世界の動き 2024年2月21日 水曜日

今日の言葉:
「ごまめの歯ぎしり」
 盛山文相の不信任決議案の否決、政治倫理審査会への自民党の姿勢を見て、野党は激しく批判しているが、まさに「ごまめの歯ぎしり」と言える。
 (「ごまめ」は「片口鰯」の稚魚を干したもので、ごく小さい魚が憤怒で歯ぎしりをするように)実力のない者・とるに足りない者が、いくら批判をしたところで何も変わるものではないということのたとえだ。
 自民党の支持率は25%ぐらいまで下がったが、投票率50%の選挙であれば、まだ十分勝利できる水準ともいえる。逆風だ逆風だと自民党の指導者は言うが、緊張感は無い。
 裏金に課税して早く幕引きして、選挙では裏金造りをした議員には決して投票させない戦略に野党は転換すべきではないだろうか。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.アヴディウカの陥落後、ウクライナ兵士が行方不明
【記事要旨】
 ウクライナ東部の都市アヴディウカからの混乱した撤退中に、数百人のウクライナ軍がロシアに捕らえられたか、行方不明になった可能性がある。 この敗戦は、すでに低下しつつあるウクライナの士気に打撃を与える可能性がある。
 ロシアによるこの小さな都市の占領は、ウクライナにとって象徴的な敗北とみなされtているが、米国は、重大な戦略的後退ではないと述べていた。
 数百人の兵士が捕らえられれば状況は変わるかもしれない。 退却の状況を知る2人の兵士は、850人から1,000人の兵士が捕らえられたか行方不明になっていると推定しており、西側当局者らはこの範囲が正確であるようだと述べた。 ソーシャルメディアに投稿された未確認の動画には、ロシア軍が市内およびその周辺でウクライナ軍を処刑する様子も映されていた。
 ウクライナはすでにより多くの兵力を必要としており、経験豊富な戦闘員を失うわけにはいかない。 同国はさらに50万人を動員したいと考えているが、この取り組みはすでに政治的抵抗に遭っており、議会で停滞している。 数百人の兵士の拘束は徴兵活動を複雑にする可能性があり、軍当局は行方不明兵士の数と重要性の両方を軽視しようとしている。
 分析:一部のウクライナ兵士と西側当局者は、撤退は計画性がなく、開始が遅すぎたと述べた。 これらの失敗が兵士の行方不明の直接の原因だった、と彼らは言う。
【コメント】
 「最後の一兵まで戦う」のはより多くの犠牲を招き、士気の低下にもつながるという教訓だろうか。
 ウクライナには何とか頑張ってもらいたいという希望とアンビバレントな現実がある。

2.ジュリアン・アサンジの最後の訴え?
【記事要旨】
 ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジは、米国の引き渡し命令と闘い、5年近く英国の刑務所に収監されている。 昨日始まり、今日も続く予定のロンドンでの公聴会が、同氏が英国に滞在する最後のチャンスになるかもしれない。
 アサンジ氏の妻、ステラ・アサンジ氏は、刑務所内で彼の健康状態が悪化したと述べ、弁護士らは米国でスパイ罪に問われ、懲役175年の刑に相当する可能性があると述べている。 米国の弁護士らは、同氏が懲役4年から6年を言い渡される可能性が高いと述べた。
 背景: この容疑は、2010年にウィキリークスが陸軍情報分析官チェルシー・マニングによって漏洩された文書を公開したことに遡る。その文書には、隠された外交取引が暴露され、イラクとアフガニスタンでの戦争における民間人の死亡に関する暴露も含まれていた。
【コメント】
 全く忘れていた名前だ。2010年夏から秋にかけて、ウィキリークスは欧米の主要メディアとともに大量の米当局の機密情報を暴露し、世界中をあっと言わせた。アフガニスタン戦争関連(約7万7000件)、イラク戦争関連(約40万件)、外交公電(約25万件)を合わせると、巨大な容量となる一連のリークは「メガリーク」という新たな言葉を生んだ。
 時代の寵児だったが、やり過ぎたということだろうか。政府に正面から反逆すると生き残れないという教訓か。

