The Harder You Work, the Luckier You Get. (その2)

オリンピックのアスリートになるには20000時間の練習が必要、とか、「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」という宮本武蔵の言葉を紹介したところ、読者の方から質問が来た。

私のブログの読者には内部監査やリスク管理担当の方、CIAの受験を目指している方が多いが、この方はCIAの受験を目指している方のようだ。

質問の趣旨は「CIA試験に合格したいが20000時間もかけるわけにはいかない。どうしたらよいか?」というものだった。

ご存知の無い方に簡単にCIA(公認内部監査人)の試験について概説すると、試験は以下の3つのパートに分かれている。
Part 1: 内部監査に不可欠な要素(基準や原則の理解)
Part 2: 内部監査の実務(実施の仕方)
Part 3: 内部監査のためのビジネス知識

各科目の80%が出来れば合格と言われ、合格率は約30%。通常、各科目で合格点を取るためには200-300時間の勉強が必要だと言われる。200時間X3科目=600時間 一日2時間勉強に時間が割けるとして300日が必要である。「鍛」の3分の1ぐらい。勤め人にはなかなか捻出するのが難しい。

どうすればよいか?
ゴルフでプロになるのは難しいが、100を切るのはそれほど難しくない。月一ゴルファーにも可能な目標だ。
まず、ドライバーが大体まっすぐに飛んでフェアウェイをキープしたい。次に、グリーンの100ヤードまで来たら寄せがぴたりと決まると嬉しい。更には、パットは3パットはしないレベルになる。こうして、ドライバー、グリーン周り、パットという3つのスキルに自信が持てれば、100を切るのは簡単だ。

内部監査で考えよう。ゴルフの3つのスキルに相当するのは何だろうか。内部監査の対象は、ガバナンス、リスク管理、コントロール(内部統制)である。であるとすれば、この3つの分野への知識を収め自信を深めることが出来れば、テストに合格する可能性が高まる。

しかも、これらの分野は、CIAを目指している人なら、毎日仕事で接している分野であるから、仕事をすることが即ち受験勉強になるはずで、仕事の自信を深めることが、即ち受験の自信を深めることになる。

プロになるとかオリンピックに出るのでなければ、あるレベルへ達するのは短時間で効率的なアプローチがある。

短時間でもThe Harder You Work, the Luckier You Get.であるのは間違いない。幸運を祈りたい!

(2020.9.13)