世界の動き 2023年10月23日 月曜日

今日の言葉:
「赤ちゃんの名前」
  日本では2023年のトップ3は、男子では陽翔(はると)結翔(ゆいと)爽(そう)、女子はさくら、ひなた、陽葵(ひまり)だそうだ。読めない名前が多い。
 今朝ラジオで聞いたのだが、英国の男子新生児では最も多い名前はムハンマドだそうだ。少し調べてみると、イスラム系の、特にバングラディッシュからの移民が増え、従来は多かったオリバーを押さえて第一位になったそうだ。ただ、名前のスペリングを厳密に考えるとムハンマドの一位は微妙なようだ。
 スコープを世界に広げると、最も多い名前は、ムスリムが好んでつけるムハンマド(Muhammad、言語によりモハマド、メフメトなど発音は変化する)で確定だ。 預言者の名前であり、アラブ世界における最も典型的な名前でもある。

ニューヨークタイムズ電子版記事トップ3
1.ヒズボラとの衝突激化でイスラエルは避難を拡大
【記事要旨】
 イスラエルとレバノンの国境で紛争が激化する中、イスラエル当局は、国家支援による避難計画をさらに14の村に拡大すると発表した。 ヨルダン川西岸での異例の空爆に加え、この戦闘により戦争が拡大するのではないかとの懸念が高まった。
 イスラエル軍は、レバノン南部を支配する民兵組織ヒズボラの攻撃により民間人と軍人の死傷者が出たと発表した。 紛争が波及する可能性が懸念される中、米国防総省は土曜日、対ミサイル中隊と地上配備型防空システム「パトリオット」の大隊を中東に派遣すると発表した。
 イスラエル軍は昨日、ガザとの国境沿いに集結した。 ハマス撲滅に向けたイスラエルの軍事努力は「1カ月、2カ月、あるいは3カ月かかるかもしれないが、最終的にはハマスはもはや存在しないだろう」と同国のガラント国防相は述べた。
 イスラエル占領下のヨルダン川西岸全域でも戦闘が急増しており、イスラエルはジェニン市のモスクの地下にある「テロ施設」と称する場所を空爆し、パレスチナ保健当局者によると、2人が死亡した。
 人道団体と国連は、土曜日にガザに到着した最初の援助物資(食料、水、医薬品を積んだトラック20台)は必要なもののほんの一部にすぎないと警告し続けた。 昨夜さらに14台の援助トラックがガザに入った。
 イスラエルの砲撃は「ほぼ衰えることなく」続いている一方、パレスチナ武装勢力は「無差別ロケット砲射撃」を続けていると国連は述べた。 ハマスが管轄する保健省によると、ガザ地区の死者数は少なくとも4385人に達し、1万3500人以上が負傷している。 イスラエルでは新たな死者は報告されていないが、負傷者は5000人近くに増加していると国連が発表した。
 イスラエル軍は、南部に逃げなかったガザ北部の住民は「テロ組織のパートナーとみなされる可能性がある」と警告した。 しかし、そこにいた多くの人々は言う。「食べる余裕さえありません。私たちには出ていくお金がないんです。」
【コメント】
 ヒズボラはイランと密接に結びついている。レバノンにいるヒスボラへ反撃すればイランが乗り出して情勢が更に悪化する恐れがある。イスラエルは虎と狼の相手をしなけばならず、悩ましい。

2.オーストラリアの大物がトランプに不利な証言をする可能性
【記事要旨】
 オーストラリアで最も裕福な男の一人であるアンソニー・プラットは、金とお世辞でドナルド・トランプの側近に入り込んだ。 プラット氏は秘密録音の中で、トランプ氏の商習慣を「マフィアのようだ」と評した。
 両者のやりとりは最終的に、トランプ氏に対する2件の連邦刑事訴訟のうちの1件に巻き込まれた。この訴訟では、元米国大統領は退任時にホワイトハウスから機密文書を持ち出した罪で起訴されている。 プラット氏は来年の裁判でトランプ氏に不利な証言をする可能性がある。
 プラット氏は検察官との取り調べで、かつてトランプ氏が米国の原子力潜水艦に関する機密情報(搭載弾頭の数やロシア領海への密接な接近など)を暴露したエピソードを語ったが、トランプ氏はこれを否定している。
【コメント】
 いろいろ出てくるなー、という感想だ。真の友とでなければ秘密の話は出来無い。真の友と思ってもいつまで続くかわからない。

