『孫子』は紀元前500年頃(春秋戦国の時代)の軍事思想家孫権が著したと言われる兵法書で、現在でも世界各国で広く読まれている。岩波文庫のKindleなら無料で読める。
【孫子の戦争観】
「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の地なり。察せざるべからず」(戦争は国家の大事であって、国民の生死、国家の存亡がかかっている。よく考えねばならない)
戦争は、戦争という一事象のみから考察するのではなく、国家の運営と戦争との関係を俯瞰する政略から導き出されたものである。
「国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ」
「百戦百勝は善の善なるものに非ず」むしろ戦わずして敵を屈服させる方が優れている。
偉大な戦略家は最も効果的なところで力を使う策略の名手でなければならない。「敵の兵力の優秀なところは避け、敵の備えが手薄なところを攻撃する」
「上兵(最上の戦い方)」とは、敵の戦略を打ち破る、あるいは「謀を討つ(敵の計略を未然に防ぐ)」ことだ。さらに「交(敵と連合国の外交関係)」を絶つこと。さらにその次が「兵(敵の軍)」を攻撃することだ。稚拙なのは敵の城を包囲することだ。
戦争長期化によって国家に与える経済的負担を憂慮する。と述べている。
【感想】
紀元前500年頃にこのような国家戦略を述べた書物が著されたとは驚きだ。
孫子の考えが、現在のウクライナ情勢に完全に当てはまるのがよくわかる。プーチンもバイデンも、もう一度、頭を冷やして戦いを避ける工夫をしてほしいものだ。
(2022.2.17 Thursday)