世界の動き 2023年2月16日 木曜日

今日の言葉:
「セキュリティ・クリアランス」
 高市早苗経済安保担当相の日本会議での発言で注目された言葉だ。
 セキュリティ・クリアランスとは、公的機関や関連する民間企業が職員を採用する際に利用する制度で、機密情報を扱うにあたっての適格性を審査する。この制度は、国の最先端技術などの重要情報にアクセスできる職員を厳選することで、機密情報の漏洩・流出を防ぐ目的がある。
 2022年5月に成立した経済安全保障推進法では、セキュリティ・クリアランスは取り上げられなかったが、米国ではすでに法制化されており、ドイツ、フランス、韓国でも導入されている。国際共同研究・開発では、日本にも同等の制度があるか確認されるケースも出てきているそうだ。
 極右と見做される高市氏は故安倍首相の積み残しであり自分がやり遂げると発言した。機密情報を扱う可能性のある企業の従業員は個人情報の細部まで国に知られることになりかねない制度として左派系の人達は大いに警戒している。

ニューヨークタイムズ記事
1.中国のCovidの波はどれほど致命的だったか?
【記事要旨】
 中国が 12 月に世界で最も厳しい Covid-19 制限を緩和した後、ウイルスはそこで爆発した。 4つの別々の学術チームが、中国の公式数をはるかに上回る100万人から150万人が急増中に死亡したことを示唆する推計を出した。
 研究者は、2月9日時点での、パンデミック全体での83,150人の死亡という中国の公式数値は、大幅に過小評価されていると考えている。病院や火葬場が混雑を極まていることも証拠となっているが、中国の信頼できるデータがないため、推計は見積もりとして理解されるべきであるいう。
 中国では、Covid-19 による死亡と見なされる公式の死者数には、病院で死亡した感染者のみが含まれており、自宅で死亡した人は含まれていない。2018 年から 2020 年にかけて、中国での全死亡者の約 5 分の 1 だけが病院で発生した。
 香港と上海での過去の感染爆発を使用して、中国本土でのウイルスの拡散速度を推定した人がいる。 旅行データと人口統計を使用して広がりと死亡率をモデル化した人もいる。中国での検査からのサンプリング データを使用して、人口の 90% が 1 か月強で感染したとの推計もある。
 中国で感染した人々の致死率は米国とほぼ同じであるという単純な仮定から始めると 90万から140万人の中国人が死亡した可能性があるとの推計もある。
【コメント】
 中国での死亡者数の推計にどういう意味があるのか疑問だ。サプライチェーンの乱れは解消しつつあり、中国は危機を上手に管理しているように見える。

2.インドの航空ブーム
【記事要旨】
 エアインディアは、ボーイングとエアバスに世界的に見ても過去最高の 470 機を発注した。世界の航空業界とインドの拡大する航空事業がパンデミック後回復している兆候だ。
 インド政府は、今後 5 年間で 80 の新しい空港を建設することを計画しており、 ボーイングは、国内の旅客数が今後 20 年間で年間 7% で増加すると予測している。
 約 1 年前にエアインディアを支配した強力なコングロマリットであるタタ グループによる野心的な再建だ。ボーイングから 220 機、エアバスから 250 機を購入する予定で、納入は来年後半から開始される。
 バイデン大統領は、ボーイングへの発注は米国で 100 万人以上の雇用を生み、インドとの強い結びつきを反映していると述べた。 フランスのマクロン大統領もエアバスとの取引を歓迎した。
【コメント】
 昔はJALやANAの古い機材を使っていたエアインディアが今や最も新しい機材を購入している。こんなところにも勃興するインドを感じる。

3.スコットランドの首相が辞任
【記事要旨】
 驚いたことに、ニコラ・スタージョンは首相を辞任すると述べた。
 彼女は、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相の予想外の辞任に呼応して、疲労が辞任の決定に貢献したと述べた2番目の著名な指導者となった。
 スタージョンの突然の辞任により、英国の政治から最も目に見える人物の 1 人が退場し、スコットランドの独立を最も率直に支持した人物の 1 人が退場した。ここ数週間、スタージョンはスコットランド政府の性別認識政策をめぐる論争に巻き込まれていた。
【コメント】
 燃え尽き症候群か。責任感の強さに応じたものだろうか。

その他:
ニュージーランドのサイクロン被害 (南半球は今がシーズンか)
 New Zealand is under a state of emergency after Cyclone Gabrielle caused severe flooding.
ウクライナの戦争
 Russia’s losses during weeks of fighting in a city in eastern Ukraine have renewed questions about its ability to sustain a large-scale offensive. One cemetery shows the scope of the losses.
 Both sides are going through ammunition at a staggering rate, according to Western officials.
カブールの高級住宅街
 The Green Zone, once a leafy upper-middle class neighborhood in Kabul, used to be an enclave for diplomats. Now, the Taliban have moved in and are making it their own. Officials live in abandoned homes, and young men study at a madrasa opened in a former British embassy compound.

2023年2月16日 木曜日