3.オーストラリア先住民は「和解は終わった」と語る
【記事要旨】
 オーストラリアが先週、諮問機関として提案されていたIndigenous Voice to Parliament を拒否したことは、この国の先住民との関係に不可逆的な変化をもたらす可能性が高い。
 多くの先住民族は、これを自分たちの過去と、原住民との和解において他の植民地国家に大きく遅れをとっているオーストラリアにおける自分たちの立場を否定するものであると認識した。 「議会への先住民の声」の敗北はさらなる和解を頓挫させるだけでなく、オーストラリアの先住民族の権利と人種関係に対して、より対立的なアプローチを解き放つ可能性もある。
【コメント】
 各国の原住民問題は門外漢には理解が難しい。日本でもアイヌの人々の処遇が国際機関から批判される場合もあるが、自国の状況ですら良く分かっていない。

その他:
・マウイ島のツアー再会
 Two months after Lahaina was destroyed by wildfires, Maui is fully open to tourism, but the path to recovery is uncertain.
・台湾企業への中国の税務調査
 Foxconn is said to be under tax audit in China, part of a regulatory push as local governments seek revenue.
・インド以外で最大のヒンズー寺院がニュージャージー州で完成
 A $96 million Hindu temple, believed to be the largest in the Western Hemisphere, opened in New Jersey amid accusations of forced labor.

2023年10月23日 月曜日

補欠選挙

 今日は二つの補欠選挙の投票が行われた。
 英語ではby-electionと言う。総選挙の合間に起きた空席を埋めるための選挙を指すのが語源のようだ。

 二つとも与野党対決の構図になったが、いまこの記事を書いている時点では(21:25)野党が高知/徳島補選で勝った。長崎はまだ判明していない。

 高知/徳島は合区という特殊性がある。今回は与野党ともに高知出身の候補で争われ徳島の住民の関心は極めて低いようだ。投票率は30%に届かないという見方もある。長崎の投票率も最低を更新しようだ。

 投票率の低さは、住民が政治に満足し「鼓腹撃壌」しているわけでは無い。どうせ投票しても変わらないという期待値の低さの現れだ。

 今回の選挙結果が、与党野党の一勝一敗になるのか、〇勝二敗になるのかまだわからないが、岸田政権には逆風が続きそうだ。

 円安由来の輸入物価上昇によるコストプッシュインフレは政策で解決が可能であり、少額の所得減税や補助金のバラマキというポピュリスト政策よりましだ。

 いい加減に日本の政治が変わるきっかけになって欲しい。

2023年10月22日 日曜日

山陰紀行

以前から、定点観測的に、日本の地方にある観光地を巡っている。コロナ禍でしばらくできなかったが、今回久しぶりに山陰に旅行したのでレポートしたい。

日程:2023年10月15日(日)ー10月18日(水)

一日目:10月15日(日)
【往路航空便】
ANA725便 羽田発8:45 石見着10:20
プレミアム席に初めて搭乗
飲み物のセレクション多く美味しい軽食も出た。快適。

【レンタカー】
トヨタレンタカーを楽天トラベルで申し込んだらトヨタカードを出しても10%引きにならない。
トヨタアクアを18日まで借りる。一度名古屋で運転したことあり運転は大丈夫。

【津和野】
山陰の小京都と言われる。以前から訪れたかった街だ。
・太鼓谷稲荷神社 赤い鳥居が続く。社は山の上で街の一部を見下ろす。
・津和野城址 リフトで上がるが本丸まではさらに20分歩くので
       途中見晴らしの良い場所で引き返す。
       赤い色の「石州瓦」屋根が揃う街並みが統一感があり美しい。
       日本の他の都市では何故こんな風に出来ないのだろうか。
・市内中心部 「沙羅の木」というレストラン・お土産屋・喫茶店の
       駐車場を利用。
       うずめ定食を頼むが一つだけ出てもう一つは
       なかなか出来ない。お婆さん4-5人でレストランを
       まわしていたがとても混乱していた。
       「殿町通り」有名な鯉の泳ぐ通りだ。
        長さ100mほどでやや拍子抜け。
       「津和野カトリック教会」
        綺麗なかわいい教会。畳敷きが珍しい。

