人間国宝

 今朝の日経新聞に「人間国宝新たに12人」と言う記事がある。これまで人間国宝について考えたことが無かったので、考えてみた。
 まず、人間国宝とは何か。Wikipediaによれば、「人間国宝は、日本の文化財保護法第71条第2項に基づき同国の文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者として各個認定された人物を指す通称である。文化財保護法には「人間国宝」という文言はないが、重要無形文化財の各個認定の保持者を指して人間国宝と呼ぶ通称が広く用いられている。」とある。
 学研の子供用辞書では「人間国宝:重要無形文化財として指定された,無形の「わざ」を最高度に体得している人のこと。重要無形文化財保持者の通称。おもに雅楽・能楽・文楽・歌舞伎などの芸能関係者と,織物・染色・陶芸・蒔絵・金工などの工芸技術関係者にあたえられる。」とあり、わかりやすい。

 新たに選ばれた12人の分野は、以下のとおりだ。
 ・能ワキ方
 ・宮薗節三味線●
 ・古典落語〇
 ・首里の織物●
 ・長坂中形●
 ・能シテ方
 ・狂言
 ・人形浄瑠璃文楽人形
 ・歌舞伎脇役〇
 ・琉球古典音楽●
 ・木工芸〇
 ・竹工芸〇

 自分がいままでに見たことがあるものに〇をつけた。名前を聞いてもわからないものは●だ。その他は、聞いた事はあるが見たことは無く、おぼろにしか理解していないものだ。

 これまで、経済だ、運用だという世界で生きてきて、我が国の重要文化財について何一つ知らないのを恥じる次第だ。それと共に、このような文化・伝統を誰が引きついでゆくのか、日本の現状はとても心もとない。人間国宝には国から年間200万円の補助が出るそうだが、とても経済的には割の合わない仕事ではないか。

 技術と言う観点では、大田区の町工場のヘラ絞りの技術が先端ロケットに使われているという報道があった。このような高度な技術を持つ人たちも中小企業で経済的には大企業の労働者に比べて恵まれないようだ。

 技術が正当に評価され、それが経済的にも報われる国家の在り方が問われている。金融で言えば、クラウドファンディングなどをもう少し工夫して出来ないかと考える。

2023年7月22日 土曜日