N.Y. Times 電子版より
1.西側はロシアの撤退を確認せず
【記事要旨】
米とNATOは、プーチン大統領の、外交努力の継続と一部兵力の撤退、との表明の実行を見ているが、いまだ兵力の撤収は確認されていない。
ブリンケン国務長官は、Unfortunately there’s a difference between what Russia says and what it does. And what we’re seeing is no meaningful pullback. On the contrary, we continue to see forces. と語っている。NATOも同様の見解で中欧での大規模戦闘に備えている。
ロシア国防省は一部撤兵のビデオを発表した。
プーチンが海外首脳との会談に使った巨大な白いテーブルが話題に。二つのメーカーがわが社製だと発表。
【感想】
お互いにどこまで相手の状況を把握しているかは情報戦の一種で双方の発表をどこまで信用できるか注意が必要。
言行不一致は国際政治ではよくある話だが、外交的解決に一歩進んでいるのは確実とみる。
2.香港でコロナ感染が拡大
【記事要旨】
香港での急拡大を受け、習主席はあらゆる手段を講じるように指示。
過去2年、香港はコロナを上手くコントロールしてきたがオミクロン株の拡大でコントロール不能になってきたと香港長官は語った。
中国本土のゼロコロナ政策で、香港ではコロナとの共存政策は取れない。
夏までに1000人以上の死者が出る恐れがありこれは過去二年の死者総数の4倍との予想が出ている。
【感想】
「一国一制度」下の香港は、中国本土での感染拡大の糸口になりかねないと思われる。香港と接する、深圳や珠海での感染に注目したい。
3.日本の組合の変化を起こす女性
【記事要旨】
性差別、賃金差別、セクハラが無視されてきた日本の労働組合では、多くの女性が組合活動を断念してきた。日本最大の労働組合組織である連合の会長に芳野友子が就任し、それらを変えようとしている。最初の課題は賃金の上昇を目指す春闘だ。
男女間の平等を目指す方針は大きな支持を集めており、傘下の組合に結果を出すように圧力をかけていると芳野は語っている。
ワールドエコノミックフォーラムによれば日本の男女平等は世界の156か国中120位で、先は長い。
【感想】
N.Y. Timesに大きく取り上げられたのはGood!
私がカナダの銀行でCOOをしていたころJob Equityに取り組んだことがある。1995年頃の昔の話だ。全ポジションに点数をつけて、同じ点数の人は同じ給料にするという大掛かりな作業だった。男女間の差別は当然許されなかった。
日本は随分遅れている。政府のせいもあるが労働組合の怠慢も大きいと思う。そうした怠慢と、大企業労働者・官庁労働者としての特権維持活動が、結果的に20%を下回る組合の組織率につながっている。
芳野氏指導下の連合の政府協調路線がどう実を結ぶか見守りたい。労働者が割を食わないように頑張ってもらいものだ。
その他:
トップもワークライフバランス?ボーナスもらって辞める言い訳でしょ。
The Great Resignation has reached the executive level, with leaders of companies quitting over burnout and work-life balance issues.
アジア系の俳優の悲哀。老兵は皆同じですな。
Older Asian American actors have often been limited to playing frail grandparents. “Older people in the theater exist. We’re here, we’re underused and we have experience.”
(2022.2.17 Thursday)