地元の書店に頻繁に行く。どんな本が今読まれているのか書架を見るのは楽しみの一つだ。一昨日、「世界」が入荷したとの連絡があったので行ったのだ。
私が学生の頃は、世の中を左から見る「世界」と右から見る「自由」という雑誌がよく読まれていた。「自由」は2009年に休刊し、「世界」は刊行が続いているが、殆どの書店には今は置かれていない。それで私は書店に頼んで取り寄せてもらっているのだ。
書店に行き、現在発行されている総合雑誌をみた。「中央公論」「文芸春秋」「正論」「月刊HANADA」があった。私が現在読んでいるのは「世界」と「中央公論」だ。
私は個人的には、自分は中道右派。保守的な人間だと思っているので、久しぶりに「正論」(「今こそ日台関係」という見出しに惹かれた)を買って帰った。本当は「諸君」を買いたかったのだが、書店になかった。「月刊HANADA」は見出しでをみて読む気が起きなかった。
今日、「正論」を開き、驚いた。カラーグラビアが「皇室歳時記」「ますらおの歌」「靖国神社崇敬奉加会案内」であった。
本文内には、渡辺利夫教授の、「『一つの中国』に騙されないために」、磯部晃一氏の「日米2+2に見る日本の意気込みと課題」という示唆に富む論考があった。他の論考の多くは産経新聞記者やOBの論考が多かった。
全体を通じて驚いたのは、岸田首相の外交政策、宏池会、林外相、への批判を色濃く感じたことだ。林外相については、自民党議員のYouTubeで、「親中派」「中国のハニートラップにかかり弱みを握られている」を暗喩するものがあった。
前に述べたが、私は「世界」と「中央公論」を読んでいる。「月刊HANADA」や「正論」(今回そう思った)は読む気がしない。「正論」や「月刊HANADA」を読む人は「世界」や「中央公論」は読まないだろう。日本のメディアでもこれだけ色合いが違い、読者は自分の嗜好に合ったものしか読まないであろう。みんなが納得する世論の形成は難しいと痛感する。
槇原敬之の歌に「もう恋なんかしない」があり、その一節に「いつもより眺めの良い左に少しためらってる」というのがある。
前に述べたように、自分では中道右派保守だと思っていたが、世の中的にはかなり左に来ているようなのだ。
(2022.2.12 Saturday)