世界の動き 2024年8月12日 月曜日

今日の言葉
「パリ五輪閉幕」
 現在閉会式が進行中。17日の日程が終わり、五輪の幕を閉じる。
 日本は金20、銀12,銅13を獲得し獲得数では世界第3位だったそうで、良かった。
 昔は経済規模や国際競争力の世界ランクと比べスポーツのランクの低さを嘆いたものだが、今はそれが逆転している。
 嬉しさ半分、寂しさ半分、という感じだ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イスラエル、再び人道支援区域の避難命令
【記事要旨】
 イスラエル軍が避難を命じたことで、何万人もの人々がガザ地区のカーン・ユニス市から逃げ出した。昨日出された新たな命令は、ガザ南西部の人道支援区域の一部であるアル・ジャラ地区を対象としている。ハマスが「テロリストのインフラをそこに埋め込んでいる」ため戦闘を計画しているのが理由だ。
 この命令は、地元当局が90人以上が死亡したと述べた避難所に転用された学校への攻撃の翌日に出された。ガザ当局によると、避難所には2,000人以上の避難民が滞在していた。
 イスラエルは既に人道支援区域の境界を数回調整し、地域内で攻撃を何回も仕掛けてきた。
【コメント】
 状況は変わらず、殺戮は続く。休戦は幻だ。

2.パリオリンピックの締めくくり
【記事要旨】
 米国は、パリオリンピックの締めくくりにフランスに1点差で勝利し、女子バスケットボールで8回連続のオリンピックタイトルを獲得した。フランスは第3クォーターで圧倒的な優勝候補に10点差をつけ、試合を延長戦に持ち込む寸前まで迫った。
 この勝利により、米国チームは金メダル獲得数で中国と40個で並んだ。
 フランスは、突然の選挙で政権が転覆した後、オリンピックに臨んだ。新たに選出された議会は分裂しており、新しい政権連合がどのように形成されるかは見通しにくい。しかし、野心的なオリンピックをやり遂げた後、国は新たな自信を得るだろう。
 オランダのシファン・ハッサン選手が、おそらくオリンピック史上最も劇的で競争の激しいマラソンで優勝しました。彼女は5,000 メートルと 10,000 メートルで銅メダルを獲得しました。
 体操: ヨルダン・チリ選手は床運動で銅メダルを失い、代わりにルーマニアのアナ・バルボス選手が銅メダルを獲得する見込みだ。
【コメント】
 米国では女子バスケの8連勝が大きく報道されている。

3.ハリス・ウォルツ候補の最初の週
【記事要旨】
 先週初めにカマラ・ハリス副大統領とミネソタ州のティム・ウォルツ知事が初めて集会を開いて以来、民主党は攻勢に出ている。
 タイムズ紙とシエナ大学の世論調査によると、ハリス候補は現在、全国平均の支持率と、勝たなければならないいくつかの激戦州でドナルド・トランプ候補をリードしている。
 ウォルツ候補は中国と長い関係がある。中国で教鞭をとり、30回ほど訪問している。しかし、北京の人権記録も批判している。
 民主党候補のトップが交代したことで、民主党と共和党の両方の議会候補者の戦略が混乱している。
 選挙活動を終えて最初のインタビューで、バイデン大統領は民主党がトランプ候補に勝つことが不可欠だと述べ、トランプ候補がクー・クラックス・クランの仲間だと非難した。
 トランプ支持派ミュージシャンのキッド・ロックの音楽フェスティバルは、享楽主義的でビールをがぶ飲みしながら幸福を追い求める、成熟しつつあるアメリカのサブカルチャーの姿を垣間見せた。
【コメント】
 タイムズらしい民主党支持がはっきりわかる記事だ。

その他の記事
ウクライナ:
 ロシアはウクライナの国境を越えた侵攻を食い止めたようだ。
ブラジル:
 当局は、サンパウロ郊外で旅客機が墜落し、乗客62人全員が死亡した原因を調査している。
テクノロジー:
 移民を攻撃するソーシャルメディアの投稿は、英国、ポルトガル、その他の国で恐怖と憎悪の雰囲気を醸成している。

2024年8月12日 月曜日

McKinseyの見る技術トレンド

 McKinseyのレポートでは、15 のテクノロジートレンドを5 つの広いカテゴリに分類し分析している。

【レポートの骨子】
  AI 革命、
  デジタルの未来の構築、
  コンピューティングと接続のフロンティア、
  最先端のエンジニアリング、
  持続可能な世界 である。

