今日の言葉:
「AI規制」
AIについての規制方針が中国、米国、EUで分かれている。以下はユーラシアグループによる分析だ。
中国では、生成AIに取り組むすべての企業に対し、国家に直接ライセンスを申請することを義務付ける案が検討されていると伝えられている。 この動きは、中国がAI超大国になろうとしているにもかかわらず、同国の規制当局の言葉を借りれば、その技術が信頼出来ると共に制御可能であり続けることを保証することを目的としているという事だ。
AI分野で世界的なリーダーになろうとしている権威主義の一党独裁国家である中国が直面している課題を浮き彫りにしている。共産党は、AI のイノベーションを最大限に高めたいと考えているが、オンライン言論の厳格な管理下に置きたいと考えている。
AI競争における中国の主な競争相手である米国では別の懸念を抱いている。 米国政府は消費者や社会への被害を制限したいが、中国政府との競争の最前線にいるシリコンバレー企業のイノベーションを抑制することは避けたいと考えている。
欧州には独自のハイテク大手が存在せず、アルゴリズムによる偏見、誤った情報、著作権侵害などの悪影響を防ぐため、AIに対する最も厳しい規制の導入を進めている。
つまり、AI を規制する競争は、少なくともテクノロジー自体の開発競争と同じくらい大きな影響を及ぼすという事だ。日本は企業競争的にはEUと同じような立ち位置だが、ルール作りを主導する能力には欠けている。どういう方向にかじ取りをするか政府の方針を確定すべき時期だ。EUと強調するのが現実的かと思われる。
ニューヨークタイムズ記事より
1.NATO首脳会議後、バイデン氏「我々は揺るがない」
【記事要旨】
バイデン大統領は、ウクライナからロシアを追放する戦いをヨーロッパの自由を求める冷戦時代の闘いと比較して、NATO同盟国会議を終えた。 同氏は演説で「われわれは揺るがない」と約束した。
バイデンはアメリカ国民と同盟国に対し、何年にもわたって続く可能性のある対立に備えているようだった。
バイデン氏は、プーチン大統領は依然として、自分がウクライナよりも生き残ることができると誤信しており、隣国への侵略で大きな戦略的ミスを犯した人物だと評した。
NATOは、ウクライナに加盟国とともに安全保障に関する問題について平等な発言権を与えることを目的とした新たな評議会を設立した。
中国政府は、西側諸国を脅かす軍拡を非難するNATO声明を批判し、NATOはいまだ冷戦精神に囚われていると述べた。
ロシアの指導層の不確実性がある。かつてはワグネルの同盟者だったセルゲイ・スロビキン将軍は、先月の反乱以来公の場に姿を現していない。
また最高司令官の一人がウクライナ空爆で殺害された。 空軍の元指揮官もジョギング中に銃撃された。
【コメント】
NATOは揺るがず拡大する。このメッセージはプーチンを硬化させるだろう。ウクライナによる反転攻勢が進んだところで和平の機会が訪れるのだろうか。
2.中国のハッカーが米国国務省を標的に
【記事要旨】
米当局者らによると、ブリンケン国務長官が先月中国を訪問する前の数週間に、中国のハッカーが国務省の特定の電子メールアカウントを標的にした。
このハッキングは1か月間検知されなかったが、両国間の外交的緊張が高まっている時期に発生した。 機密電子メールやクラウドシステムは侵害されていないと言われており、このハッキングはブリンケン氏の旅行に直接関連していないようだった。
ハッカーらは、中国のハッカーが以前にも行ったとされる大規模な侵入を実行するのではなく、特定のアカウントを標的にした。 米当局はどのアカウントが標的となったかを明らかにしていない。 この侵害により、米国政府が内部サーバーからデータを転送していたマイクロソフトのクラウドに重大なセキュリティ上の盲点があることが明らかになった。
クラウドがこれまでと同じくらい安全であるだけでなく、より安全になると約束してきたが、これは基本的なセキュリティが侵害され、情報が盗まれた例だ。これは米国政府の電子メールに対する最初の大規模なクラウド攻撃だ。
バイデン政権は、 中国を先端半導体チップから切り離すことで中国の経済成長とAI技術の減速につながる計画で、これは中国に一世代ハンデを与える可能性があるが、裏目に出れば米国が避けたい未来を早める可能性がある。
【コメント】
中露と北朝鮮は国家をあげてハッキングを戦略として行っている。日本での対応はどうなっているのだろうか。ソフトウェアの開発力は低下しており、安全保障上で対策が必要だ。
3.海洋熱波が海洋生物を脅かす
【記事要旨】
フロリダを囲む水は現在、米国のほとんどのプールよりもはるかに熱い。 これは、メキシコ湾と大西洋のサンゴや海洋生物に深刻なリスクをもたらす可能性がある。まだ 7 月であり、通常、サンゴは 8 月と 9 月に最も熱ストレスを経験する。
海洋熱波の影響で水温は摂氏32度以上にまで上昇した。 これらの海域の表面温度は記録上最も高温だ。フロリダの海水浴客の中には、海を風呂の水に例える人もいた。
海が暑くなりすぎると、サンゴが白化し、サンゴが食べた藻類が排出されます。 水が十分に早く冷えなかったり、白化現象が連続して起こったりすると、サンゴは死滅する。 それは生態系全体に波及効果をもたらす可能性がある。
【コメント】
沖縄でもサンゴの白化が進んでいると聞く。海の水を冷やすわけにもゆかないだろうし、エルニーニョの影響も大きいと聞く。有効な対策は無さそうだ。
その他:
米国のインフレ鈍化
U.S. inflation cooled in June, offering good news for consumers and the Federal Reserve.
BBCのアンカーの醜聞
The BBC staff member suspended on allegations of sexual misconduct was identified by his wife as Huw Edwards, an anchor on the network’s flagship nightly news program.
ヨハネスブルグで降雪
Snow fell in Johannesburg for the first time in more than a decade.
2023年7月13日 木曜日