今日の言葉:
「米国債」
これまで米国債の主要投資家だった中国が米国債の保有をさらに減少する方針のようだ。以下Bloombergの記事より。
『中国は米国債保有の秩序ある削減が「必要」だと中国人民銀行(中央銀行)の貨幣政策委員だった余永定氏が17日に述べたと中国紙の証券時報が報じた。米国債の低水準の表面利率と米国の対外純債務急増見通しを踏まえた発言だとしている。
余氏は、米国の対外債務が国内総生産(GDP)比で増え続け、対外純債務の状況が悪化すると指摘し、中国は外貨準備の割合引き下げなど海外資産の構造改革を急ぎ、海外資産のリターンと安全性を向上させる必要があると語った。
余氏は中国の外貨準備高について、国際的に妥当と認められる水準まで削減されるべきだと主張したと証券時報は伝えた。』
このような記事は共産党政府の意向の反映だろう。金融を通じ米国に揺さぶりを掛けようという中国の意図が見える記事だ。日本も中国の減少分を埋める余裕は無いので、米国の来年の金利引き下げは、見込み通りに進まない可能もある。
ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米国が自制を求める中、イスラエルは戦争を継続
【記事要旨】
イスラエルのネタニヤフ首相は、先週人質3人が自軍に殺害されたことで苦痛が広がる中、ガザ地区で「最後まで戦う」と誓った。 人質らは白旗を振っていたのにイスラエル軍によって誤って射殺され、彼らの死はネタニヤフ政権がどのように戦争を進めているのかについて新たな疑問を引き起こした。
ネタニヤフ首相は昨日、ガザでの戦闘で死亡したイスラエル兵の家族から届いたという「あなたには戦う使命がある。途中で止める義務はない」という手紙を読み上げて政府会議を始めた。
この書簡は、愛する人たちが帰国できるよう停戦を要求するために街頭に出ている人質の親族からの要求とは異なるように見える。
オースティン国防長官は今週中東を歴訪し、イスラエルとペルシャ湾岸3カ国を訪問するが、バイデン政権当局者はイスラエルに対し、数週間以内に大規模な陸空作戦を終了し、より集中的な段階に移行するよう求めている。
オースティンはイスラエル指導者らと、ハマス指導者の捜索・殺害、人質救出、トンネル破壊などのより精密な任務を遂行する少数精鋭部隊の活用について協議するとみられる。
ドイツと英国は、これまでのイスラエルに対する全面的な支援から明らかに転換し、「持続可能な停戦」を主張した。
ガザ保健省が発表した死者数は2万人に近づいており、その中には一家族での100人以上の死者が含まれている。
【コメント】
繰り返すが、「大のためには小の虫を殺す」のがイスラエルの国策だから、戦争が止まらない。
2.寒波到来を中国は警戒
【記事要旨】
冬の天候と大雨により、中国全土の気温が低下し、500人以上の通勤者が入院した北京の地下鉄衝突事故を含む広範な混乱が起きた。
首都の平均最高気温は、先週約50度(摂氏10度)で推移した後、土曜日には華氏約15度(摂氏-9度)まで急降下した。
気象学者らは土曜日、「強い寒波」が全国的に冷たい風を広げており、今週もその状態が続くと予想され、低温と強風警報を発令した。 中国の一部の地域では気温が歴史的最低水準に低下する可能性があり、中国北部では年末まで平年より寒い状況が予想されている。
【コメント】
温暖化の世界でも、冬は寒くなる。冬将軍はやってくるのだ。
3.コンゴでの戦争中の生活
【記事要旨】
コンゴ民主共和国では数十年にわたる戦闘の末、600万人が死亡、600万人以上が避難民となっている。 汚職が蔓延しており、虐殺や強姦が日常的に行われており、来たる大統領選挙は混乱に拍車をかけるだけだ。
100以上の武装組織といくつかの軍隊が覇権を争っている。 外国勢力はこの国の金、石油、そして携帯電話や電気自動車の製造に使用される鉱物であるコルタンを切望している。 援助団体は、影響を受けた人の数が最近の他の危機よりも少ないので、コンゴでの苦しみに注目を集めるのに苦労している。
「私たちの子供たちは戦争で生まれた。 私たちは戦争の中に生きている」とジャン・バハティさんは妻とともに砲撃から逃れながら語った。 「もううんざりだ。」
【コメント】
WIREDというメディアの記事より
『「わたしたちは後世に何を残すことができるだろうか?」
「携帯電話と遠隔操作の武器だ」
イタリアでは、スペイン人ジャーナリスト、アルベルト・バスケス=フィゲロアによる著書『コルタン』が、Nuovi Mondi社から最近出版された。この本は、コルタンの問題に一般の人々の関心を向けさせた。「コルタン」とは、ハイテク産業で用いられる金属のことで、これが原因で500万人から700万人もの犠牲者が出ているという(とはいえ、推計は何年も前からすべて止まっている)。』
その他の記事より:
・ニュージーランドでのマオリ族の抗議
After a rightward shift, New Zealand’s government has weighed abandoning policies that benefit Māori and ordering public agencies to stop using their language.
・米陸軍は対中国の戦闘訓練
The U.S. Army has been training troops in the Hawaiian jungle in preparation for a potential conflict with China.
・途上国で急増する債務
Economists are warning that the systems used to handle the debt of developing countries are broken.
2023年12月18日 月曜日