 もちろん、トレンドの組み合わせを検討する際には、これらのグループ全体を見ることに大きな力と可能性がある。
 各トレンドの状態を説明するために、イノベーション (特許と研究に基づく) と関心 (ニュースと Web 検索に基づく) のスコアを作成した。
 また、関連するテクノロジーへの投資額を算出し、組織による採用レベルを評価している。

【生成AI】

 AI革命の柱であるジェネレーティブ AIについては以下のように総括している。
 ジェネレーティブ AI は、非構造化データ (自然言語や画像など) を入力として受け取り、オーディオ、コード、画像、テキスト、シミュレーション、ビデオなどの新しいコンテンツを作成するアルゴリズム (ChatGPT など) を表す。
 構造化されていない混合モダリティ データ セットを活用してさまざまな形式で新しいコンテンツを生成することにより、作業を自動化、拡張、高速化できる。

【感想】

 このレポートのそれぞれの記載は興味深い。詳細は、https://www.mckinsey.com/capabilities/mckinsey-digital/our-insights/the-top-trends-in-tech に譲りたい。

 レポートを読んで私が驚いたのは、15の分野の中で過去1年で採用人員が増加しているのは生成AIの分野だけで、その他の14分野では採用人員が急減していることだ。
 技術革新で人の職業はどういう影響を受けるのか、どうもAIやITにより人は代替されそうなトレンドが明確になっていると思われる。

2024年8月11日 日曜日

EVの比率

 EVDaysの記事によると、我が国の2023年(1〜12月)のEV(普通乗用車のみ)の新車販売台数は約4万4000台で、新車販売台数の約1.66%にあたる。2023年のPHEVのシェアは約1.97%(約5万2000台)。EVとPHEVを合計すると約3.63%(約9万6000台)のシェアになる。(因みにHVは146万台で、55.1%を数える。)
 アメリカの2023年1〜12月のEV(BEV)販売台数は約119万台で、普及率(新車の販売台数におけるEVシェア)は約7.6%となった。2021年は3.2%(約49万台)、2022年は5.8%(約81万台)。少しずつ伸びている。
 欧州自動車工業会(ACEA)の発表によると、2023年(1〜12月)におけるEU全体の新車販売におけるEV(BEV)のシェアは約14.6%(約154万台)に上り、初めてディーゼル車のシェア(13.6%)を上回った。なお、2021年は9.1%(約88万台)、2022年は12.1%(約112万台)だったため、順調に増えている。
 中国自動車工業協会(CAAM)によると2023年(1〜12月)のEV(BEV)の販売台数は約669万台で、これは自動車販売シェアの約22.2%に上る。
 EVの普及率の米国での低さに警鐘を鳴らす投資家がKeith Fitz-Geraldだ。彼はブログで以下のように述べる。
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 3 年前、中国での NEV 販売台数は全車両のわずか 7% でした。現在、中国乗用車協会 (CPCA) によると、NEV は半分を超えています。比較すると、EIA によると、米国では第 1 四半期の電気自動車とハイブリッド車はわずか 18% でした。
 中国では半分がEVです。よく考えてみてください。
 ドラゴンが夕食にやって来ます。あなたがしなければならない唯一の選択は、テーブルに着くか、メニューに載るかです。
 ご存知ない方のために言っておくと、私の意見では、防御を行える西側の自動車メーカーはテスラだけです。
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 EVDaysの調査と数字にやや開きがあるが、Keithのいう傾向の大きな差は理解できる。EVに限ると普及率の低さは我が国は絶望的だ。HVがまだまだ稼いでくれるから本格的なEVシフトにトヨタをはじめとする日系メーカーは及び腰に見える。
 工業製品は大量に製造することで生産とアフターケアの能力が高まるのだが、日系メーカーの出遅れに大きな危惧を抱くのは筆者だけだろうか。

