世界の動き 2022.1.17 Monday

N.Y. Times 電子版より

1.ジョコヴィッチ(Djokovic)、オーストラリアの裁判で負ける
【記事要旨】
 この件は日本のメディアで何度も大きく取り上げてので、裁判所がジョコビッチの申し立てを認めず、ジョコビッチは日曜夜に豪州を離れたことは皆さんご存知ですね。
【面白い表現】
 President Aleksandar Vucic (日本語ではアレクサンダル・ヴチッチ)blasted Australia’s legal process as “Orwellian” and said Djokovic would be welcomed home.  オーストラリアの法律手続きがジョージ・オーウェル的だ、というのはとても文学的な表現で感心しました。
 Some legal experts called for changes to the immigration minister’s “godlike” powers. 豪州内でもこんな意見もあるらしい。

2.ロシア、西側諸国、そしてウクライナ
【記事要旨】
 外交交渉での進展がなく、ロシアはウクライナへの圧力を強めている。
 ウクライナを包囲する10万の兵力だけでなく、ウクライナ国内で反政府の動きをひそかに進める部隊や、ウクライナへのサイバー攻撃がすでに盛んにおこなわれている。
 米国内ではトランプ支持者がアフガンでのバイデン政府の失敗をあざけっている。西側諸国は結束してロシアの拡大を阻止すべきだ。
【感想】
 ウクライナ問題の落としどころは本当に難しく、下手をすると第三次世界大戦の引き金になりかねない。
 私は個人的にはロシアの言い分にかなり部があると思う。
・ウクライナの東部3州はロシア人の比重が高く、ロシアの、自国民を保護する、という名目に説得力がある。
・ロシアの暴挙として挙げられるクリミアの併合も、そもそも、クリミアの帰属がいい加減に決められたことが発端だと言われる。ソ連邦内に位置するクリミア半島がロシアに帰属するかウクライナに帰属するか、当時絶対的な権力者だったフルシチョフが、自身がウクライナ出身だったのでウクライナに帰属させたと言われる。だとすると、ロシアの暴挙という言い方はどうかなと思われる。
 このようなロシアの考えに配慮せず、ウクライナにロシアが軍事行動に出た際に(出る可能性が高いと思う)、対抗して経済封鎖はいいが、ウクライナ軍を西側諸国が軍事的に支援すれば第三次世界大戦の引き金になりかねない。
 ではどういう解決策があるかと言われると、「ない」と答えざると得ないところがつらい。

3.カンボジアのデジタル規制
【記事要旨】
 すべてのインターネット通信は政府のポータルを経由しなければならない規制をカンボジアで政府は導入した。
 中国的な公権力による規制で、表現の自由は失われる恐れがある。
【感想】
 東南アジア諸国の多くが「中国的民主主義」の傘下に入りつつある。
 Cambodia’s legal process is Orwellian. ということですね。

(2022.1.17 Monday)