        殉教者の資料館を併設。
(感想)
 日曜だが観光客は多くない。
 「沙羅の木」は混雑していたが、一つ道を挟むと人影はまばらだ。
 駅前から太鼓谷神社へ向かう中心道路はシャッター下りた店多い。

【萩】
明治維新の起爆剤となった都市。
・松陰神社 吉田松陰を祀る。
      境内に松下村塾あり、松陰が講義をしたという8畳間が
      残っている。
・吉田倉三 私は神奈川県立横須賀高校の卒業だが、在学中初代校長が
      松陰の甥の吉田倉三だと何度も聞いた事がある。
      いまWikipediaで調べたら、旧制神奈川第四中学(現横須賀
      高校の前に、鳥取第一中学(現鳥取西高校)、神奈川第二
      中学(現小田原高校)の校長を務めた教育者だったのだ。
(感想)
 松陰神社は松陰の偉業がよくわかる場所だが人出は多くない。
 萩城址は時間がなくパスした。

宿泊【大谷山荘】
今晩の宿泊は安倍ープーチン会談ですっかり有名になった大谷山荘。
食事は美味しい。
従業員は若い人が多くきびきびしたサービスだ。
温泉は加水、加温、塩素消毒しており、質の面では△だ。
大浴場は、露天、ジェットバス、ジャグジー、サウナがあり充実。
部屋の風呂は、単なる露天風呂で温泉ではないらしい。
部屋からの見晴らしは素晴らしかった。
里山の夕景と朝日を堪能した。

二日目:10月16日(月)
大谷山荘を9時出発。
【元之隅神社】
赤い鳥居が海から立ち並ぶフォトジェニックな観光地。
日本一入れにくい賽銭箱が鳥居の「額束」部分にある。
試行数回で無事賽銭箱に10円玉が収まった。
【途中】
石見銀山へ向かう途中、石見畳が浦とかによろうとしたが
全くの時間の読み違えとわかり、石見銀山へ直行した。
【石見銀山】
15時に「世界遺産センター」に到着。
銀山を巡るのは車で出来ないことがわかる。
「龍源寺間歩」までは駐車場から2.5Kmあるので諦め、大森地区の街並みの一部を眺める。

(感想)
石見銀山は2007年に世界遺産に登録されたときはブームだったと思われるが、いまは人影がまばらだ。
世界遺産センターの駐車場と、街の中の二つの駐車場と「間歩」と「街並み」を効率的につなぐ移動手段が必要だ。
また、近くの「温泉津温泉」も世界遺産指定されたようだが、全く知らなかった。指名度を高め宿泊客を獲得する努力が必要だろう。

宿泊【いにしえの宿 佳雲)
出雲大社の大鳥居から徒歩7分ほどの大変便利な宿。
共立リゾート経営だ。
部屋は離れで駐車場に面していたが静かだった。
大谷山荘同様に部屋の飲料はすべて無料だった。
食事は美味しかったが量が少し多かった。
温泉は大浴場が小さくやや物足りなかった。
部屋の露天風呂は温泉だがかけ流しではなかった。

三日目:10月17日(火)
朝8時半から出雲大社へ参拝。
【出雲大社】
10月の出雲は「神有月」、日本中の神様が出雲に集まって来られるそうで、参拝客も多いと本には書いてあった。
 以前団体ツアーで参拝したことがあったが、何も記憶に残っていない。
今回は大鳥居から入って神域を徒歩で一周した。まず、大国主尊の「むすびの御神像」があり、境内の神様の説明は神話時代に直結する。
古代の神々の勢力争いに思いを馳せ、「古事記」をしっかり読んでいなかったことを反省した。
 境内では、大しめなわと、絵馬とおみくじの多さに感動した。

