ヒューマンエラーによる忌まわしい事故

 今日TVのニュースを見て驚いたのだが、2つの大きな事故が重なった日だったのだ。

 一つは池袋の高齢の運転者が暴走し自転車の母子を死亡させた事件。事件からすでに4年経ったそうだ。
 もう一つは知床の観光船の沈没。1年経ったが、26人の犠牲者のうちまだ行方不明の方が6名いらっしゃるそうだ。

 いずれも事故も、起こした人間がもたらしたヒューマンエラー事案と言える。ヒューマンエラーとは、人間が原因となって起こる失敗や過誤のことで、「人為的ミス」と言い換えることもできる。「すべきことをしなかった、またはすべきでないことをしたなどの人間の行為によって、意図しない結果が起こること」といえる。

 ヒューマンエラーの原因としては、認知ミス・不注意・意識の低下・知識や経験不足、慣れによる手抜き・集団欠陥・連絡不足、パニック・心身の機能低下など、さまざまな要因があげられる。

 日常生活や通常の仕事では、あらゆる局面で人間が関与するためヒューマンエラーが必ず発生するし、それを根絶することは出来ない。なるべく減らすためには、エラーの発生した要因を分析し、再発を防ぐ工夫するしか手はない。

 池袋事件のような事案は、AIによる自動運転の普及が事故発生を抑制するだろう。事故後増えた高齢者の免許返納は、事件を起こす母数を減らすのに有効だ。知床の事件では、事件直前に行われた国交省の関連組織による定期点検が書類や目視によるものだけでなく修理部分の確認が行われていたら沈没が防げたかもしれない。

 リスク要因を確認し、事件発生の芽を摘む努力によりヒューンエラーの削減を地道に進めることが犠牲者へご冥福を祈ることになるのだろう。

2023年4月23日 日曜日