世界の動き 2025年3月3日 月曜日

今日の言葉
「豊作貧乏」
 昨日スーパーへ行って、野菜の値上がりに驚いた。キャベツだけでなく、根菜類やフルーツも倍近く値上がりしている印象だ。価格の上昇に対して政府に何らかの対策を求める声も出て来ている。
 野菜が不足すると農家は生産量を増やし、その結果「豊作貧乏」に陥りがちだと言うのが、私が大昔大学で習った経済学の原則の一つだ。生産量が増えると価格が下落し、農家の手取りは増産前より減少するというものだ。
 現在の野菜高騰時、農家の収入はどうなっているのだろうか。生産量が減量しても価格の高騰で収入が問題なければ、生産量を急に増やすインセンティブは少ない。そもそも生産量の調整には時間がかかる。
 農家の収入を極大化し、消費者は安定した価格で購入できるという何らかの均衡点が存在するはずで、しばらくは市場機能に委ねるべき問題だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.欧州首脳、ウクライナ支援を約束
【記事要旨】
 英国のスターマー首相は昨日、「我々は歴史の岐路に立っている」と宣言し、欧州諸国がロシアからウクライナを守るために「有志連合」を結成すると発表した。
 この発表は、ウクライナのゼレンスキー大統領が出席したロンドンでの18カ国の欧州首脳による会議の後に行われた。スターマー氏は、キエフとモスクワの間で停戦が成立した場合、「多くの」国が英国とフランスに加わり、ウクライナに軍隊を派遣する可能性があることを示唆したと述べた。また、ウクライナが英国の輸出融資16億ポンドを使って5,000基以上の防空ミサイルを配備する予定だ。
 背景:金曜日、ゼレンスキー大統領が大統領執務室でトランプ大統領とJD・ヴァンス副大統領と白熱した会談を行い、米国がウクライナに和平協定を強制しようとするのではないかという懸念が高まったことを受けて、この会合はより緊急性を帯びた。
 ウクライナ:今週末、国内のほとんどの人々は、トランプ氏とゼレンスキー氏の会談後、彼らは疑問を抱いていた。米国は自分たちを見捨てるだろうか?
 関連:ピート・ヘグゼス国防長官は、米国サイバー軍にロシアに対する攻撃作戦の中止を命じたと当局者は述べた。

トランプ氏についてさらに詳しく
・わずか数週間で、トランプ氏は米国の気候政策を粉砕した。
・米国大統領は、今度は木材をめぐってカナダと新たな貿易戦争を仕掛けようとしている。
・イーロン・マスク氏の政府効率化チームは、すでに廃案になっていた政府契約を破棄した功績を主張している。
・関税の脅威に押されて、メキシコは麻薬取引を取り締まり、シナロア・カルテルに大きな圧力をかけている。
・連邦判事はトランプ氏にスローダウンを命じている。彼は聞く耳を持つだろうか?
・著名な弁護士団が、トランプ氏の政策により米国から強制送還された移民を拘留しているとしてパナマを訴えている。
・ある教授は、トランプのスパイ対策プログラムにより中国とのつながりが暴露され、職を失った。彼は現在、職を取り戻すために訴訟を起こしている。
・マスク氏が米国で権力を固める中、彼の母親は海外で引っ張りだこだ。
【コメント】
 一番気になったのはロシアへのサイバー軍の攻撃中止という点だ。ロシアは今や米国の敵国ではないのだろうか。

2.イスラエル、ガザへの支援を停止し、新たな合意を提案
【記事要旨】
 イスラエルは昨日、ガザへのすべての物資と人道支援の流入を即時停止すると発表した。この措置は、土曜日に第一段階が終了した後、ハマスに停戦の一時延長を受け入れさせるためだった。この停止により、残りの人質の運命は不透明となり、ガザの約200万人の住民の状況は悪化する可能性が高い。イスラエルは、この制限は水には適用されないと述べた。
 支援停止の数時間前、イスラエルは停戦を7週間延長することを提案し、その間にハマスは残りの生存人質の半数と死亡した人質の半数の遺体を解放する予定だった。ハマスはイスラエルの策略を拒否し、支援停止を「安っぽい脅迫」と呼んだが、合意の第二段階については交渉する用意があるとした。ハマスがさらなる交渉なしに新たな提案を受け入れる可能性は低い。
【コメント】
 イスラエルはハマス追及の手を緩めない。これからの進展は、ガザの200万住民全員を人質に取っているイスラエルの考え方次第だ。

3.コンゴの巨大な軍隊は、小規模な民兵に苦戦している
【記事要旨】
 民兵グループM23は、ここ数週間、コンゴ民主共和国東部を席巻している。コンゴ軍は、この脅威を簡単に阻止できたはずだ。軍の兵力は10万から20万人で、M23を圧倒している。しかし、コンゴ軍は負け続けている。
 国連によると、問題の一部は、経験豊富な民兵組織M23がルワンダの支援を受けていることだ。しかし、それがすべてではない。コンゴ軍は、やる気のない兵士、内紛、恐喝、虐待に悩まされている。何十年にもわたる植民地主義によって弱体化した政府は、それ以来、不安定な、あるいは略奪的な指導者に苦戦している。
【コメント】
 BBCの記事より。
 『国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、北キヴ州と南キヴ州では、今年に入ってから40万人以上が家を追われている。
 M23は2012年、別の反政府勢力の分派として結成された。表向きはコンゴ民主共和国東部のツチ人の保護を目的としている。ツチ人は長年、迫害や差別を訴えている。
 ルワンダは過去に、1994年のルワンダ虐殺に関与し、コンゴ民主共和国に逃亡した者たちと、コンゴ民主の当局が協力関係にあると主張していた。
 一方でルワンダは、コンゴ民主共和国東部から金やコバルト、タンタルといった鉱物を略奪するためにM23を利用していると非難されている。』

その他の記事
日本:
 沿岸都市大船渡近郊で数十年ぶりの最悪の山火事が発生し、少なくとも1人が死亡、住民数千人に避難命令が出された。ホンジュラス:
フィンランド:
 当局は、重要な海底ケーブルを故意に切断した疑いで12月に押収された石油タンカーを解放したと発表した。
宇宙:
 ファイアフライ・エアロスペースのロボット宇宙船は、民間が製造した宇宙船としては2番目に月面に軟着陸した。

2025年3月3日 月曜日