世界の動き 2025年9月9日 火曜日

今日の一言
「今後の株式相場」
 石破首相の辞任発言で昨日の日経平均は625円上昇。高値警戒センチメントを吹き飛ばした形だ。今後、どうなるのだろうか。先行きの見方を整理したい。
• 暗い面
o 過大なバリュエーションの調整(下落)は避けられない
o 日米ともに中央銀行が政府の圧力に逆らう独自性を示せば、相場は支えを失う
• やや明るい面
o 米国で金利が急激に下がれば、再び株高を正当化できる可能性がある
o 過剰流動性による大量な資金は、流動性の高い株式市場に向かわざるを得ない。ロング・オンリーの機関投資家は、下げ局面でも株式市場から離脱することはできない。
o 長期的には、米国はイノベーション、日本は政治の安定や活発化する自社株買いが相場を一定程度支えるだろう。
 今の結論としては、「短期的には流動性で支えられるが、1年のスパンでは調整が避けられない」状況に変わりはない。持ち株の半分で利食いをし、債券や金ETF更に低位株・配当株など下落に強い銘柄に入れ替えることが重要かと思われる。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.混乱のフランス
【記事要旨】
 フランソワ・バイルー首相率いる政権は、わずか9ヶ月で昨日崩壊した。過去20ヶ月で4人の首相が交代したことで、政権の崩壊は、日常茶飯事となっている。
 バイルー首相は、膨れ上がる債務問題に対処するため議会で呼びかけた信任投票で敗北した。マリーヌ・ル・ペン率いる極右政党と、左派・極左政党連合は、過半数を占めており、福祉給付の凍結や2つの祝日の廃止など、バイルー首相の提案を拒否した。ル・ペン氏は、代わりに移民への支出削減を提案した。
 マクロン大統領は、バイルー首相の辞任を本日受理し、「数日中」に新首相を指名すると述べた。しかし、マクロン大統領自身の与党である中道派同盟から新首相を指名しても、同じように麻痺状態に陥らない理由はない。
 フランスは、穏健派左派と右派の交代という従来の構図が、極右勢力の台頭によって変わったため、ほぼ統治不能状態にある。イタリアやドイツのような連立政権構築の伝統はフランスにはない。
【コメント】
 バイルー首相と石破首相の任期はほぼ同じだった。首相が代わっても何も変わらないところもよく似ている。

2.抗議活動がネパールを席巻
【記事要旨】
 昨日、ネパールの首都カトマンズで、汚職とSNSの政府による禁止に抗議するデモが行われ、少なくとも19人が死亡した。抗議活動は治安部隊の暴力的な対応を受け、カトマンズを越えて広がり、近年で最大規模となった。
 今朝早く、政府当局はSNS規制を緩和する準備が整ったようだが、汚職への懸念にはまだ対処していない。
 「Z世代の抗議活動」と呼ばれる主に若者で構成されるデモ参加者は、高官による汚職事件の訴追が不十分であることや、FacebookやWhatsAppなどのアプリの禁止に激怒していた。政府が言論の自由を制限しようとしていると主張したため、SNAの禁止は解除されることになりそうだ。
【コメント】
 もしこんなことになったら日本の若者は抗議するのだろうか。
 石破首相の辞任劇を報じ、総裁選の報道に踊る大手メディアを見ると、彼らに未来は無いように見える。さりとて野放図なSNS報道もどうかなと首をかしげる。うーん。

3.エルサレムで銃撃事件
【記事要旨】
 昨日、エルサレム北部の混雑したバス停で二人の武装集団が発砲し、少なくとも6人が死亡した。警察はこれをテロ攻撃と表現し、兵士1人と民間人数人が襲撃者と交戦し、現場で彼らを射殺したと報じた。
 イスラエル当局は、2人はヨルダン川西岸のパレスチナ人村落出身者であると発表。ネタニヤフ首相は、イスラエル軍が「犯人らの出身村落を包囲している」と述べた。
 トランプ大統領はソーシャルメディアで、ハマスが停戦提案に同意しない場合、イスラエルはガザ地区北部への地上侵攻を続行すると警告した。数十万人のパレスチナ住民は、過密状態の南部へ避難するか、リスクを冒してそこに留まるかで板挟みになっている。
【コメント】
 停戦案を拒否し続けてきたのはイスラエルと理解している。トランプの矛先はいつも少し問題の本質と異なる。

その他の記事
英国:ロンドン地下鉄でストライキが発生し、金曜日まで続く予定だ。数百万人が影響を受けている。
韓国:売春婦として働いていた数十人の女性が、米軍を相手取り、謝罪と賠償を求めて訴訟を起こした。これは初めてのケースだ。
米国:ジェフリー・エプスタイン氏の50歳の誕生日を記念した本に掲載されていた、トランプ大統領の署名入りと思われる挑発的な絵が議会で入手された。トランプ大統領はこの絵は偽物だと主張している。

インド:中間層は、トランプ大統領の貿易戦争から財産を守るため、貯蓄を株式市場に投じています。
中国:中国企業がトランプ大統領の関税によって迂回させられた貿易を方向転換させているため、同国のアフリカへの輸出は急増しています。

2025年9月9日 火曜日