11時に宿をでて松江に向かう
【宍道湖畔】
 松江までは宍道湖沿いの道をたどるが、眺望は開けない。
・宍道湖ふれあいパーク ビジターセンターあるかと思ったが何もない
・ミセスマーチン 湖畔にあり宍道湖の眺望がすばらしい。
         ランチを取り一服する。
【松江市】
人口は約20万人でこの地方の他を圧する立派な街だ。それでも日本の県庁所在都市としては47市中の44位だ。(45位山口市、46位甲府市、47位鳥取市で、山陰地方の都市の小ささがわかる)
松江に近付くと、付近には無い、立派にビル群に風格を感じる、

【松江城】
宿に車を停め、徒歩10分の松江城を目指す。
日本には国宝の城が5つあるが、その内の一つ松江城に登城できた。
既に、犬山、彦根、姫路は登城しているので残るは松本城だけだ。
黒と白のコントラストが美しい。
内部に入ると、柱の構造や、石落とし、鉄砲狭間がよくわかる。
望楼からは松江市の全体が見渡せる。
「興雲閣」という洋館も見学する。

【宍道湖遊覧船】
16時50分第一乗船所発のサンセットクルーズに乗船。
真に美しい宍道湖の夕日を堪能した。

(感想)
松江城には観光客が来ていたがそれほど混雑はなかった。
外国人観光客が少ない印象で、中国からのインバウンドが来ないと
東京や鎌倉のような観光客で一杯ということにならないのかもしれない。
インバウンドが少ない方が、我々はゆっくり見物出来てありがたいのだが。

宿泊【皆美館】
今回宿泊した中では一番旅館らしい旅館だった。
3階の部屋からは宍道湖大橋の見晴らしが良い。
対岸には山陰合同銀行の本店の威容が近い。
食事は料亭料理風でとても美味。
大浴場狭く、部屋の露天を楽しむ。
源泉かけ流しでとても良いお湯。

四日目:10月18日(水)
9時前に宿を出てカラコロ船着き場へ。
【堀川クルーズ】
松江城のお濠を約50分で一周するクルーズ。
船頭さんが操る平底船だ。
9時始発に乗ったら乗船客は10人ほど。
皆お城で下船したのでそれ以降は我々だけの貸し切りになった。
お濠にはいくつも橋が架かっているが
4か所船の天井を下げ乗客も思い切り頭を低くしないといけない場所があり面白い。
お城が見えるのはほんの短い間だが、塩見縄手を船上から見ることが出来る。

【京店商店街】
宿のすぐ近くに有名な商店街がある。お菓子の老舗あり。
「月ヶ瀬」という甘未喫茶に入る。
昔、横須賀に住んでいたこと「君が瀬」という甘未屋さんがあった。
「月ヶ瀬」は奈良出身の姓だそうだ。

宿を11時に出発。
【境港】
午後4時発の飛行機まで時間があるので境港へ足を延ばす。
・水木しげるロード 水木しげるが書いた妖怪の小さな銅像が
          並んでいる。
          水木漫画は私が子供のころはマイナーだったが
          いつ頃からブームになったのだろうか。
          NHKで「ゲゲゲの女房」という連続朝ドラを
          やっていたがそのころ大人気になったのだろうか。

(感想)
 松江はお城には観光客が来ていたがそれ以外は観光客は少なかった。
素晴らしい宍道湖の夕景、おいしい料理、出雲に近い地の利を使って
長期滞在型の海外富裕層を獲得できる材料に富んでいると思われる。
 境港は観光客はまばらだった。外国人に水木漫画がアピールする要素は
乏しいと思われインバウンドも期待できないのではなかろうか。

レンタカーを返したら少し早いということで1470円返金してくれた。
石見空港は小さかったが、出雲空港は地方空港としては大きく見えた。
鉄道では東京に来るのは不便でありJALが5往復飛んでいる。

【復路航空便】
JAL284便 出雲16:20発 羽田17:40着
     クラスJは取れず機内満席で疲れた。

【全体の感想】
 今回、津和野、萩、出雲、石見銀山、松江、境港と廻った。

 国内ではそこそこ有名な観光地だと思う。旅行には好適な
季節だと思うが、観光客の姿は多くなかった。
 特に外国人観光客は、出雲大社と松江でパラパラと見かけた程度だった。
今後は中国からではなく欧米富裕層の長期客を狙ってもらいたい。