3.米国が停戦協定の草案を作成
【記事要旨】
 米国が国連安全保障理事会での拒否権を行使して、イスラエル・ハマス戦争の即時停戦を求める決議案を無効にするのは3度目だ。 アルジェリアはこの決議案を提出しており、外交官や国連当局者らは、ガザが必要な援助を得るためには停戦が必要だと述べている。
 一転して、米国は代替決議案を起草したが、まだ交渉の初期段階にある。 「できるだけ早く」戦闘を一時停止し、人質を解放することを求めている。 また、現状ではイスラエル軍はガザ南部のラファで攻撃を行ってはならないとも述べている。
 理由:米国は、停戦決議は、人質解放の取り決めを仲介する交渉努力を危うくすると述べたが、交渉は行き詰まっている。
その他の動き:
 国連が略奪を理由に北部への食糧配達を停止したため、イスラエルはガザ市での避難を命じた。
 ウィリアム王子は、慎重とはいえ異例の公式声明で、ガザでの戦闘を「できるだけ早く」終結するよう求めた。
 南アフリカは、パレスチナ人に対するイスラエルの政策は「より極端な形態のアパルトヘイト」であると述べた。
【コメント】
 停戦cease-fireと一時停止temporally holt in fightingの違いが未だに理解できない。早く戦闘を止めろ!

その他の記事:
・韓国での医師の職場離脱
 Hundreds of doctors in South Korea walked off the job to protest a government plan to admit more students to medical school.
・バイデンの選挙資金集めは順調
 President Biden raised $42 million for his re-election campaign in January, a bright spot as his polling numbers remain stubbornly low.
・ロシアの亡命パイロットの死亡
 A Russian pilot who defected to Ukraine and handed over his military helicopter is believed to have died in Spain.
 ロイターの記事を以下に引用します。
『[モスクワ 20日 ロイター] – ロシアのナルイシキン対外情報局長官は20日、ウクライナに亡命した元ロシア軍パイロットがスペインで死亡しているのが見つかった事件について、道徳的な価値観を失った結果との認識を示した。
 スペインの国営通信社EFEは、南部アリカンテ近郊のビジャホヨサで13日に射殺されて発見された遺体がマキシム・クズミノフ氏のものであると報じた。同氏は昨年8月にロシアの軍用ヘリコプター「ミル8」を操縦してウクライナに逃亡した。
 ロシアの国営タス通信によると、ナルイシキン氏はこの事件に関する質問に対し「この裏切り者の犯罪者は、汚れた恐ろしい犯罪を計画した瞬間に道徳的な死体となった」と述べた。
 EFEによると、クズミノフ氏はウクライナのパスポートを所持、偽名でスペインで生活していた。』

2024年2月21日 水曜日

世界の動き 2024年2月20日 火曜日

今日の言葉
「トランプの黄金のスニーカー」
ドナルド・トランプは、399ドルの金色のハイトップスニーカー「Never Surrender」の販売を始めた。トランプはこの靴を使い、直面している刑事告訴を嘲笑する意図のようだ。
珍しさからすれば価格は高くないと思われる。好調な売り上げを予想する。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ナワリヌイ氏の未亡人は仕事を続けると誓った
【記事要旨】
昨日公開されたビデオの中で、ユリア・ナワルナヤさんは、プーチン大統領の独裁的支配に対抗する夫の仕事を引き継ぐと述べ、支持者たちに彼女と一緒に結集するよう呼び掛けた。
ナワリヌイ氏のユーチューブに投稿された動画の中で、ナワリヌイ氏のフォロワーらに対し、「私たちの未来をあえて殺そうとした人々に対する私の怒り、憎しみを分かち合ってほしい」と訴えた。
彼女は夫の死はプーチン大統領のせいだとし、金曜日にロシア当局が発表した獄中死の状況をナワリヌイ氏のチームが調査していることを示唆した。
分析:47歳のナワルナヤ氏は長らくスポットライトを避けてきた。 しかし今、彼女は分裂した民主化運動の指導者として浮上しようとしている。 ロシア国外からの反対派を団結させようとする際に彼女が直面する危険とハードルは巨大だ。
弾圧:人権団体によると、ナワリヌイ氏の死亡が確認されて以来、ロシア全土の39都市で少なくとも366人が拘束された。 Timesのモスクワ支局長は、人権団体は拘束者の多くはただ献花をしているだけだと主張していると語った。
「そんなことをするだけでも、今日のロシアでは非常に危険だ。同時に、今日のロシアの主要ニュース媒体である国営テレビでは、何が起こったのかほとんど報道していない。」と彼は言う。
さらに詳しく:Timesは、ナワリヌイ氏が最期の数カ月間に書いた手紙の一部を入手したが、そこには彼の絶え間なく活発な精神、決意の深さ、そして彼の特徴である感情を表さない機知が示されている。
【コメント】
未亡人の身を案ずる。プーチンはスターリン型の専制を行っているが、その死を待たなければ専制は終わらないのであろうと思わざるを得ない。彼が生存する限り「邪魔者は消せ」と言う事態が続く。

