株式市場の動き(週刊レポート)備忘録

1) 今週の相場像

米国株:ジャクソンホールでのパウエル議長の発言が「早期利下げ示唆」と受け止められ、金曜に主要3指数が大幅高・ダウは過去最高値で週末。週間では3指数とも上昇で着地。
日本株:週後半に持ち直しつつも、Nikkei 225は週間で下落。TOPIXは小幅安。

為替・金利:USD/JPYは週末に147円近辺へ急低下(ドル安・円高)。米10年金利は低下(4.2%台へ)。背景は「9月利下げ観測の強化」。

2) 主要指標:今週の動き
米国
ダウ平均:金曜+約1.9%、史上最高値で引け。週間でも上昇。終値45,631.74
S&P 500:金曜+約1.5%、週間で上昇。終値6466.91
NASDAQ:金曜+約1.8%、週間で上昇。終値21,496.53

日本
日経平均:週間で約2%下落 終値42,633.29
TOPIX:週間で小幅安(約▲0.2%)。終値3100.87

為替・金利
USD/JPY:週末146.9円近辺(日中で146.6〜148.8)。週末にかけてドル安・円高。
米10年金利:低下(パウエル発言後に4.27%近辺へ)。
日本国債
 10年物国債利回り:約1.61%(前日比 +0.01%)
 20年物国債利回り:約2.65%(前日比 +0.02%)
  30年物国債利回り:約3.20% いずれも過去最高水準

3) 今週の主な出来事と相場への影響
ジャクソンホール:パウエル議長が「利下げの必要性あり得るが慎重に進める」と発言。株高・金利低下・ドル安の「リスクオン+金融条件緩和方向」の反応。9月利下げ観測は~85–90%へ上昇。
米企業ニュース:一部将来業績のソフトガイダンス(例:Intuit)があったが、金曜の政策期待でテックを含む広範に買い直し。
日本では:今週は外部金利動向・為替の影響が優勢。円高方向が進んだ分、輸出株の重しに。JGB長期金利は7月以降高止まり観測も、今週は米金利低下が緩和要因。

4) 来週の見通し(イベントカレンダー&相場観)
イベント(米国)
7月PCEデフレーター(個人消費支出):8/29(金)発表。コアPCEも同時。利下げの最終確認材料。
米GDP 2Q改定値:8/28(木)。成長の持続性を再点検。
企業決算:NVIDIAほか小売(Best Buy、Bath & Body Works、Urban Outfittersなど)。AIサイクルの体温と米個人消費の強さを測る週。
イベント(日本)
東京都区部CPI(8/30土 日本時間):全国CPIの先行指標として注目。円・JGB・バリュエーションに影響。

ベースシナリオ
金利低下+利下げ観測が続く限り、米ハイベータ(テック・半導体)主導の戻り、ディフェンシブにも資金回帰が入りやすい。一方で、PCEが強めなら利下げ期待が剥落し、**リバーサル(株安・金利上昇・ドル高)**に注意。

5) 注目セクター/銘柄(来週)
米国:AI/半導体(NVIDIA 等)—決算・見通し・在庫/供給コメントが指数ドライバー。周辺のサプライチェーン(設計IP、EDA、HBM、後工程)にも波及
米国:小売(Best Buy、Bath & Body Works、Urban Outfitters)—PCE前の消費実勢の温度感。

日本:自動車・機械など輸出株—円高進行が逆風。一方で金利低下→バリュエーション下支えの綱引き。
日本:銀行—JGB長期金利のトレンド次第。来週、米金利低下が続くならスティープナー剥落→銀行株の一服に注意。

6) プライベートエクイティ(PE)/プライベートクレジット(PC)の動き
PEのマクロトーン:H1はエグジット難でディールは控えめ、セカンダリー市場が活況(年初来〜H1で記録的水準)。大手の大型セカンダリーファンド組成も継続。
直近トピック:Five Point支援のWaterBridgeがIPO申請—秋のIPOウィンドウ再開期待を示唆。

規制の目:米FTCがヘルスケア領域のPE案件に厳格姿勢—ヘルスケアM&Aのクローズ確度・期間に注意。
地域動向:中国のPEセカンダリー取引が急増(H1で件数・金額ともに過去最高)。
プライベートクレジット:バリュエーションの透明性に対する投資家の警戒感が指摘される一方、アセットとしての資金流入・拡大期待は継続。

2025年8月23日 土曜日