丹羽宇一郎という経営者を尊敬している。
伊藤忠商事を倒産の危機から救い、会長職をあっさり退き、乞われて中国大使を引き受け、弱腰だなんだとのそしりを物ともせず信念を貫いた経営者だ。
伊藤忠の社長時代は朝の通勤に電車を使い、自家用車はカローラ、服装にも金をかけず、贅沢はせず、余ったお金は読書に費やしたという。
著書がたくさんあるが、「汗出せ、知恵出せ、もっと働け」という講演録はとても刺激的だ。
・資源の無い日本にあるのは人的資源だけだ。それが働かなくなっては国の繁栄はあり得ない。
・経営は、清く正しく美しく、あるべし。
・年収800万円をすぎると報酬増が幸せをもたらさない。だから金の亡者になってはいけない。
・同じ井戸の水を飲み続けるのでは進歩がない。海外へ出たり井戸を変えるべきだ。
という主張が繰りかえし述べられている。
当方、読書に金と時間の糸目はつけないが、それ以外は丹羽さんの足元にも及ばない。
企業経営の課題として以下が挙げられるだろう。
・企業の生産性を上げるにはどうすれば良いか。
・従業員が働くインセンティブは、報酬か、やりがいか、人間関係か。
・上司が部下を育てるにはどうすれば良いか。
・働く環境をどう変化させるか。
・清く、正しく、美しい企業を造るガバナンスはどうあるべきか。
丹羽さん流に考えるといろいろとヒントが湧いてくる(かもしれない)。
(2020.8.4)