2.イスラエル、アクサ・モスクへの立ち入りを制限する可能性がある
【記事要旨】
イスラエル政府は、来月から始まるラマダン期間中、イスラエルのアラブ系少数民族の一部がアクサ・モスクでの礼拝に参加することを禁止するかどうかを議論している。
ネタニヤフ首相の事務所は声明で、この問題についてはすでに決定が下されたと述べたが、内容については明らかにしなかった。 しかし当局者2人は、政府が数日中に治安当局から勧告を受けた後に最終決定が下されると述べた。
立ち入りをさらに制限する動きは、長年にわたりこの場所に対するユダヤ人の管理強化を主張してきた極右国家安全保障大臣イタマール・ベン・グヴィルによってイスラエル内閣内で推進された。 同氏はここ数日、イスラム教徒の礼拝者がハマスへの支持を示すためにモスクへのアクセスを利用する可能性があると警告していた。
背景: このモスク複合施設はイスラム教徒とユダヤ教徒の両方にとって神聖な場所であり、彼らはそれを神殿の丘と呼び、慢性的な火種となっている。
これとは別に、国際司法裁判所はイスラエルによるパレスチナ領土占領の合法性を巡る6日間の審理を開始した。 数週間以内に勧告的意見を発表する予定だ。
【コメント】
アル=アクサー・モスク (アラビア語: المسجد الأقصى‎ al-Masjid al-Aqṣā) は、エルサレム旧市街の「神殿の丘」あるいは「ハラム・シャリーフ」(al-Ḥaram al-Sharīf/al-Ḥaram al-Qudsī al-Sharīf)と呼ばれる聖域の南に、ウマイヤ朝時代に創建されたモスクである。銀のドームとも呼ばれる。「アル=マスジド・アル=アクサー」とは「遠隔のモスク」の意味で、クルアーン17章1節の預言者ムハンマドがミウラージュの奇跡(アラビア語版、英語版)において天馬ブラーク(アラビア語版、英語版)に跨がり昇天したのを記念するためにつくられた。705年から709年にかけてウマイヤ朝のワリード1世によって建設された。(Wikipediaより)
なるほど、ムスリムにとってとても重要な聖地だ。

3.パプアニューギニアでの銃撃戦で数十人が死亡
【記事要旨】
パプアニューギニアの人里離れた高地で日曜日に部族間で銃撃戦が発生し、死者数は26人となった。 限られた水やその他の資源、そして私有地をめぐる意見の相違が長い間緊張を引き起こしてきました。 部族民が伝統的な武器の使用から、多くの場合海外から持ち込まれる強力な銃器に移行しているため、最近死者数が増加している。
【コメント】
部族間の争いが流血につながっているようだ。この辺りのニュースは殆どない。

その他の記事より
・フーシ派の攻撃で船を放棄
The Houthi militia in Yemen seems to have carried out one of its most successful attack in months, hitting a cargo ship in the Red Sea whose crew was forced to abandon ship.
・タリバンは人権会議を拒否
Taliban officials boycotted a conference the U.N. had organized in Qatar this week to discuss the humanitarian crises facing Afghanistan and human rights issues.
・EU大統領は続投を望む
Ursula von der Leyen, the president of the European Commission, said yesterday she would run for a second term.

