今日の一言
「AIと雇用」
AIの企業での活用が進み先端的な企業で従業員の削減が進んでいる。AIで削減されるデスクワーカーの「現実的な見込み」は多くの研究・調査で20〜45%のホワイトカラー業務がAI代替可能とされるとされる。ただし「職が消える」のではなく「タスクが消える」ということで実際の削減はもう少し小幅になるかもしれない。
米国では企業収益が賃金に還元されにくい構造が強まっており、結果として、”人員削減”と“賃金停滞”が同時に起きるリスクが高い。これは日本の失われた30年と同じ構造だ。
ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.スペインの移民問題
【記事要旨】
多くの先進国では、労働力不足が深刻化する一方で、移民受け入れは有権者の反発を招きやすく、政治的に難しい課題になっている。
しかしスペインは、このジレンマを突破する独自の方法を打ち出した。
■ スペインの新方針
– 中道左派政権が数十万人規模の不法移民に合法化への道を開く政策を発表している。背景には、欧州最低水準の出生率と縮小する労働力人口がある。政府は「社会を維持し発展させるには移民が不可欠」と強調。
■ 政治的リスクと社会的支え
– 中道右派や極右政党は「公共サービスが圧迫される」「国のアイデンティティが脅かされる」と反対しているが、それでも政府は、ビジネス界やカトリック教会など幅広い支持を得て政策を推進している。
■ なぜスペインでは反発が比較的少ないのか
– スペインでは、不法移民の多くが観光ビザで合法的に入国し、その後滞在を延長する。国境が「制御不能」という印象を与えにくい。 政府は今回の合法化を「法の支配を強化し、税収を増やすための措置」と説明している。
– 世論調査では、
①移民がコントロールされていると感じること
②移民が経済に貢献していると信じられること
が受け入れの条件になると示されている。
■ 他国への示唆
– スペインには、言語や文化を共有するラテンアメリカからの移民という特有の強みがある。
– しかし、「国境管理の安心感」と「経済的必要性の明確化」という組み合わせは、他の先進国でも応用可能と専門家は指摘している。
– オーストラリアの例のように、国境管理が徹底されると移民への支持が高まるケースもある。
【コメント】
スペインの極右政党Voxの広報担当者は、この政策は「私たちのアイデンティティを攻撃する」と述べた。過去10年間でVoxの支持率がゼロから20%近くにまで上昇したスペインにおいて、政策変更は依然として賭けとなる可能性がある。
2.「外交官なき外交」
【記事要旨】
トランプ大統領は、伝統的な外交官ではなく、不動産業の友人スティーブ・ウィトコフや娘婿ジャレッド・クシュナーといった“信頼する側近”を主要な外交交渉の前面に立たせている。記者たちはこれを「外交官なき外交」と呼んでいる。
■ ジュネーブでの異例の交渉
– ウィトコフとクシュナーは、午前にイランとの核問題の間接協議、午後にロシア・ウクライナ双方との協議を同じ日にこなした。
– 彼らが出席しなかった翌日の協議は2時間で終了し、進展の乏しさが示唆された。
■ 別の舞台:ガザの非武装化計画
– トランプ政権の新組織「平和委員会(Board of Peace)」がワシントンで初会合を開催し、ガザの非武装化計画の最終化を目指す。
【コメント】
国務省の専門家が排除されると、情報の一貫性・交渉の継続性・リスク管理 に問題が生じやすい。 側近外交は「大統領の意向を直接反映できる」一方で、官僚組織との軋轢 を生むこともあると思われる。
3.空っぽなシリアのISIS収容施設
【記事要旨】
記者たちが今月、ISIS戦闘員を収容していたシャダディ刑務所とISIS戦闘員の家族(女性・子ども2万人以上)がいたアル・ホル難民キャンプを訪れたところ、どちらも大部分が無人化していることが分かった。
■ 何が起きたのか
先月、シリア政府軍がSDF(シリア民主軍)から北東部の支配地域を奪取。SDFは米国主導の有志連合と協力し、長年ISISの収容施設を管理してきたが、支配地域の急変で、収容体制が崩壊した。
■ その結果
混乱の中で、ISISが仲間の脱走を支援したと研究者が指摘。
一部の収容者は、シリア国内の別のキャンプへ移送された可能性もある。
【コメント】
ISISはかつてのような「領土支配国家(カリフ制国家)」はすでに失っているが、組織としては依然残っており、シリアとイラクで地下活動を続けている。つまり、“領土国家としてのISISは消滅したが、ISISという武装組織は生き残っている” という状態だ。脱走者が組織を再活性化することが懸念される。
その他の記事
・日本国債の取引は、日本の債務問題への懸念から利回りが急上昇する中、再び活発化している。
・サウジアラビアの国営AI企業Humainは、イーロン・マスク氏のxAIに30億ドルを投資したと発表した。
・火曜日以降行方不明になっていたスキーヤー9人のうち8人が、カリフォルニア州近代史における最悪の雪崩で死亡しているのが発見された。
・南スーダンは、長らく延期されていた選挙の準備のための委員会に、死者を任命した。
・ニューヨーク市初のイスラム教徒市長、ゾーラン・マムダニ氏は、市庁舎でラマダンという新たな伝統をスタートさせた。
【コメント:今年のラマダン(2026年)は、2月18日(水)に始まり、3月19日(木)に終了する見込みだ。】
2026年2月19日 木曜日 晴れ
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