世界の動き 2023年5月17日 水曜日

今日の言葉:
「米国の債務上限問題」
 Bloombergの記事より
『米債務上限問題を巡り、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長ら議会指導者が今月2回目の会談を行った。マッカーシー氏は会談後、合意には依然程遠いと語った。ただ、今週末までに合意に至る可能性はまだあるとも述べた。バイデン氏はG7広島サミット出席後に予定していたオーストラリアとパプアニューギニア訪問を取りやめ、債務上限を巡る共和党との協議に戻る。関係者によれば、17日に日本に向け出発するが、G7サミット閉幕後の21日に米国に戻る』
 これまでは期限までには解決するのが通例だったが、今回は共和党は強硬そうだ。一時的にせよ米国債がデフォルトすると市場への打撃は大きい。
 ファンドマネジャーとしては思案のしどころだ。債券も株式も下がるだろう。市場価格の無い私募債や非上場株にはプラスだ。
 大量の資金の持っていき場所が無いので優良株には打撃は少ないだろう。Pick the best, leave the rest. かな、と思うのだが。

ニューヨークタイムズ記事より
1.ウクライナ、大規模なミサイル攻撃を阻止
【記事要旨】
 ウクライナ当局者は、キエフに向けられた極超音速キンジャールミサイル6発を迎撃したと発表した。 もしそれが確認されれば、ウクライナがロシアの最も洗練された兵器の一つを撃墜する能力があるという証拠となる。
 この攻撃は、ロシアによる3月以来最大規模の空襲の一つだった。ウクライナは、ロシアがキエフに向けてキンジャールミサイルと無人機を発射したが、ミサイルはすべて撃墜されたと述べた。 ロシアは、ミサイル1発が米国製パトリオットシステムに命中したと発表した。
 開始以来15か月にわたるロシアの戦争を悩ませてきた資源の不足、防衛の組織の乱れ、隊列の不一致という問題は悪化している。
 ロシア軍は、昨年以来、600マイルに及ぶ前線に沿ってほぼ停滞している。 最近、ウクライナ東部バフムット近郊の陣地から後退しており、ロシア国防省によると、大佐2名が戦闘で死亡した。 そして、ウクライナの待望の反撃はまだ始まっていない。
 それでも、プーチン大統領の決意は、何年も続く可能性のある戦争に備えていることを示している。ロシアの権威主義体制では、指導者の政策が国民の同意を得る必要はないと専門家は言う。
その他のアップデート:
 ウクライナのファーストレディ、オレナ・ゼレンスカ氏はソウルで韓国のユン・ソクヨル大統領と会談し、非致死的援助を要請した。
 アフリカ6カ国の首脳らは戦争終結に向けた協議のためモスクワとキエフを訪問する予定だ。
【コメント】
 ウクライナの反転攻勢はロシアの「終わりの始まり」になるのだろうか。

2.カンボジア反政府勢力のさらなる挫折
【記事要旨】
 カンボジアは、フン・セン首相の与党に対する唯一の主要野党の資格を剥奪した。 38年間政権を握ってきたフン・セン氏は、7月28日に予定される総選挙後に長男が後継者となるための基礎を築いている。
 フン・セン氏は法廷、選挙操作、脅迫、そしてクーデターを通じて権力を保持してきた。 今年2月には、カンボジアで批判的な報道を提供する数少ない報道機関の1つであるVoice of Democracyを閉鎖した。 3月には、最大野党政治家ケム・ソカ氏に27年の自宅軟禁の判決が下された。
 2018年の選挙前に裁判所が主要な挑戦者を解散させた後、フン・セン党は現在、国会の全125議席を保持している。 今回、国家選挙管理委員会が7月の選挙に向けて承認したのは、フン・セン氏と同調する政党とあまりにも無名な政党のみだった。
【コメント】
 カンボジアの状況は、正直、まったく知らなかった。ミャンマーの軍事政権もひどいがカンボジアも同じ状況だったのだ。
 カンボジア、ミャンマー、ラオスという地域は我々になじみがないし報道も少ない。タイの発展は民主主義の成功の証に見えるが、軍事政権も現れる。ベトナムは目覚ましく発展しているが共産主義国家だ。経済成長と政治の自由度の関係は簡単に説明できないようだ。

3.EVのバッテリーにおける中国の優位性
【記事要旨】
 西側諸国が数十億ドルの投資をしているが、中国は電気自動車用バッテリーの製造においてはるかに進んでおり、世界の他の国々が追いつくには数十年かかる可能性がある。
 リチウムイオン電池生産の各段階での中国の優位性は次のとおりだ。
 鉱業:中国は、電池の製造に必要な必須の希少鉱物を安価かつ安定的に供給できるようになった。 コンゴ民主共和国の鉱山を所有することで中国は世界のコバルトの 41 パーセントを支配している。また、インドネシアへの投資により、中国は2027年までに最大のニッケル管理国になるだろう。
 精製: ほぼすべての鉱物が精製のために中国に輸送される。 中国企業は安い土地とエネルギーで政府から支援を受けており、より大量かつ低コストで鉱物を精製できる。
 部品: バッテリーに使用される部品のほとんどは中国で製造されている。同社は最近、電池の陽極のより安価な代替品に投資し、これらは市場の半分を占めている。
 組み立て: 中国は最も多くのバッテリーと最も多くの自動車を製造しています。 人件費が安く、製造業者も多く、同国は北米や欧州の他国の半分近くのコストで電池工場を建設できると専門家はいう。
【コメント】
 最大の中国の強みは「資源」が自国内にあることかと思ったのだが、コンゴやインドネシアで鉱山開発をしていたとは知らなかった。先見力と大胆さがある証拠だ。代替品を見つけない限りEVシフトを一辺倒に進めるのは中国を利することになる。

その他:
スーダンからの難民
 Tens of thousands of people have fled growing violence in Darfur since the conflict in Sudan began. Many are now in Chad, where camps are growing.
トルコで野党候補が苦戦
 The political opposition in Turkey faces an uphill battle to defeat President Recep Tayyip Erdogan in a runoff on May 28.
マスク後の日本で笑顔のコーチ
 Many Japanese people who are unmasking after three years find that their facial expressions are a bit rusty. So some have recruited a smile coach. A one-hour session draws on yoga and emphasizes strengthening the zygomatic muscles, which pull the corners of the mouth.

2023年5月17日 水曜日