PwCの2023内部監査全世界調査報告(備忘的メモ)

 41ページに及ぶ報告書だが、結論は5つのトレンドに関する考察に集約される。5つのトレンドと⇒のあとにそれらが内部監査にとって意味するものを以下に示す。( )内は私の感想だ。

1.メガトレンドが複雑で相互に絡み合ったリスクを作り出している。
 ⇒内部監査はその独特の位置づけにより、課題に対応し、新たな方向性、ひいては新たな機会を見出すに際して必要な自信を企業に与える存在になることが出来る。(ものすごい期待だが、これに応えるのは大変だ)

2.内部監査が意味のある存在であり続けるためいは、戦略的分野により多く関与する必要がある。
 ⇒内部監査は、ステークホルダーへのエンゲージメントの在り方を変えることにより、新たな戦略的価値を提供する存在になることが出来る。ステークホルダーから「対話の質は高く、頻度も高い」という評価を得なければならない。これが出来ない場合は、その存在価値を失う恐れがある。

(ステークホルダーそれぞれで期待は異なり、エンゲージの仕方も違うので、これも過大な期待だ)

3.内部監査は求心力になることが出来る。
 ⇒内部監査は、企業全体の専門的知識を結集させ、同じ方向を向いた、強固な管理姿勢を共に作り上げることが出来る。

(これは3線のコアとして1線、2線の部門とのハブになることは可能そうだ)

4.内部監査における「人間特有の能力(human superpowers)」がこれまでになく重要になる。
 ⇒内部監査は、データに基づいた意思決定を行い、新たな関係を構築し、リスクン関して異なる視点を他の関係者に対して提供することが出来るよう、人材の能力向上に継続的に取り組まなければならない。

(現在の内部監査人は、「戦略的な考え方」や「建設的に異議を唱える能力」についての経営層からの評価は低そうだ)

5.テクノロジーに対するアプローチを変更することによって投資対効果を高めることが出来る。
 ⇒内部監査は、テクノロジーに対するアプローチを見直し、テクノロジーの能力を最大限に活用するために、テクノロジーの進化に乗り遅れないように、他部門と連携して行く必要がある。

(連携しなければ、内部監査が自分たちだけで何とかしようというのが無理な相談だろう)

2024年2月11日 日曜日