quid pro quo

クイド・プロ・クオ。 ラテン語で「交換条件」「対価」を意味する。
トランプのNATOへのアプローチが動揺を呼んでいる。彼の考えの基本は何事も「取引」トランザクションによるものであり、国家間の安全保障条約も、信義よりも取引を基本とするということだ。
取引として考えるのは、それほど悪くないように聞こえるかもしれない。彼ら(敵)は何かを得る、私たち(味方)も何かを得る、そして誰もが得をするのだとトランプは考える。しかし、軍事同盟や抑止力はそうは機能しない。

NATOが、信頼や共通の利益によってではなく、見返りによって各国が縛られていることが明らかになった瞬間、こうした安全保障は敵の目からは軽んじるに足るものになるので、同盟国にとっての価値は低くなる。

安全保障は「信義」by trustに基礎を置くべきであり、決して「対価」by quid pro quoによるべきものではない。

商売人としてのトランプは不動産取引で生き抜いてきたが、米国の政治指導者としてはふさわしくないのは明らかだ。

2024年2月17日 土曜日