 今回は日本旅館に3泊したが、食事の量が多くて困った。
またどの旅館も似たような献立だ。献立と量の工夫が必要だろう。

 松江城の近くの物産センターで買ったシジミの佃煮は
家に帰ってみたら原産地がインドだった。老舗の味と書いてあるが不適正な表示だろう。
改善が必要だ。

 津和野、萩、石見銀山、境港は、日本から旅行客の拡大(シニア富裕層のゆったり旅行、若者のエコツーリズム)を図るべきだろう。
 地元、行政、観光業会が一体となって今すぐに対応を考えないと、
廃業する旅館やお土産屋が続出するだろう。

 日本にはまだまだ素晴らしい観光地があるのでそれを活かす知恵と工夫が必要だ。

2023年10月21日 土曜日

世界の動き 2023年10月20日 金曜日

今日の言葉:
「良識」
 「良識」とは、物事を深く見とおすことができるすぐれた判断力のことを指す。具体的には、物事の「善悪」「正誤」「是非」などを見きわめて判断する能力のことだ。つまり、「良識」というのは偏りのない正しい判断ができる高い能力を指す。
 今、我が国や世界のリーダーに「良識」を望めるだろうか?以下Bloombergの記事が参考になりそうだ。
 『米ヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントの創業者ポール・シンガー氏は現在の世界情勢について、市場が織り込んでいるよりもはるかに危険であり、投資家はもっと心配すべきだと述べた。「世界は今、アルマゲドンの回避で指導者たちの良識に完全に依拠している」と同氏は発言。ロシアや中国、イランからどれほどの「良識」がもたらされるのかと疑問を呈した。また大規模投資家によるプライベートクレジット進出にも懸念を表明。「資金の一部は、実際には破たんしている問題企業に流動性を提供するために使われている」と語った。』

ニューヨークタイムズ電子版の三大トップニュース
1.国連とエジプトがガザ支援の基礎を築く
【記事要旨】
 国連の当局者は、エジプトからガザ地区に入る人道支援の合意に進展があったと語ったが、食料や医薬品がいつどのように届けられるかについての詳細は明らかにされなかった。
 イスラエルの要求に応じるため、国際監視団がガザに入る前に援助トラックを検査することになる。
 バイデン大統領によると、エジプトはガザへの援助トラック20台の進入を許可すると発表したが、その時期は不透明だ。 EU当局者は援助トラックがガザに入ることができるとの期待が高まっているという。
 ガザ保健当局は10月7日以降、少なくとも3,785人が死亡したと述べた。この数字には、ガザ市の病院爆発による死傷者が含まれている模様だ 。
 イスラエルの空爆により通信インフラや電力インフラに大きな被害が出たため、ガザ住民は外界や住民同士のコミュニケーションに苦労している。
 衛星画像によると、数百台のイスラエルの戦車と装甲車両がガザ北部に入るエレズ国境検問所から約4マイル北に集結している。 10月7日にハマスの攻撃以来、この検問所は閉鎖されている。
 米国上院は昨日、イスラエルに安全保障、外交、諜報支援を提供することを全会一致で約束した。 バイデン大統領は今日までにイスラエル、ウクライナ、その他の危機のために議会に1000億ドルを要求するとみられる。
【コメント】
 緊迫した状況が続き、ガザ住民の苦境が長引く。
 ところで成田ーテルアビブ間は週二回直行便が飛んでいるそうだ。

2.中国軍はさらに多くの核弾頭を追加
【記事要旨】
 中国は戦略核兵器の増強を続け、5月の時点で500発の核弾頭を蓄積している可能性が高いと国防総省は中国の軍事力に関する議会への年次報告書の中で述べた。これは昨年の推定よりも約100発増加した。 2030年までに1,000発以上の核弾頭を保有する予定であり、そのほとんどは米国本土を攻撃できる兵器用である。
 最も目を引く証拠は、昨年中国北部の砂漠に建設された3つのミサイルサイロ群である。 少なくとも一部の大陸間弾道ミサイルが搭載されていたと報告書は述べた。
 米国はまた、アジア太平洋地域における中国軍による過去2年間の「威圧的かつ危険な」航空迎撃を記録しており、その中には米軍機に10フィートまで接近したものも含まれている。
【コメント】
 中国の軍備増強は世界の攪乱要因だ。日本でも核武装の必要性が検討される時期が早晩訪れそうだ。

