世界の動き 2022年6月1日 水曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「信頼できなければ任せられない」
 泊原発で運転差し止めの請求が認められた。驚いたのはこの裁判は10年に及ぶものだったという点。裁判所は北海道電力に必要な資料提出求めたが満足な説明がなされなかった由だ。一方原子力委員会に再稼働の申請を北海道電力はしていたがここでも説明が不十分で叱責されていたようだ。

 北海道電力は電力の安定供給義務をどう考えているのだろうか。安全な原発は早急に再稼働するのが経済的には正しいのだろうが、その前提は、ガバナンスのしっかりした企業が責任を持って運転してくれることだ。そこが揺らぐと何もできない。

1.EUはウクライナ支援策をまとめる
【記事要旨】
 EU首脳はロシア原油の禁輸、90憶ドルのウクライナへの支援、ウクライナに貯蔵された穀物の開放について合意。禁輸にはハンガリーは含まれなかった。22百万トンの穀物が輸出出来ないことによる食糧危機はすべてロシアの責任とEUは断言。ロシア外相は来週トルコと訪問し穀物放出を話す見込み。ルハンスク州でウクライナが確保している要衝Sievierodonetskへのロシアは攻勢を強める。
【コメント】
 EUは対立路線を明確にしている。ウクライナがEUに特例加盟するという話はどうなったのだろうか。

2.太平洋での影響力を競う
【記事要旨】
 第二次大戦中に米軍が作った飛行場や病院は南太平洋島嶼国で今も使われているが朽ちつつある。そこへ中国が影響力を増そうとしている。ソロモン諸島とは安全保障条約を締結し、治安維持に部隊を派遣し、中国の投資を守り、民間・軍事用の港の建設に道を開いた。フィジーやソロモン諸島では米国が巻き返そうとしているがとても遅れている。南太平洋島嶼国は巨大パワーのせめぎ合いに関わりたくないと考えているが今中国が提供している資金面・インフラ建設面での支援は必要としている。
【コメント】
 第二次大戦中のミッドウェイ海戦やソロモン諸島での戦闘を思い出せば、このエリアはアメリカと豪州を結ぶ要衝だとわかる。日本も外交でかなり力を入れてきたはずだが全く出てこないのはどうなっているのだろうか。

3.上海での制限は解除
【記事要旨】
 25百万人の都市では2か月間のロックダウンが、最近患者が発生した64万人が住む地域を除き、今日から解除される。公共交通機関や公共施設利用には72時間以内の検査結果の提示が必要とされる。月曜には中国全土で陽性者は97人で3月初めから初めて100人以下になった。
【コメント】
 全土で100人以下というのは驚きの数字。再度陽性者が増えたら共産党政権はどう対応するのだろうか。

その他:
カナダでは銃禁止
Canada is planning to ban handgun sales and buy back most assault weapons from civilians.
ゼロ二酸化炭素は
A report found that only Denmark and Britain were on track for net-zero emissions by 2050 and that 176 other nations were poised to fall short.
マリの内戦
Civilian deaths have spiked in Mali since Russian mercenaries of the Wagner Group began operating alongside its military. A Times investigation identified sites where people were killed and thrown into mass graves during a raid on a town in central Mali in late March. Mali has been fighting armed militants for decades, but the military junta asked the Wagner Group to move in after relations with France soured.
(注:ワグナーグループはロシアの民間軍事会社。各国の紛争に傭兵として介入している)

(2022年6月1日 水曜日)