世界の動き 2025年2月19日 水曜日

今日の一言
「優先順位」
 八潮市の下水管破裂による陥没事故については続報が少なくなったが、老朽化した下水道が消え去るわけでは無い。高度成長期に整備されたインフラの全てが更新の時期を迎えている。
 こうした際に聞かれるのは、そのための財源が無いという言い訳だ。
 一方、有権者の目につきやすい高校の無償化が私立高校にまで拡大されている。多子家庭の大学の学費補助、地方自治体独自の学費や生活費の支援策も盛りだくさんだ。
 国会の予算審議ではばらまく金額の多寡の議論ばかりで、そもそも限られた予算を何に振り向けるかと言う議論は聞こえてこない。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.アメリカとロシア、ウクライナ問題と関係の再構築について協議
【記事要旨】
 米国とロシアの高官は昨日、ウクライナ戦争の終結に向けて協力するだけでなく、金融投資と関係の正常な再構築でも協力することに合意した。
 サウジアラビアで行われたこの会議は、2022年のロシアのウクライナ攻撃後の西側のロシ孤立化させる努力と、米露関係を目まぐるしくリセットするものだ。 トランプ大統領は、ロシアへの制裁、孤独化、ウクライナへの武器供与を撤回する姿勢を示してきた。
 記者団に対して、米国主導者はロシアのウクライナ攻撃の国際法違反、告発されている戦争犯罪、ロシアの砲撃と爆撃によってもたらされたウクライナの荒廃については語らず、トランプの取組を称賛した。
 その他の議題: ロシアは、利益と資源に対するトランプ氏の関心に応え、米国の石油会社などがロシアで再びビジネスを行うことで数千億ドルの利益を得る可能性があると主張した。
 ゼレンスキー大統領は、ウクライナが交渉に招待されなかったので、自身のサウジアラビア訪問を延期した。

トランプ氏についてさらに詳しく
・ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、保健福祉省の職員に対して、小児用ワクチンや精神科の薬も含めて課題は無制限だと話した。社会保障長官は、イーロン・マスク氏の効率化チームが数百万人の米国人の個人情報へのアクセスを求めた後に辞任した。
・CIAはフェンタニルの研究所を探すためメキシコ上空での秘密のドローン飛行を強化した。
・専門家は、トランプ大統領の保健福祉省への予算削減により、新たなパンデミックが発生した場合、米国人がより大きなリスクにさらされる可能性があると指摘している。
・ホワイトハウスは米国の学校に対して、助成金、雇用、その他のさまざまな活動で慎重を期すると警告した。
・何百人もの米国人アーティストが多様性「ジェンダーイデオロギー」に対するトランプ大統領の制限を撤回するよう芸術基金に要請した。
・トランプ政権の発表によって市場が不安定になる中、一部のテクノロジー企業は上場を延期している。
・ユタ州の中道右派政治家たちは、MAGA政治に対するモルモン信者の嫌悪感に支えられ、より穏やかで礼儀正しい共和主義を主張しようとしている。
・トランプ大統領の元ホワイトハウス首席戦略官、スティーブ・バノン氏はマスク氏を「寄生的な不法移民」と呼び、マスクとの確執を再燃させた。
【コメント】
 トランプの前のめりの姿勢はロシアを利するだけのように見える。戦闘をすぐ止めなければ倍返しするという姿勢が望まれるのだが。

2.ハマスはイスラエル人人質の遺体を返還すると発表
【記事要旨】
 ハマスの首席交渉官は昨日、パレスチナ人囚人の解放と引き換えに、明日イスラエル人人質4人の遺体をイスラエルに引き渡すつもりだと述べた。同氏とイスラエル首相府はまた、土曜日に解放予定の生存人質の数が3人から6人に増えると述べた。
 ハマスの交渉官は、世界的に最も有名な人質の一部であるビバス家のメンバーが、明日イスラエルに引き渡される4体の遺体に含まれると述べた。イスラエルはこの発表について確認もコメントもしていない。
 レバノン:イスラエル軍は昨日、イスラエルとヒズボラの双方が同地域から撤退する期限が過ぎたため、南レバノンの戦略的国境地点を制圧した。
【コメント】
 予定通り人質の解放は進んでいるようで、停戦は継続している。

3.米国からの返送移民はパナマに閉じ込められている
【記事要旨】
 トランプ政権は先週、アフガニスタン、イラン、中国からの数百人の移民をパナマに送り込み、武装した男たちが警備する一軒のホテルに閉じ込めた。パナマ当局が彼らの今後を決めることになる。
 ​​政府はジャーナリストをホテルから締め出したが、同僚たちはホテルに閉じ込められた数人と電話で話すことができた。彼らは恐怖と不安、自殺を図った強制送還者や、故郷で死が待っているのではないかと恐れた人々について語った。
【コメント】
 この辺の報道は日本では聞かれない。数万人の単位でこういう状況に置かれる移民が増加するだろう。

その他の記事
バチカン:
 フランシスコ法王は両肺に肺炎を発症し、健康上の問題のため週末の活動には参加しない、とバチカンは発表した。
ニューヨーク市:
 キャシー・ホックル知事はエリック・アダムズ市長の解任の可能性を提起し、今後の方向性について市の指導者らと会談した。
スーダン:
 スーダンの破滅的な内戦で権力を争う準軍事組織ラピッド・サポート・フォースは、分離政府を樹立する計画を発表した。

日本:沖縄の住民は沖縄の米軍基地を戦争と植民地主義の遺産とみなしているが、若い世代は中国の脅威も懸念している。

2025年2月19日 水曜日