レンタカー大手のHertzがChapter 11(日本の民事再生法に相当)を5月22日に申請し(日本流に言うと)倒産した。
私が昔UCLAのビジネススクールに留学していたころ(1978-1980)当時アメリカンフットボールのスーパースターだったOJ Simpsonをコマーシャルに起用し、業界No.1のブランドを確立していた。空港につくとHertzの駐車場との間をひっきりなしに専用のバスが結び、駐車場では待たないですぐに車を借りることが出来るサービスはHertzが確立した。
私が貧乏学生の時はなかなかHertzでレンタカーは出来ず(値段が若干高かったので)、BudgetとかThriftyとかいう2nd tierでレンタカーをしたものだ。
Nobody does it better.というのはその背景に流れていた曲で、1980年ごろ中学生以上のアメリカ人であればほぼ100%の人が知っていることだろう。
Wikipediaで調べていくつか驚いたことが有る。
・Hertzは1918年の創業で最初は10数台のT型フォードから事業を始めたこと。T型フォードの時代からレンタカーは米国にはあったのだ。
・2012年にはDollarとThriftyという会社を吸収して業界大手の地位を確立した。これらがHertz傘下とは全く知らなかった。
(因みに私が愛用したBudgetはやはり業界大手のAvisに買収されていた。)
・このように規模の競争が進んだ業界だったがコロナ禍でレンタカー需要が激減し、倒産に至った。
規模を拡大し、コストを下げ、ブランドイメージを高め他社より若干高めの価格設定をし、より良いサービスを提供し顧客満足度を高める。これは優良企業の定石だ。
このように定石通りの事業展開をしていても倒産することはあるというのが今回のコロナ禍がもたらす痛手だ。
エアーラインや旅行業界に比べ話題にならないが、我が国のレンタカー会社はサバイブできるのだろうか。
(2020.6.26)