ジャニーズ事務所の記者会見に思う

 2回目の記者会見をほんの少し見た。怒号が飛び交っている印象を受けた。NHKの報道等で、後からわかったのだが質問者が手をあげても、当てない(つまり質問させない)NGリストが作られていたのだ。

 ArcTimes創業の二人と、一月万冊の二人、その他2名の、計6人がNGリストに上がっていたことがその後の報道でわかった。FTIコンサルティングという外資系のアドバイザーが主導してやったという説明だ。大手弁護士事務所がジャニーズ事務所の顧問をつとめており、その事務所出身でジャニーズ事務所のCCO(チーフコンプライアンスオフィサー)に就任する人も会見に関与していたようだ。

 ジャニーズ事務所の対応は、「揉め事なく早く済んでくれればよい」という、上場企業の株主総会に臨むメンタリティだ。株主総会では、株主が手を挙げている際に指名するのは議長(通常はCEOが務める)の裁量だ。

 会社と訴訟になっている株主、法務・ビジネス問題でもめている株主、会社のブラックな内情を知りすぎている元従業員等、質問させたくない株主はいるし、彼らの容貌も議長は知っている場合が多い。

 今回NGリストをコンサル会社が作ったことで、ジャニーズ事務所まで非難を浴びているが、今回の会見を株主総会同様のものだと考えれば、わかりやすいのではないだろうか。

 ジャニーズ事務所との関係に影響が出ることを心配してジャニー氏の性的暴行に関して見て見ぬふりをして来たTV局は、与党総会屋と考えれば理解しやすい。記者会見は全キー局が延々と中継していた。手の平返しで詰問するTVレポーターは、与党総会屋から通常の総会屋へ宗旨替えしたのだ。

 こんな些末な(BBCが取り上げたので大問題化したが)問題を取り上げる前に、我が国を取りまく、政治(国内も海外も)、経済・金融、科学技術、安全保障・防衛、疫病対策を含むQOL、等々、メディアが本気で取り上げないといけない大問題が置き去りにされている。自民党長期政権へのメディアの忖度が、一番の問題だと思うのだが。

2023年10月8日 日曜日