大の里優勝

 3月場所の千秋楽の日も相撲のことを書いた記憶がある。その時は新入幕の「尊富士」が優勝した。110年振りの新入幕優勝として大きな騒ぎになった。

 今場所は、「大の里」が優勝した。初土俵から7場所目での優勝は史上初だそうだ。大学1年で学生横綱。3年4年では全日本優勝。という輝かしい実績で幕下付け出しという地位で相撲にデビューし、それからたった7場所目で幕内優勝を飾ったという凄さだ。人気大関の「琴桜」には圧勝し、今日の関脇「阿炎」戦も危なげなかった。「豊昇龍」には投げ飛ばされたが、実力はもう大関だ。

 先場所優勝した「尊富士」は、大学では「大の里」の一年上だ。「大の里」は日体大。「尊富士」は日大だ。「尊富士」は、大学時代の成績が大したことが無かったので、序の口から始めた苦労人だ。(「大の里」の幕下は、序の口、序二段、三段目を経てやっとたどり着く地位だ。) 今場所でも「尊富士」は活躍を期待されていたが、先場所痛めた足首が直らず全休した。来場所は十両に陥落するようだが、活躍を期待したい。

 横綱「照ノ富士」は満身創痍。大関「貴景勝」に元気は無く、「霧島」は陥落が決定した。世代交代の時期だ。

 ほぼ同学年だが、違った経歴をもつ「大の里」と「尊富士」。先場所は「尊富士」がリードしたように見えたが、今場所で「大の里」が一気に引き離した印象だ。「琴の若」から「琴桜」に四股名を替えた角界のプリンス「琴桜」と併せて、次代の大相撲を支える若手として大いに活躍を期待したい。

2024年5月26日 日曜日