コロナと酷暑と

TVを見るとコロナと酷暑の報道の繰り返しだ。
これほど時間をかけて各県で何人陽性者が出た何人入院患者が増えたと報道する意味があるのだろうか。
もっとわからないのは、今日の暑さのランキングを延々と報道し、外に出るな、部屋でも冷房をかけろ、水分をとれと幼稚園児にするような説明を繰り返している。

それら以外は、どのチャンネルもお笑い芸人が沢山登場し、食べ物の話か、娯楽の話をしている。
あほらしいかぎりだ。

今日、安倍総理が辞任の意向を記者会見で表明したので、明日から毎日、安倍首相のこと、総裁の選出のことでTVのニュースは持ちきりになるだろう。

日本の周りを見れば、中国は尖閣列島周辺の日本の領海への侵入を繰り返している。韓国との間では言わゆる徴用工や従軍慰安婦の問題への解決の糸口が見つからないし、竹島は実効支配され続けている。
中国も韓国も、「執拗に」自分たちの主張を繰り返し続けている。「嘘も100回付けば事実になる」のが怖い。我が国の「それは嘘だ」という反論も弱い。
日本のメディアはもう少し日本をとりまく環境について歴史問題も含めて報道する姿勢が必要だ。

日本のTV報道で取り上げられる海外のニュースはせいぜい米国の大統領選挙の動向だ。トランプやバイデンの動きを表面的に追ったものが多く米国の本質に迫る報道は乏しい。
・Qアノンの動向
・BLM運動とスポーツ界の動き
・暴動に対する「法と支配」の考えの根源
とかもう少し深堀した報道を期待したいのだ。

アメリカ以外のニュースはほぼ皆無で
・反プーチン運動の代表が毒を盛られたことへのドイツの対応
・トランプのくせ玉:イスラエルとUAE和平の意味
・中国にロックダウンされている新疆ウイグル自治区の状況
とか、日本のTVを見ていても殆ど知ることが出来ない。

8年間続いた安倍政権の大きな成果は、政権が続いたそのことだ。G7でも一応日本の首相の名前が憶えられるようになった。
次の首相がだれになるかわからないが、我々国民としては世界的な視野の中でどのような国政のかじ取りをしてくれるか期待して見守りたい。

パンとサーカス(食べ物番組とお笑い芸人が沢山出てくるバラエティー番組)のみを国民が求めたときにローマ帝国は滅亡した。

この国の未来にはあまり期待してはいないが、衰退を少しでも食い止めるためには、もうすこし国際的な観点をもつTV報道が必要だと痛感するのだ。

(2020.8.28)