2024年8月10日 土曜日

世界の動き 2024年8月9日 金曜日

今日の言葉
「南海トラフ地震」
 NHKによると「8日夕方に発生した日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震を受け、気象庁は午後7時15分、次の巨大地震に注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表しました。気象庁は南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性がふだんと比べて相対的に高まっているとして、政府や自治体からの情報に応じた防災対応を取るよう呼びかけています。」とのことだ。
 南海トラフ地震が起きると東京でも震度5強程度の地震と10m程度の津波が予想されるそうだ。何をどう準備すればよいか良くわからないが、我が家にある非常持ち出しの中身とかもう一度チェックしてみたい。「空振りより素振り」という言い方があるそうで、もう一度見直ししたい。
 ニューヨークタイムスにも出ているので、インバウンドにしばらく影響が出るのではないだろうか。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.トランプとハリスは9月に討論会を行うことで合意
【記事要旨】
 ドナルド・トランプ氏は昨日、マール・ア・ラゴで行われた記者会見で、カマラ・ハリス副大統領と対決したいと述べ、ABCネットワークは、9月10日に両候補の討論会を開催することを確認した。
 この会見は、ハリス氏が民主党候補になって以来、前大統領が公の場に姿を現す初めての機会であり、政治的勢いを取り戻すための努力を示すものだった。彼の主張はおなじみのものだった。ハリス氏は犯罪やメキシコとの国境の保護といった問題に弱く、彼女を「イスラエルとユダヤ人に非常に悪い」過激な左翼と表現した。
 トランプ氏はまた、ハリス氏は記者会見を行うほど「賢くない」と述べ、個人攻撃も行った。
 ハリス氏はイスラエルへの武器禁輸を支持していないと、安全保障補佐官が述べた。トランプ氏の支持者たちは、ハリス氏の台頭が前大統領を動揺させ集中力を欠けさせていると述べている。
 水曜日の集会で親パレスチナ派の抗議者がハリス氏を罵倒し、ガザ戦争をめぐる民主党内の分裂が再浮上した。ハリス氏はこの妨害を有利に利用した。
 テイラー・スウィフトは2020年にバイデン大統領を支持した。スウィフトのファンはハリス氏に対しても同様の支持を切望している。
【コメント】
 ハリスの伸びに対してトランプは反撃の理由を捜しあぐねているようだ。

2.ウクライナのロシアへの奇襲攻撃
【記事要旨】
 ロシアのクルスク地方政府は、ウクライナの装甲部隊が領土の約10キロまで進撃し、いくつかの小さな集落を占領したことを受けて、非常事態を宣言した。
 ウクライナが認めていないこの奇襲は火曜日に始まり、30か月に及ぶ戦争の新たな前線が開かれた。秘密裏に活動するウクライナは、1,000人の兵士からなる部隊を攻撃のために集めた模様だ。
 この攻撃は、モスクワが2022年2月に本格的な侵攻を開始して以来、ウクライナによるロシアへの最も集中的な攻撃である。この攻撃の目的は、ロシアの兵士と兵器をロシア領土に戻し、ウクライナ東部への攻勢の圧力を緩和することだと、ウクライナの高官は述べた。
【コメント】
 有利な停戦条件を目指したウクライナの攻勢とみる。どれだけ橋頭保を確保できるかどうか、ここ1週間ほどが山場になるとみる。

3.10か月間くすぶる国境紛争の代償
【記事要旨】
 レバノンにおけるイスラエルとヒズボラ過激派の絶え間ない紛争は壊滅的である。
 ほぼ1年間、双方はより大きな紛争を避けるために報復攻撃を慎重に調整してきたが、衛星画像によると、毎日の戦闘で、レバノンでは数千の建物が損傷または破壊された。
 ガザ:パレスチナ民間防衛隊によると、昨日イスラエルがガザ地区北部の学校施設2棟を空爆し、少なくとも16人が死亡した。
【コメント】
 戦争は不毛だ。双方の政治指導者の自己のポジションの維持強化が戦闘の真因だ。

その他の記事
オーストリア:
 ウィーンでテイラー・スウィフトのコンサートを襲撃しようとしたとして告発された2人の若者のうち1人が、できるだけ多くの観客を殺害する計画を自白したと治安当局が発表した。
日本:
 当局は、沖合でマグニチュード7.1の地震が発生した後、今後数日中に巨大地震が発生する可能性が通常よりも高いと発表した。
バングラデシュ:
 ノーベル賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が暫定政府を率いるために宣誓した。

