「負けてたまるか日本人!」という本を読んだ。丹羽宇一郎氏と保坂正康氏の対談本である。
丹羽氏のコメントはいつもの通りで、以前「権腐10年」と言っていたのがこの本では6年に短縮されているような。
「権腐6年」というのはどんな権力も6年続くと腐るという意味で丹羽氏の体験に根差した言葉だ。
伊藤忠のような大企業のサラリーマンの成り上がり社長でも権力の座に6年着くと誰も反対する者はいなくなる。イエスマンばかりを徴用する人事に陥り独善になりがちだとの自戒の言葉だ。
以前丹羽さんの「私の履歴書」を読んで驚いたのは、丹羽さんの娘さんお結婚について社内の誰も知らなかったということだ。私事だから社内に知らせる必要はないという信念だ。
私が昔勤めていた会社では、そのような事案には部下がお祝いを贈るしきたりがあり、数百万のお祝いが集まった。何たる公私混同であろうか。
さて、サラリーマン社長はローテーション人事で10年もすれば替わる。嫌な上司と巡り会っても、2年も我慢すれば上司か自分が転勤するのが大企業の良いところだ。
権腐6年。
この言葉を自戒の言葉とすべきは創業経営者であろう。
私も創業経営者の端くれなので気をつけたいと思う。権力無いので心配ないが。
(2020.6.23)