米国の銀行は原則株式投資をしない。子会社で投信会社を持つことはあるが個別会社に投資する入れ物を持つ事例はない。投信会社の経営者は銀行とは全く関係のないプロが就任する。
日本の銀行は貸出を本業としながら、株式会社の株式の5%までは保有可能だ。傘下に投資会社を持つケースも多い。投資会社の役員は殆どすべてが銀行からの派遣社員で占められることが多い。
こうした状況は、日本では問題視されることが少ないが、非常に大きな利益相反の問題があることを理解すべきだ。投資先企業の利益を投資会社による投資と銀行による貸出で分け合うことになるからだ。銀行が、貸出からの収益を上げようとすると投資からの収益は少なくなる。投資収益を引き上げれば貸出からの収益は少なくなる。絵に描いたような利益相反だ。どうすればよいのだろうか。
開示と透明性:
まず第一に、関係するすべての当事者、つまり取締役会、株主、規制当局に対して、潜在的な利益相反をオープンに開示することが必要だ。透明性は信頼を築き、偏見や不公平な利益を避けるための重要な手段だ。
意思決定への不参加:
個人的な利益が会社や株主の利益と衝突する場合は、関連する意思決定プロセスに参加しないことが重要だ。これにより、意思決定が公平であり、個人や企業の利益ではなく会社の最善の利益に基づいて行われることが保証される
独立したアドバイスを求める:
独立した法律顧問や財務アドバイザーからの指導を受ける。客観的な見解を得て複雑な利益相反に関連する問題を解決するのに役立つ。
倫理的な意思決定:
常に倫理的な考慮事項を優先し、会社や株主に対する信託義務に従って行動する。自己取引や銀行への好意的な対応として捉えられるような活動は避ける。
利益相反ポリシーの確立:
取締役会や関係者と協力して、会社のための強力な利益相反ポリシーと手順を確立する。これらのポリシーは、利益相反がどのように特定され、開示され、対処されるかを概説し、意思決定プロセスにおいて公正さと誠実さを確保する。
定期的なレビューと監視:
会社との関与を継続的に監視し、状況が変わるにつれて潜在的な利益相反を再評価する。定期的なレビューは透明性を維持し、利益相反が発生した場合に適切な対策を講じることを保証する。
必要に応じた辞任:
利益相反を適切に管理または緩和できない極端な場合には、会社や関係者に不正行為の感を与えることなく、取締役会からの辞任を検討する。
実は上記はChatGPTの回答だ。
普段は一瞬で回答を導き出すのだが、今回の質問には2分ほどかかった。難しい質問だったということだろうか。回答は投資会社の役員に銀行から指名されている人間への注意事項が中心になっている。投資を受けている会社で、状況を適切にレビューすることが肝要だ。
2024年3月30日 土曜日