お彼岸の中日に車で横須賀へ行った。ガソリンが半分になったので横須賀でスタンドを捜したがハイオクは1Lで200円近くだった。東京に戻って家の近くで178円だったので給油した。ガソリンの補助金が東京ではすぐに効くようだ。
(いま調べると、国際的なガソリン価格は1L当たり、米国が0.8ドル。日本は1.2ドル。ドイツ・フランスは2.1-2.3ドル。英国は1.8ドルで、日本はG7では米国に次いで安い。)
個人的にはガソリンが安いに越したことは無いが、補助金の給付やさらには消費減税といった政策は誤りだ。いま日本で起きているのは「需要過多」ではなく「供給制約+通貨安」だからだ。
デフレを脱し現在の日本はインフレ下にある。 インフレの主因は、エネルギー・食料・輸入品価格の上昇(供給ショック+円安)だが、 そこに、財政・金融の長期緩和が「クッション」ではなく、むしろインフレの下支えとして働いているという構図だ。
この局面で「総需要の振興策」(ガソリン補助・消費税減税・住宅ローン枠拡大)を積み上げるのは、価格上昇の痛みを一時的に和らげる一方でインフレ圧力と財政負担を将来に先送りする逆噴射政策だ。
「価格は現実を映す鏡」として受け入れ、価格の上昇は市場に任せ、総需要を抑制すべき時期だと思われる。 価格を抑え込む補助金は、エネルギー・食料の「希少化」という現実を見えにくくし、節約・代替・投資のインセンティブを弱める。価格を市場に任せ、所得で痛みを調整する施策は、「高くなったものは高いまま」と認めたうえで、誰がどれだけ負担するかを政策で決めるべきだ。
低所得層・子育て世帯・エネルギー多消費産業など、ショックに最も脆いところに絞って所得支援を実施し、それ以外は、価格シグナルを通じて行動変容(節約・代替・投資)を促すことが必要だ。
最大の課題が、 円安対策としての金利上昇と「国債費」の問題だ。金利が高くなれば国債費で財政が圧迫され、結局、構造改革や社会保障、エネルギー転換に回す余地がなくなる。ここが一番「触れたくない現実」になってくる。
いまのように、インフレが上がっても金利を抑え込むと円安が進み、輸入インフレが続く。家計の実質所得が削られ、政治的には「補助金・減税」で埋めようとする。一方で、金利を正常化しようとすると 国債費が膨らみ、財政の裁量部分(教育・子育て・エネルギー転換・防衛など)が圧迫される。
つまり、「インフレを抑えるための金利正常化」と「国債費を抑えるための低金利維持」が、正面から衝突している。
ここで本来必要なのは、
– ① どの水準までの金利上昇なら、国債費を許容するのか(政治の意思)
– ② その金利水準を前提に、他の歳出・歳入をどう組み替えるのか(優先順位の明示)
であって、「とりあえず低金利+補助金でしのぐ」ではない。
中東のエネルギーへの過大な依存からの脱却の本命だったエネルギー転換の遅れは、まさに「この10年のツケ」だ。代替エネルギーへの転換のスピードが鈍く、エネルギーの構造改革は進んでいない。再エネ・省エネ・送電網・蓄電などへの投資を「平時」にやってこなかった結果が、「有事」(ホルムズ封鎖+円安+インフレ)で、高い化石燃料を買い続けるしかない。しかも、その高い価格を補助金で一部肩代わりしている。本来は「前向き投資」に使うべき財政余力を「ショックの穴埋め」に使わざるを得ないという最悪の支出構造になっている。
まとめ:
こうした現状認識に立てば、いま取るべき政策の組み合わせはかなりはっきりしてくる。
- 総需要:むしろ抑制方向
- 補助金・減税で需要を刺激するのではなく、広く薄い支援は絞る
- 分配:狭く深く
- 低所得層・子育て世帯・特定産業に絞った所得支援(現金・バウチャー)
- 価格:市場に任せる
- エネルギー・食料の価格は、基本的に現実を反映させる
- 金利:徐々に正常化
- 国債費の増加を前提に、それでも守るべき支出(教育・子育て・エネルギー転換など)を優先順位として明示
- エネルギー:危機を「転換の加速」に使う
- 再エネ・省エネ・送電網・蓄電への投資を、「景気対策」ではなく「安全保障・成長戦略」として前倒しする。
インフレ・円安・エネルギー・金利・国債費・構造改革が一枚のバランスシートでつながっている。金利が高くなれば国債費で財政が圧迫される。だからこそ、限られた財政余力は、
①本当に苦しい層の生活防衛と、
②将来のエネルギー・成長の土台づくりに、
優先的に振り向けるべきであり、需要刺激や価格抑制にばらまく余裕はない。
支持率の高い高市首相には、「積極財政」に依存せず、痛みを伴う改悪を回避せず、我が国を再成長の軌道に乗せてもらいたい。
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