2024年2月20日 火曜日

世界の動き 2024年2月19日 月曜日

今日の言葉
「アップルが苦境か」
 二つのネガティブな情報が出てきている。
 アップルの複合現実(MR)対応ゴーグル型端末「Vision Pro(ビジョン・プロ)」が米国で発売されて約2週間がたつが、3500ドル(約52万5000円)で購入した消費者の間で返品の動きが広がっているという。重さや装着時の不快感、インターフェース上の不具合など理由は複数あるようだ。
 欧州連合(EU)は米アップルに5億ユーロ(約800億円)近い制裁金を科す見通しだ。EUの監督当局は、スウェーデンのスポティファイなど競合する音楽配信サービスがユーザーに対し、「アップストア」外により安価な配信サービスがあると知らせるのをアップルが妨害し、EU競争法(独占禁止法)に違反したと判断した。
 アップルは市場の支配者になるや他社を叩く独占者の地位を利用としているようだ。挑戦者としてのアップルのイメージが今や剥落しつつある。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.アヴディウカはロシアに陥落
【記事要旨】
 ウクライナ軍は10年以上ドネツク地域の拠点であったアヴディイウカから撤退し、ロシアはほぼ1年ぶりに重要な勝利を収めた。 現在、ウクライナ軍は、ほぼ2年前の戦争の最初の数ヶ月以来、最も不安定な立場にある。
 昨年5月にバフムートを占領して以来、ロシア最大の領土進出となったアヴディイウカ陥落は、ウクライナの夏の反撃が目標のほとんどを果たせなかった後、ロシアが確実に優位に立っていることを示す最新の兆候である。 これにより、ロシアはドネツク地域全体を制圧するという目標に近づき、3月に5期目の選挙を目指すウラジーミル・プーチン大統領を後押しする可能性がある。
 この都市では戦争の中でも最も悲惨な戦闘が行なわれた。 兵士たちはほぼ絶え間ない砲撃の中で生き延びた。 約900人の民間人も同様で、その多くは地下に住み、援助活動家が持ち込んだ食料や物資で生き延びていた。 そのうち何人が外に出たかは明らかではない。
 地理的課題: ウクライナの情勢は、都市郊外の平坦な地形によってさらに悪化している。 支配的な丘、大きな川、あるいは10年の大部分をかけてアヴディウカ周辺に築いたような防御網がなければ、ウクライナはおそらくさらに多くの土地を失うことになる。
 欧州では特に米国が援助に迷っている中、指導者らはロシアに対する防御を強化する必要があることを認識しつつある。
【コメント】
 ウクライナへの戦後復興会議に日本も参加しているようだが、いま必要な資金援助はどうしているのだろうか。ウクライナを支援することは、極東へのロシアの圧力を弱め、日本の防衛にも役立つことになる。軍備の支援が出来ないとしても資金面や難民の受け入れに支援できることがいろいろあると思われるのだが。

2.ロシア人はアレクセイ・ナワリヌイ氏を悼む
【記事要旨】
 ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が金曜日、流刑地で死亡した。 彼は47歳だった。
 彼の死亡を確認した家族は、彼の遺体を受け取っていない。 ロシア当局は、同氏が突然の心停止を示す「突然死症候群」を患っていたと発表した。 バイデン大統領はウラジーミル・プーチン大統領を非難した。
 ナワリヌイ氏がなぜ毒殺未遂後にロシアに戻ることを選んだのか疑問に思う人は多い。 この決断は彼に国際的な尊敬を勝ち取り、多くの人が彼を英雄とみなすようになった。 それはプーチン大統領にとっても深刻な問題を引き起こした。 ナワリヌイ氏は遠隔地の刑務所からでも指導者だった。
 背景: ナワリヌイ氏の健康状態は何年も悪化していた。 彼は北極圏にある刑務所に拘留されており、そこで寒さにさらされ、謎の注射を打たれていた。
 次に何が起こるか:ナワリヌイ氏の同盟者たちは再結集を試みている。 一部の人は、彼の死がプーチン大統領への反対運動を活性化させるのではないかと期待しており、夫の死の知らせを受けて西側諸国の指導者たちに力強い演説を行った彼の妻に注目している。
 抗議:ナワリヌイ氏の死後、ロシア全土で少なくとも400人が拘束されたと人権団体が報告した。
【コメント】
 死因は不明であり、遺体の引き渡しが無ければ詳細が明らかになることは無いだろう。死を賭して抗議活動を行ったナワリヌイ氏の死を悼みたい。