3.ウクライナ経済は戦争に適応
【記事要旨】
 ウクライナ経済には、緩やかではあるものの回復の兆しが見られる。
 昨年のロシアの全面侵攻後、経済は3分の1縮小したが、今年は推定3.5%成長すると世界銀行は予測している。 この拡大は国内支出の増加によって推進されており、海外からの資金援助の安定した流れによって支えられている。
 経済学者らは、ウクライナ経済が戦前の水準に戻るには何年もかかるだろうとしており、激しい戦闘が続く中での見通しは不確実になるはずだという。 それでも、地元のアナリストや実業家らは、約20カ月にわたる戦争を経て、回復力と相対的な安定感が定着したと語る。
【コメント】
 戦時経済の影響はロシアのような大国でより、攻撃された小国で大きく出るのがわかる。
 すっかりウクライナのことは忘れてしまったが、日本は岸田総理がウクライナ訪問をして何を約束したのだったろうか。

その他:
・トランプのジョージア州選挙訴訟に向かい風
 Sidney Powell, a member of Donald Trump’s legal team in 2020, pleaded guilty in his Georgia election case and agreed to cooperate with prosecutors.
・ハリケーンの勢力増加速度
 Hurricanes in the Atlantic Ocean are now twice as likely to grow from a weak storm into a major one within just 24 hours, a study found.
・韓国の抗議活動は文化的な試金石
 韓国人にとって、街頭で不満を訴えることは、ほとんど国民的な娯楽となっている。
 しかし、ソウルでの最近の抗議活動は、指導者をめぐって国がますます二極化していることを明らかにした。 右側の教会の信者や高齢者は「ユン・ソクヨル大統領万歳!」と叫び、「私の年齢は何が悪いの?」など、高齢者向けのポップスタンダードに合わせて歌っている。 —数日後、若い進歩主義者たちが「ユン・ソクヨルとともに出て行け!」と叫ぶのが続くだろう。
 このような集会は、1980年代の韓国の民主化に向けた困難な行進の最中に生まれ、多くの場合石や焼夷弾、さらには盗んだライフルで武装した大規模な群衆が機動隊員、戦車、空挺部隊と衝突した。 最近のデモは通常、一部はロックコンサート、一部は復興集会であるが、規模と激しさが増大すると、政治的嵐の到来を告げる可能性がある。

2023年10月20日 金曜日

世界の動き 2023年10月19日 木曜日

今日の言葉:
「日銀の金融政策」
 世界各国が金融引き締めを行ってきている中で日銀の緩和政策は異常だ。さすがに変わるのではないかと言うBloombergの記事。
『元日本銀行審議委員の桜井真氏は、日本の実体経済が改善を続け、物価上昇の持続性も高まりつつある中、日銀は年内にもマイナス金利政策を解除する可能性があるとの見解を示した。
 物価上昇率が高止まりし、日銀が超低金利政策を継続する下で、日本の実質金利は先進国の中で最も低くなっていると説明。「過剰な金融緩和から実体経済の変化に対応した適切な緩和政策に戻す必要がある」とし、マイナス0.1%の短期政策金利をゼロ%に引き上げることを具体策として挙げた。』
 桜井氏は安倍晋三政権当時の2016年4月に日銀審議委員に就任し、黒田東彦前総裁の下で21年3月末まで務めた。
 元審議委員の発言を取り上げた、ゼロ金利解除のアドバルーン記事だが、簡単に進むとは思えない。大型補正で経済対策をすると与党は主張しているのだから。