2024年8月9日 金曜日

世界の動き 2024年8月8日 木曜日

今日の言葉
「長崎の原爆式典」
 長崎市が「原爆の日」に開く平和祈念式典に、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダの6か国とEUの駐日大使が一斉に欠席する意向を示している。 長崎市がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルを式典に招かなかったことがその理由だということだ。
 式典参加者について政治的な駆け引きがあることを初めて知った。どの国を呼ぶ呼ばないは主催者の判断だと思うし、出る出ないも呼ばれた国の判断だと思うが、平和祈念の日にも政治的なメッセージが含まれるのを初めて知った次第だ。G7とEUの一枚岩の結束ぶりにも驚いた。今回は日本に対しての行為だからそういう動きがわかったが、国際的な懸案事項には、日本を含めたG7とEUの動きはそんな風にG7とEU以外の国々には見られているということが理解できた事象だった。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.英国で反人種差別デモ参加者が集結
【記事要旨】
 極右グループがさらなる抗議活動を呼びかけたが、夕方の早い時点では、大規模な抗議活動は実現せず、逮捕者も数人しか出なかった。
 その代わり、ブリストル、バーミンガム、リバプール、ロンドンなど、全国の都市で数千人の反人種差別デモ参加者が集結した。デモの一部は、暴徒の標的になる可能性があるとされていた場所の近くで行われた。
 リバプールでは、地元住民や、最近の暴力を非難する労働組合グループやその他の人々で構成された人々は「ファシストは出て行け!」と叫び、「憎しみではなく愛を」と書かれたプラカードを掲げた。
 暴徒たちは先週、警察と衝突し、車に火をつけ、モスクや難民希望者が宿泊するホテルを標的にした。オンラインで偽情報キャンペーンが展開されたことが一因となっている。
 ソーシャルメディア: イーロン・マスクはXで暴力的な抗議活動に関する扇動的なコメントを投稿し、キール・スターマー首相を激怒させている。
【コメント】
 極右の暴動に対し市民のデモが対抗する動きとして出てくるのは健全な民主主義が英国には残っている証拠だろう。
 日本では介護職だけで年間20万人が不足するといわれその多くは外国人労働者で供給されることになる。移民への対応は日本でもすぐそこにある大きな課題だ。

2.米大統領選挙で中西部をめぐる戦いが始まった
【記事要旨】
 ハリス陣営とトランプ陣営は昨日、同じ都市で対決した。
 カマラ・ハリス氏と同氏の副大統領候補であるミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、ウィスコンシン州オークレアで1万2000人の満員の集会を開いた。ドナルド・トランプ氏の副大統領候補であるオハイオ州のJD・ヴァンス上院議員は、同じ都市の工場ガレージで、ブルーカラー労働者を従えて演説した。
 ハリス陣営は、ウォルツ氏が候補者に指名されてから24時間以内に3600万ドルを集めたと述べた。これは、彼女が2024年の選挙戦に参戦してから最初の24時間以内に彼女のチームが集めたと述べた8100万ドルに次ぐ額だ。
 ウォルツ氏は40代になるまで政治活動にあまり興味を示さなかったが、その後急速に台頭した。
 知事としてのウォルツ氏の実績は、ミネソタ州のよりリベラルな政治への動きと重なりる。
 トランプ氏の減税案の中で最も新しく、最も費用のかかる案は、社会保障給付に対する所得税を廃止するものだ。
 元大統領はFOXの番組で、ハリス氏を「意地悪な人」、彼女とウォルツ氏を共産主義者と評した。
【コメント】
 ウォルツ氏はすべり出しの評判は非常に良いようだ。「共産主義者」という言い方は今でも米国民に刺さる蔑称なのだろうか。

3.グレートバリアリーフの終焉は近い
【記事要旨】
 オーストラリアの科学者による新しい研究によると、人類が気候変動を抑制するためにもっと緊急に行動しない限り、世界最大のサンゴ礁システムであるグレートバリアリーフの終焉を今の世代が見ることになる。
 この研究によると、サンゴ礁の最近の気温は400年ぶりの高水準だ。高熱はサンゴの白化を引き起こし、生存に必要な共生藻類を失わせる。
【コメント】
 沖縄近くの海でもサンゴの白化が起きていると随分前から言われている。海水の表層での水温上昇は知られているが、深層部まで含んだ海水全体の温度の上昇はどのような影響をもたらすのだろうか。サンゴだえでなく人類の終焉をもたらしかねない。

その他の記事
バングラデシュ:
 暴徒たちは、最近退陣した首相の支持者とみられるヒンズー教徒を標的にし、彼らの家に放火し、寺院を破壊した。
タイ:
 前回の選挙で前進党が勝利して以来、保守勢力は同党を政権から遠ざけてきた。裁判所は同党を解散させたばかりだ。
日本:
 円安が3年ぶりの株価上昇を後押しした。3日間の乱高下で日本の脆弱性が露呈した。

2024年8月8日 木曜日