世界の動き 2023年5月18日 木曜日

今日の言葉:
「CDS」
 Credit default swapの略称で日本語読みはクレジット・デフォルト・スワップ。クレジット・デリバティブの一種で、企業の債務不履行にともなうリスクを対象にした金融派生商品。対象となる企業が破綻し金融債権や社債などの支払いができなくなった場合、CDSの買い手は金利や元本に相当する支払いを受け取るという仕組み。(野村証券)
 と言うことは、クレディ・スイスの債券は当然保護されると思っていたら、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場を監督するクレジットデリバティブ決定委員会(CDDC)は、クレディ・スイス・グループが発行したその他ティア1債(AT1債)が無価値とされたことについて、CDSの発動対象とはならず、損失の補償支払いは発生しないと決定した。
 発動が認められると見込んでいたヘッジファンドのフォーシックススリーやダイアミターなどには打撃となる。
 それはないだろうと思うのだが。誰もCDSを買わなくなる。

ニューヨークタイムズ記事より
1.G7で見るべきもの
【記事要旨】
 G7サミットが本日日本の広島で開幕し、主要7カ国民主主義国の指導者らが世界経済の安定を維持する方法について話し合う。 彼らはまた、世界的な不確実性が非常に高い時期に外交関係を強化することにも焦点を当てるだろう。
  「ウクライナ戦争をどう終わらせるか、そして中国にどう対処するか」が主要テーマだと見られる。
 しかし、最も差し迫った潜在的脅威は、米国の混乱かもしれない。米国があと2週間で債務不履行を起こせば自国経済と他のG7諸国の経済に衝撃を与えるだろう。
 サミット出席のため日本を訪問中のバイデン大統領は債務問題に対処するため、パプアニューギニアとオーストラリアへの訪問をキャンセルした。 米国が最近になって信頼と勢いを再構築し始めたばかりの同地域で、米国の信頼性の低さの恐怖が復活するだろうとアナリストは警告する。
 パプアニューギニアでは治安当局者1,000人を緊急動員し訪問に備えたがキャンセルされた。
【コメント】
 G7は今回盛り上がっているように見えるが、日本が開催国であることが主因だろう。
 私の関心は、岸田首相が世界の首脳を原爆資料館に案内できるかどうかだ。核兵器の悲惨さが理解できる世界で唯一の場所だからだ。

2.暑さは今後5年でさらに上昇する可能性がある
【記事要旨】
 地球の気温は今後5年間で記録的な最高値に達する可能性が高い。 世界気象機関は、人為的な温暖化とエルニーニョとして知られる気候パターンにより、2023年から27年までの5年間が観測史上最も暖かい期間となるのはほぼ確実であると述べた。
 科学者らは、気温の上昇により、熱波、山火事、干ばつ、その他の災害による危険がさらに悪化する可能性があると述べている。
 エルニーニョは降水パターンの変化にさらなる混乱を引き起こす可能性が非常に高い。 北欧やサハラ以南アフリカなどでは今後5年間で夏の降雨量が増加し、アマゾンやオーストラリアの一部では降雨量が減少すると予想している。
 世界の指導者の多くは、パリ協定に定められた、地球温暖化を摂氏1.5度に抑えるという目標を主張してきたが、各国はこの目標を達成するために必要な大きな変化を遅らせており、科学者らは現在、世界はおそらく2030年代初頭頃にその基準を超えるだろうと考えている。
【コメント】
 昨日も今日も真夏日を越える東京にいると、この予想が的中すると思わざるを得ない。しかし5月後半から6月前半は雨が降り気温が下がるようだ。
 ボラティリティが高まっているのは確かで天災も激甚化するのだろう。CO2を減らす予防的支出と、災害に備える対応的支出を比べると、予防の方が効果があるのだろうか。

3.インドネシアの首都移転計画
【記事要旨】
 ジャカルタは沈下しつつある。 そこでインドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、ヌサンタラと呼ばれる新しい首都をゼロから建設しようとしている。 この都市は、気候変動に立ち向かう発展途上国の他の大都市にとって、緑豊かで歩きやすいモデルになるはずだ。
 「建物を物理的に動かすのではなく、私たちは新しい労働倫理、新しい考え方、新しいグリーン経済を望んでいます」と首都建設の技術者は語る。
 このプロジェクトは、気候専門家が「管理された撤退」と呼ぶ、脆弱な土地からコミュニティを計画的に撤退させる大胆な試みである。 これは、急速な人口増加と気候変動への対応に苦戦している他の同様の大都市にとってのテストケースでもある。
 ヌサンタラは政治的反対に直面し、予定より遅れる可能性がある。ジョコ氏は来年8月に開設したいと考えているが、基本構造は一つも完成していない。
 なぜジャカルタは沈むのか? 森林伐採と過密化に加え、多くの住民がきれいな水を求めて何千もの違法な井戸を掘っているせいで地下水源が枯渇している。
【コメント】
 首都移転先はカリマンタン島の東カリマンタン州で、敷地予定面積は約25万6千ヘクタール(東京23区の約4倍)。政府機能は移転されるが、経済の中心としての機能はジャカルタに残る。ヌサンタラはインドネシア語で「群島」を意味し、1万7千の島で構成される同国を示している。
 いまネットで確認したが、まだまだ原野のようだ。

その他:
G7に間に合わせる
 Timed to the G7 summit, some Japanese lawmakers are pushing for an L.G.B.T.Q. rights bill. Japan is the only G7 country that has not legalized same-sex unions.
中国の強権と台湾総統選
 China fined a comedy studio about $2 million for a joke comparing the military to stray dogs.
  Opposition party nominated a moderate for president, an appeal to voters wary of Beijing.
ウクライナでの戦争
 European countries are pressuring the U.S. to allow Ukraine to procure American-made F-16 fighter jets.
 Ukraine said its gains around Bakhmut were shifting the momentum.

2023年5月18日 木曜日