CNNとFOX

アメリカの事情を知るためにネットラジオでアメリカの放送やPodCastを聴くことが多い。

聴くのが楽しみなのがCNNのAnderson Cooper 360とFOXのNewsTalkという番組だ。Anderson Cooperは「Trumpは権力を乱用し外国政府に軍事援助をダシに圧力をかけ反対政党の有力大統領候補(バイデン)の汚職行為を引き出そうとした。すぐに弾劾が妥当だ」という意見である。NewsTalkは「Trumpへの非難は根拠がない。政敵であろうがなかろうが、有力政治家の海外活動を調査するのは当然だ。何が悪いんだ」という意見である。

米国の国論が2分されているように、テレビでのコメントも2分されている。日本のTVではちょっと考えられないようなメディアの「肩入れ」が平然と行われている。

日本でも、青木理や桜井よしこ出演するとどのような議論をするか大体わかる。しかし意見の異なる出演者も配し、意見の偏りをなるべく平準化しようとするだろう。

気持ちの良いほどの支持候補への肩入れぶりはアメリカのメディの特色だが、国論の分断を進める原動力にもなっている。
(2019.11.5)

120分待ち@羽田で考えたこと

今日羽田空港にスーツケースのキャスターを修理に行った。重いものを入れたせいで4つのキャスターすべてが壊れたのだ。調べたら、すぐ直してくれるところが羽田空港第二ターミナルにあるので、そこへ車で向かったのだ。

ケースの持ち主である息子をターミナル前で下してP4駐車場に車を入れようとすると120分待ちの表示が出ている。連休の羽田の駐車場はものすごく混むと以前聞いたことはあったが120分待ちは、ちょっと凄い。

昔習った行列の待ち時間を簡便に計算するリトルの公式を思い出したが、どんな条件だと120分になるのだろうか?(リトルの法則:ウィキペディアに載っています)
駐車場の台数が2000台。一台の滞時間が平均30時間だとすると1800分。そうすると1分当たり出庫する車の数が約1台。出庫に2分かかり、待っている車の数が60台だとすると、待ち時間は120分。ということかな???? 全く自信がありません。

ニューヨークに住んでいたころは、空港、野球場、デパート、どこに行くにも車だったが、これほど酷い混雑は無かった。日本ではやはり公共交通が都市のOSだと痛感した次第。東京の我が家は駅に徒歩4分。コンビニは徒歩1分。の交通至便さ。コンビニさえあれば老後は何の心配もない。コンビニ万歳!

一方、空気が良く時の流れが穏やかな那須に引きこもる気持ちもあり。但し、そこではコンビニまで歩いて15分。駅に行くバスは一日に3本しかない。地元の方々は一家で車数台は当たりまえになっている。車社会では公共交通の出る幕はない。

超老齢化を迎え、多くの人は、このままではやっぱり都会に住み続けざるを得ないだろう。そういえば田舎から出てきて都会で一生を終えた私の父も母も車の運転はできなかったなあ。車に乗せてあげると喜んだものだ、などと、ひととき感傷にふける。

(健康のため、東京一局集中を改善するため、地方の活性化のため、直下型地震のリスク管理のため)老齢者の地方への移転・移住を促進するためには、Uberの解禁や、小型の自動運転電気自動車の実用化が一刻も早く望まれる。実効のある交通網の整備なしには老人は地方に安住できない。
(2019.11.3)

きんざい金融内部監査人養成講座 祝50回!

金融財政事情研究会(きんざい)の金融内部監査人養成講座は、金融機関の内部監査に配属された人にとって必修の講座になってきている。
以前は年2回、10年ほど前からは年3回、1週間で内部監査の基礎から実務まで幅広い知識を得ることができる講座だ。毎回30人以上が受講するから、既に卒業生が1500人を超えている。
今回(50回目)は10月28日から11月1日までが講義で、今日は認定試験が実施される。今回は受講生は33名で21名が民間金融機関から、12人が政府系金融機関と財務省からの受講生だった。金融機関の参加者に二人の執行役員監査部長がいて、内部監査の組織内の位置づけの向上を実感した。
私は、50回のすべてで講師を務め、5日間のコースの最初の一日半を担当している。内部監査を取り巻く環境変化、内部統制の概論を話すのが私の役割だ。5日間の講座に占める私のリスク量は(一日半)30%であり、毎回緊張して準備する。最近は金融庁の動きや、新商品、デジタライゼーション等から目が離せず、受講生に伝えている。
講座の終わりに、私が伝えたかったメッセージは「内部監査はとても重要でやりがいのある仕事です」という結論で終わる。多くの受講生に何らかの動機づけが与えられたとしたら講師冥利に尽きるというものだ。

(2019.11.2)

甘酸っぱくほろ苦い

先日、高校時代の仲の良い友人二人と飲みに行った。
台風で被害のあった武蔵小杉で落ち合った。私は文科系だが他の二人は理科系で二人とも優秀な国立大学の工学部の出身で、日本を代表する電機企業に勤め、武蔵小杉近辺で会社生活を送ったのだ。
高校時代の昔話で大いに盛り上がった後、どうして日本の会社がここまで落ちぶれたかという話になった。行くつくところは日本企業の経営力ということになった。
3人ともトップ経営者をやったことのない気楽さで経営層の欠点をいろいろ挙げて考えた。Japan as Number 1 と言われたころから、日本企業の経営者は、後任に自分の息のかかった無難な人を選び。経営者に選ばれた人間はリスクを冒さずナンバー1を維持するための事なかれ主義に陥った。維持が目標になるとトップのポジションを維持するのは不可能だ。

企業時代の話をするとなかなか名前を思い出せない。一方、高校時代以前は、氏名が鮮明に思い出される。なぜだろうという話になった。
以前の職場の集まりを久方ぶりにして、数十年あっていなかった友人と会えると一度に昔を想いだす。いくばくかの悔悟と、多くの諦観と、いくばくかの希望がまぜこぜになり、時の流れを調味料に、過去を思い出す。

思い出は、甘酸っぱくほろ苦い。けだし至言であろう。

(2019.11.1)