今日の言葉
「関税自主権」
幕末に幕府が欧米と結んだ通商条約では日本には関税の決定権が無かった。明治時代の日本史を学んだ際に興奮したのは陸奥宗光と小村寿太郎の条約改正での活躍だ。
陸奥は、外務大臣を務めていた1894年(明治27年)に日英通商航海条約を改正し、関税自主権の一部回復に成功した。この条約では、領事裁判権の撤廃や最恵国待遇条款の相互化も実現された。
小村外務大臣のもとで、1911年(明治44年)に日米通商航海条約が締結され、関税自主権が完全に回復した。幕末以来の重要外交課題であった条約改正が達成され、国際社会の中で日本は列国と対等な地位を得た。
関税の自主権は独立国の権利ではあるが、世界一の大国がそれを振りかざして国策を推し進めている。こういう風に使われるとは、自由貿易に慣れた我々には思いもよらない事態だ。
ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.レバノンで脆弱な平和が始まった
【記事要旨】
レバノン軍は昨日、米国が支援するイスラエルとヒズボラの停戦合意が定着し始めたため、南レバノンにさらに部隊を派遣すると発表した。
避難民数千人が南部の町や村に戻り始めたためベイルートから南に続く道路は渋滞した。イスラエル軍は、一部の地域にはすぐに戻らないよう警告し、南レバノンの大部分に夜間外出禁止令を発令した。停戦の持続性については多くの疑問が残っている。
13か月に及ぶ戦争の後、ヒズボラは停戦の受け入れは敗北ではないと人々に納得させるのに苦労するだろう。
【コメント】
ガザでは戦闘が継続している。ガザ保健省によると、イスラエル軍はハマスの軍事施設だとする数十か所を攻撃し、少なくとも33人を殺害した。
2.トランプ氏、ウクライナ・ロシア特使を選出
【記事要旨】
トランプ次期大統領は昨日、第1次政権で勤務した退役将軍のキース・ケロッグ氏をロシアとウクライナの特使に任命すると発表した。新設されたこのポストで重要な役割を果たす可能性が高い。
トランプ氏は、カナダ、メキシコ、中国からの製品に高関税を課す計画にとって重要な役割となる米国通商代表には、弁護士でトランプ政権の元職員であるジェイミーソン・グリア氏が選出された。
分析:現在大統領は2人いる。1人は公式、もう1人は非公式で、それぞれ異なる方向に向かっている。世界の指導者たちは、退任する人のもとで何かを成し遂げようとする方が賢明なのか、それとも後任に備える方が賢明なのかを検討している。
【コメント】
バイデン氏はレームダックの最後の一かきを頑張っている。
3.中国との囚人交換で米国人3人が解放される
【記事要旨】
バイデン政権は、FBIの情報提供者だった1人を含む米国人男性3人の解放のため、中国と囚人交換の交渉を行ったと米国当局者は述べた。ジョン・レオン、カイ・リー、マーク・スワイダンの3人は昨日、米国行きの飛行機に乗った。
数か月前から準備が進められ、米国にいる中国人囚人少なくとも1人の解放が含まれる。
通常は囚人交換を行わない中国は、トランプ大統領に重要なシグナルを送っている可能性があると専門家は見る。
【コメント】
交換のためには日本でも囚人を抱えておく必要があるのだが、日本に中国が返還を求めそうな中国人の囚人はいそうもない。
その他の記事
パキスタン:
イスラマバードでは、投獄された元首相イムラン・カーンの支持者に対する一夜の取り締まりで600人以上が逮捕された。
ミャンマー:
国際刑事裁判所の主任検察官は、軍事政権の指導者であるミン・アウン・フライン上級大将に対し、人道に対する罪で逮捕状を請求した。
英国:
英国にある米空軍基地4カ所の上空を多数の小型ドローンが飛行しているのが目撃された。国防総省は監視中だとしている。
+
野球:
フリーエージェントの投手ブレイク・スネルが、ドジャースと5年1億8200万ドルの契約に合意した。
大谷翔平:
野球スターのニューバランスとの契約には、シグネチャーコレクションと新しいロゴが特徴だ。
2024年11月28日 木曜日