尖閣問題

尖閣に中国の漁船を多数差し向けるという通知が中国からあったというニュースを聞いた。

中国は、南シナ海でも東シナ海でもブータンでもカシミールでも香港でも、自国の核心的利益は決して損なわないと明言している。損なわないのは結構だとしても、それが他国の領土・領海を堂々と侵略するものだと、ちょっと待ってくれ、と言いたくなる。コロナウィルスの原因を調べるという至極まっとうな要求をしているオーストラリアを恫喝したり、5G基地局でハーウェイを使わないことを決めた英国も恫喝しようとしている。

「あんたのやり方はまるで大東亜戦争前の日本とそっくりだ。夜郎自大がやりすぎると下手をうつぜよ」と忠告したくなる。

5GをめぐるHuaweiの排除や動画配信のTik Tokの排除といった
トランプ大統領の対応はいかにも自国中心で大人げないと思ってきたが、ここまで中国が自己中心で覇権主義的な言動をあらわにしてくるとそうも言っていられない感じになる。

兵法に「遠交近攻」というのがある。
a policy of making friends of distant countries while trying to conquer one’s neighborsとでも訳すのだろうか。

日本の近国との関係はいずれも問題含みだ。特に中国、韓国、ロシアとの付き合い方は難しい。基本は「近攻策」であろう。

特に中国への対応は、米国、インド、オーストラリア、英国、ASEAN諸国との「遠交策」をあらゆる機会を通じで緊密化するべきだ。

領土問題の解決は、平和的なものであることが望ましいのはもちろんだが、武力衝突まで考えた政策オプションを準備し対応して行くべきだ。

以前、映画「空母いぶき」を見て感動したことが有る。専守防衛を義務付けられた自衛隊がどう戦うかが描かれていた。我が国の現在の政府に国家の危機に対する対応能力があるかどうか疑わしい。
国益を損なわない毅然として対応を期待したい。

(2020.8.3)