3.ガザの主要病院が行き詰まる
【記事要旨】
 WHOは、ガザ地区で最後に機能していた病院の一つであるナセル医療複合施設は、イスラエルの包囲が続く中、数十人の残っている患者にサービスを提供できなくなったと述べた。
 ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルは140万人のパレスチナ人が避難しているガザ南部の都市ラファへの地上侵攻計画を進めると述べた。 また、停戦交渉は行き詰まっているとも述べた。
【コメント】
 As I told you!と叫びたい。

その他記事より:
・トランプへの判決
 A judge ordered Donald Trump to pay around $450 million in penalties and interest for deceiving lenders. It’s a blow to his finances, his business and his identity.
・タクシン元首相に恩赦
 Thaksin Shinawatra, Thailand’s ousted former prime minister, was released on parole after serving just a fraction of his eight-year sentence in a hospital.
・イスラエル国民の戦争への抗議と支持
 Thousands of protesters gathered in Tel Aviv, in the largest display of anger toward Prime Minister Benjamin Netanyahu in months.
 Israeli Jews overwhelmingly support the war and feel more precarious since the Oct. 7 attacks.

2024年2月19日 月曜日

ナワリヌイ氏の死去

 ロシア北極圏の刑務所で死亡した反政府活動家ナワリヌイ氏の陣営幹部ジダーノフ氏は17日、刑務所を同日訪れた母親と弁護士が、当局から死因について「突然死症候群」だと知らされたとXで明らかにした。ナワリヌイ氏の広報担当者ヤルミシュ氏はXで、事件性がないとする当局に対し「彼らはいつもうそをつき、痕跡を消す」と猛反発した。
 ヤルミシュ氏は、当局が弁護士に対し、遺体の検査が終わって事件性は認められなかったと通知したことを明らかにした。陣営は家族への遺体引き渡しを求めているが、当局は応じていない。
(以上、時事通信より)

 突然死症候群とは、何らかの理由で突然死したということで、死因を特定していない。ロシア当局にとって都合の良い死因の説明だ。この言葉をgoogleで調べようとすると乳幼児突然死のことが延々と出てくるが成人の突然死の説明は殆どない。

 英語でSudden Death Syndromeと入れると詳しい説明が出てくる。その多くは心臓疾患によるものということで、米国では年間15-45万人の成人突然死で亡くなる人がいるそうだ。

 いずれにしてもナワリヌイ氏の遺体が引き渡されなければ正確な死因は不明だが、ロシア当局は決して返還しないだろう。

 プーチンは邪魔者を容赦なく殺害してきた。最近ではブリゴジン氏の乗った飛行機の墜落の記憶が生々しい。部下に殺させるだけでなく、KGBの諜報員だったプーチンは、世界の指導者の中で唯一自分で人を殺したことのある経験を有する人だろう。

 彼の氷のような笑顔と、決して笑わない目元を見ると、恐ろしい指導者だと思う。こういう人を相手にするのは大変だ。安倍元首相などを相手にするのは、プーチンにとっては赤子の手を捻るに等しい行為だったに違いない。

2024年2月18日 日曜日

quid pro quo

クイド・プロ・クオ。 ラテン語で「交換条件」「対価」を意味する。
トランプのNATOへのアプローチが動揺を呼んでいる。彼の考えの基本は何事も「取引」トランザクションによるものであり、国家間の安全保障条約も、信義よりも取引を基本とするということだ。
取引として考えるのは、それほど悪くないように聞こえるかもしれない。彼ら(敵)は何かを得る、私たち(味方)も何かを得る、そして誰もが得をするのだとトランプは考える。しかし、軍事同盟や抑止力はそうは機能しない。

NATOが、信頼や共通の利益によってではなく、見返りによって各国が縛られていることが明らかになった瞬間、こうした安全保障は敵の目からは軽んじるに足るものになるので、同盟国にとっての価値は低くなる。

安全保障は「信義」by trustに基礎を置くべきであり、決して「対価」by quid pro quoによるべきものではない。

商売人としてのトランプは不動産取引で生き抜いてきたが、米国の政治指導者としてはふさわしくないのは明らかだ。

2024年2月17日 土曜日