世界の動き 2025年5月12日 月曜日

今日の一言
「個人は米株式市場へ復帰」
 以下Bloombergの記事より
 『米株式相場は過去1カ月で目覚ましい回復を見せたが、牽引したのは幅広い銘柄に押し目買いを入れてきた個人投資家だ。一方で機関投資家は、景気減速や貿易戦争激化への懸念から株式を敬遠してきた。
  しかし、4月8日に底を打ってからの1カ月間でS&P500種株価指数が14%上昇する中、機関投資家の間でも市場に戻るべきかどうか、また戻るならどのタイミングが望ましいかとの議論が広がっている。』
  著名な機関投資家の中には、過剰な政府債務とトランプ関税が1930年代のような経済恐慌をもたらすと予言するものもいる。
  一方、ウクライナの停戦への動き、米中貿易交渉の進展、米英関税交渉の決着、インドのパキスタンの米国による紛争調停と、市場を取り巻く報道は明るいものが多い。
  今回は個人投資家の先行が成功する可能性が高そうだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米国、中国との合意に向けて「進展」があったと発表
【記事要旨】
 ベッセント財務長官は昨日、ジュネーブでの週末の会合の後、米国は中国との協議で「大幅な進展」を見せており、詳細は今日発表されるだろうと述べた。
 ベッセント長官と共に協議に参加した米国通商代表部のグリア氏は、中国の貿易慣行に関する米国の国家安全保障上の懸念に対処するための何らかの「合意」が成立した可能性を示唆した。グリア氏は、両国が制裁関税の撤廃で合意したかどうかについては言及しなかった。
 中国の国営メディアによると、中国の経済政策担当副首相の何立峰氏は、協議は「率直で、綿密かつ建設的」だったと述べ、両国は経済・貿易問題を協議するための「協議メカニズム」を設置することで合意したと述べた。
 タイムズの貿易担当記者は、「米中間の貿易に依存する企業にとって、緊張の緩和はどんなものであれ朗報だ。しかし、たった2日間の会談に過度な期待を抱くのは控えたい。明日の成果として考えられるのは単に会談が増えるだけかもしれない」と述べた。
【コメント】
 ベッセント長官の発表を期待を以って待ちたい。

2.インドとパキスタンは停戦を維持
【記事要旨】
 インドとパキスタン間の停戦は、ほぼ維持されているように見えた。両国は4日間続いた紛争に勝利したと主張している。
 土曜日に当初は戦闘があったものの、トランプ大統領はその後、米国の仲介の助けを借りて両国が停戦に合意したと発表した。トランプ大統領は、両国との貿易を「大幅に」拡大し、カシミールをめぐる紛争の解決に向けて協力していくと付け加えた。
 パキスタンは米国の仲介を称賛したが、インドは当初、米国の関与について言及しなかった。その後、インド政府は米国当局者との協議を認めたものの、独自の判断を下したと述べた。
 銃撃戦:カシミールで生まれ育ったショーカット・ナンダ氏は、銃声を聞きながら育ったが、パキスタンとインドが戦闘を始めるまで、軍の爆撃下で夜を過ごしたことはなかった。
【コメント】
 トランプの仲介が有効であったかどうかにかかわらず停戦が成立したことは喜ばしい。

3.トランプ大統領とネタニヤフ首相の亀裂の兆候
【記事要旨】
 トランプ大統領は今週、初の主要外遊として中東を訪問する準備を進めているが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との間には、4月以降深まっている亀裂の兆候が見られている。
 2月には、フーシ派、イラン、ガザといった問題で両者の見解は一致していた。しかしその後、トランプ大統領はネタニヤフ首相がイランの核兵器能力の排除に向けた共同行動を希望していることを拒否した。さらにトランプ大統領は、フーシ派のミサイルがイスラエルの主要空港を攻撃した数日後に、フーシ派民兵に対し米軍の空爆を停止することで合意したと発表した。ガザ問題でも亀裂の兆候が見られる。
 ハマス:パレスチナ武装勢力は、ガザで捕らえられている最後の米国人、エダン・アレクサンダー氏を解放すると表明した。
【コメント】
 これまで一枚岩だったトランプとネタニヤフの関係が少しギクシャクしてきたのだろうか。
 しかし、ネタニヤフの訪米頻度には驚かされる。彼の腰の軽さと、そうした行動を好むトランプとの関係はまだまだ強固に思えるのだが。

その他の記事
ウクライナ:ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領から即時停戦要求をまず棚上げするよう促された後、ロシアとの直接会談に出席することに同意した。
英国:過去1週間にわたる山火事は、スコットランド、ウェールズ、イングランドの森林地帯を焼き尽くした。
政治:トランプ大統領は、エアフォースワンとして使用する予定のカタール王室から高級ボーイング機を受け取る予定で、大きな倫理的問題を引き起こしている。

2025年5月12日 月曜日