ニューヨークタイムズ電子版による3大ニュース
1.バイデン氏、病院爆発事件はパレスチナ人団体を非難
【記事要旨】
 イスラエル訪問中のバイデン大統領は昨日、ガザ市の病院で起きた500人近い死者を出した爆発はパレスチナ戦闘員によって引き起こされたことを米国情報機関が示したと述べた。
 米国家安全保障会議の報道官は、「上空からの画像、傍受、オープンソース情報の分析に基づく我々の現在の評価は、イスラエルには責任がないということだ」と述べた。
 パレスチナ当局者はイスラエルによる空爆を非難した。 イスラエル国防軍は、爆発はハマスと同盟関係にあるパレスチナ・イスラム聖戦組織が誤って発射したロケット弾が原因だと発表した。 どちらの側の説明も独自に検証できておらず、正確な死者数は不明である。
 バイデン氏はガザとヨルダン川西岸の民間人を助けるために米国から1億ドルの援助を発表し、エジプトから食料、水、医薬品を届けることをイスラエルが約束したと述べた。
 ガザが直面している人道危機に参加しているとデモ参加者が主張する国々の大使館や領事館に反抗的な群衆が中東の都市で押し寄せた。
【コメント】
 病院爆破の真相は藪の中だ。バイデン発言は米国がイスラエルの肩を持つことをアラブに認識させ、米国の仲介者としての立場を困難にするものだ。大国の思惑はどうであれ、確かなのなのは多くのガザ市民が病院でも安息を得られないという悲劇だ。

2.プーチン大統領、北京でスター待遇を受ける
【記事要旨】
 昨日の一帯一路フォーラムでは、習近平氏がロシアのプーチン大統領を主賓として扱い、両首脳は3時間にわたって会談した。
 プーチン大統領は習氏との会談の冒頭、同氏の言う「現在の困難な状況」を踏まえ、中国とロシアは外交政策をより緊密に調整する必要があると述べた。 プーチン大統領の訪問はまだ中国との新たな経済協定をもたらしていないが、ロシア指導者は彼を孤立させようとする西側諸国の努力にもかかわらず、世界的な仲介者としての地位を示すことができた。
 対照的な2つの訪問:バイデン大統領のイスラエル訪問に合わせて行われた北京での習・プーチン会談は、ロシアのウクライナ侵攻によって世界の政治情勢がどのように塗り替えられたか、そしてその変化がガザ戦争でどのように全面的に表れているかを示した。 ロシアと中国はハマスを非難することを拒否し、代わりにパレスチナ人に対するイスラエルの扱い、特にガザ地区での断水と電気の遮断の決定とそこでの民間人の死者数を批判した。
【コメント】
 ロシアは自国の戦争責任を回避し、あたかも世界の新秩序を創り始めているように印象付けしようとしている。
 中国は一帯一路の成功を喧伝しておりロシアの裏庭に手を伸ばしている。本来は、中露の利害が対立する局面なのに、笑顔で協調を演出している。どこまで狐とタヌキは仲良くできるのだろうか。
 現状は、中国、ロシア、さらにイランが強調し西欧への対立軸が出来ている。日本はG7の中で唯一のNATO非加盟国だ。その立場を使って独自外交を期待したい。

3.ウクライナの兵器庫に新たな兵器が登場
【記事要旨】
 ウクライナは火曜日、新たに米国から供給されたATACMSとして知られる長距離ミサイルを使用し、ロシア占領地域にある2つの空軍基地を攻撃した。 特殊作戦部隊によると、この攻撃で滑走路が損傷し、ヘリコプター9機、対空ミサイル発射装置、弾薬庫が破壊された。
 昨日、プーチン大統領は、新型兵器は「ウクライナの苦しみ」を長引かせるだけの米国の誤りであると述べ、新型兵器は「かわす」のが簡単だと付け加えた。 しかし、ロシアの軍事ブロガーらは、射程距離がわずか100マイルという限られたミサイルの初使用による壊滅的な影響を指摘した。
【コメント】
 米国はイスラエル問題に多くの時間を取られ、ウクライナへの支援の先行きには疑問符がつく。しかし今現在は、新兵器の試験場としてウクライナの戦場が使われている。

その他:
・中国への技術流出阻止
 Intelligence chiefs from the U.S. and its allies vowed to do more to counter Chinese efforts to steal technology, which are increasingly trained on Silicon Valley.
・草間彌生さん謝罪
 The Japanese artist Yayoi Kusama has apologized for racist comments in her 2002 autobiography “Infinity Net.”
・美術品の流出を防ぐ
 The British Museum unveiled a $12 million project to plug holes in its records and its online catalog to prevent theft of artifacts.

2023年10月19日 木曜日