「キリスト教徒へのジェノサイド」を訴えてトランプ氏に圧力をかけ、最終的にクリスマス当日の米軍空爆につながった。
 この「キリスト教徒ジェノサイド」物語は現在も米国の対ナイジェリア政策に影響し、援助条件や制裁の可能性、さらなる軍事行動にまで及んでいる。一方、ナイジェリア政府は昨年までこの物語に反論していたが、米国との関係維持や軍事支援への期待から、現在はトランプ政権の主張に逆らわず「結果重視」の姿勢を取っている。
 ナイジェリア中部のベヌエ州で起きたキリスト教徒住民への大規模襲撃(約200人死亡)が米国内で大きく取り上げられ、議会や著名人の関心を集めたことが転機となった。しかし、専門家は同様の残虐行為がイスラム教徒にも向けられていると指摘し、状況は単純な宗教迫害ではなく複雑だと述べている。
【コメント】
 トランプ大統領が特定の場所をどのように考え、突然の攻撃的な行動に駆り立てるのかは不可解だ。クリスマスの、自ら「キリスト教徒のジェノサイド」と呼ぶ行為を阻止するという名目でナイジェリアを爆撃するという、突如の決断は、まさにこれに当てはまる。
 しかし、よく調べると、政権のナイジェリアに対する見方を形作るための、組織的なキャンペーンが大きく影響していることが分かったという記事だ。
 トランプが自分やファミリーの利益を判断の最優先に考えていない例として、私には興味深かった。

2.ガザでの足止め
【記事要旨】
 ガザとエジプトを結ぶ唯一の国境検問所「ラファ検問所」が、約20か月ぶりに再開した。これはイスラエルとハマスの停戦に向けた象徴的だが慎重な前進とみられている。
 再開により、2年にわたる戦争で避難していた一部のガザ住民が帰還できるようになるほか、国外での治療を待つ多数の負傷者・病人の搬送が加速すると期待されている。
 イスラエルは、2023年10月7日の攻撃で拘束された人質が全員戻るまで検問所を閉鎖していたが、先週、最後の人質である警察官の遺体を回収したことで再開に踏み切った。
【コメント】
 本当に、今後の加速を期待したい。

3.米印の貿易合意
【記事要旨】
 トランプ大統領は、インドのモディ首相との電話会談後、米印間で関税を引き下げる貿易合意に達したと発表した。トランプ氏によれば、インドはロシア産石油の購入を停止し、米国製品の購入を増やすことに同意したというが、詳細はほとんど示されていない。
【コメント】
 合意の概要は上記だ。合意文書は公表されていない。

その他の記事
・トランプ大統領の中東特使スティーブ・ウィトコフ氏とイラン外相は、両国間の危機緩和を目指し、金曜日にイスタンブールで会談する予定だ。
・フランス議会は、数ヶ月にわたる膠着状態の後、今年の予算を可決した。【コメント:やっとですか】
・コスタリカは次期大統領に右派候補を選出した。彼女の選挙運動は、国内の犯罪増加に焦点を当てていた。
・中国がAIを支配するというビジョンは、迅速に行動しつつも検閲ルールを遵守することを含んでいる。
・トランプ政権による75カ国からの入国者に対するビザ発給禁止措置をめぐり、訴訟が提起された。これは、この政策を阻止するための最初の本格的な取り組みだ。

・トランプ大統領は、グラミー賞の司会者であるコメディアンのトレバー・ノア氏を、大統領とエプスタイン氏を結びつけるようなジョークを理由に提訴すると警告した。
・ケンドリック・ラマーとバッド・バニーがグラミー賞の最優秀賞を獲得した。

2026年2月3日 火曜日
節分の朝。AM7:13  晴れ、摂氏2度。晩には豆まきをします。