世界の動き 2026年3月16日 月曜日

今日の一言
「負けに不思議の負けなし」
勝ちに不思議の価値あり、と続く野村克也監督の言葉だ。
侍ジャパンがベスト8で敗退した。
失投の多い投手陣、三振の多い(昨日は12三振)攻撃陣。日本人投手の変化球を避け直球に狙いを絞ったベネズエラ。このような要因を考えれば、今回の敗退は已む無しとも思える。敗因を分析し、次回に期待したい。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.イラン戦争が世界にもたらした影響
【記事要旨】
イランでの戦争は中東にとどまらず、世界の政治・経済・安全保障に広範な影響を及ぼしている。
●ロシア:思わぬ追い風
ロシアはウクライナ戦争と制裁で財政難だったが、イラン戦争による原油高で収入が増加している。米国がロシア産石油制裁を一時緩和したことで、ロシアはさらに利益を得る見通しだ。モスクワは「勝利感」に包まれる一方、ウクライナは国際的関心の低下と資金流入減を懸念している。
●中国:不安と利益の両面
中国は湾岸地域からの原油依存が高く、戦争はエネルギー価格上昇と貿易停滞を招く。しかし、米国がアジアから軍事資源を中東へ振り向けたことで、中国の地域的自由度が増す可能性がある。
●世界各地への波及
キプロス:ヒズボラ発とみられるドローンが英軍基地を攻撃し、欧州諸国が艦船を派遣。
南アジア:燃料高騰で飲食店・工場・大学などが深刻な影響。パキスタンでは燃料が一夜で20%値上げ。
北半球の農業:肥料供給の多くを担う湾岸諸国の輸出がストップし、春の作付け準備に支障。
●全体のポイント
イラン戦争は、エネルギー市場・安全保障・物流など、世界の相互依存の弱点を露呈した。わずか2週間で、国際秩序の力学が大きく揺らいでいる。
【コメント】
イラン内戦は世界大戦ではない。しかし、世界の多くの地域に影響を与える戦争であることは間違いない。
開戦から2週間が経過し、貿易ルート、旅行パターン、エネルギー価格、同盟関係、そして生活費に世界各地で波及効果が生じている。戦場から遠く離れたコルカタでは、住民がガソリンを求めて長蛇の列を作り、観光客はキプロスから避難し、北半球の農家は春の種まきシーズンを前に不安を募らせている。
このような事態を引き起こしたトランプ大統領が糾弾されず毎日勝手なことを述べて世界の金融株式市場を混乱させている。この人を取り除くことが世界経済の正常化に不可欠に思えるのだが。

2.トランプ大統領、ホルムズ海峡封鎖への国際支援を要請
【記事要旨】
トランプ大統領は、イランによるホルムズ海峡封鎖を終わらせるため、各国に軍艦派遣を求めた。しかし、各国政府の反応は慎重で、積極的な賛同はほとんど見られない。
●エネルギー市場の不透明感
米国のエネルギー長官は、今後数週間で原油価格が下がる保証はないと発言。ただし、紛争は「数週間以内に終わる」との見方も示した。一方、イラン外相は「必要な限り戦う」と強調し、対立は長期化の可能性がある。
●戦争は第3週へ、トランプ政権は難しい判断を迫られる
その他の動き
– 約2,500人の米海兵隊が中東に到着予定で、米軍は迅速な作戦行動が可能に。
– 偽動画やAI生成画像がSNSで拡散し、混乱を招いている。
– トランプ大統領は、イランの新最高指導者モジュタバ・ハメネイの健康状態に疑問を呈し、憶測を呼んでいる。
【コメント】
今週訪米する高市首相は「飛んで火にいる」ことになりそうだ。艦船派遣に同意する世界初の国になりそうだ。AIに聞いてみた。 

高市首相が取るべき現実的なアプローチ(一般的な外交原則に基づく)

ホルムズ海峡は日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要ですが、同時に軍事的関与には大きなリスクがある。そのため、首相が取るべき対応は 「協力の姿勢を示しつつ、軍事的関与を慎重に抑制する」 という二層構造が現実的だ。

日本の立場を明確にしつつ、即答を避ける

  • 日本は中東の複数国と良好な関係を持つため、軍事参加は慎重であるべき。ただし、米国との同盟関係も重視する必要がある。よって、首相は次のような枠組みで回答するのが一般的に妥当。

例:

  • 「日本は国際社会の安定に責任を持つが、軍事行動には慎重な検討が必要」
  • 「まずは外交的解決を最優先する」

これはどの国の首脳でも使う典型的な外交的回答だ。

軍艦派遣以外の“協力”を提示する

軍事参加を避けつつ、米国に「協力している」というメッセージを出す方法は多い。

可能な協力例(一般論)

  • 情報共有の強化
  • 非軍事的な海上警備活動の拡大
  • 国際的な海上輸送の安全確保に向けた外交努力
  • 人道支援や復興支援の準備
  • 国連など多国間枠組みでの議論を主導

これらは軍事リスクを抑えつつ、米国との関係を維持するための典型的な手法だ。

日本のエネルギー安全保障を理由に慎重姿勢を正当化する

ホルムズ海峡は日本の原油輸入の大動脈。軍事的緊張を高める行動は、むしろ日本の国益を損なう可能性がある。

首相は次のように説明できる。

  • 「日本は地域の安定を最優先する」
  • 「軍事的緊張を高める行動は避けるべき」
  • 「外交的解決が日本と世界の利益に合致する」

これは国際的にも理解されやすい立場だ。

米国との関係を損なわない“言い回し”を使う

外交では、直接の拒否は避け、次のような表現がよく使われる。

  • 「前向きに検討する」
  • 「関係省庁と協議する」
  • 「国会の理解が必要」
  • 「地域情勢を慎重に見極める」

これらは 事実上の保留 を意味しつつ、相手の顔を立てる効果がある。

日本独自の外交ルートを活かす

日本はイランとも比較的良好な関係を持つため、
「緊張緩和の仲介役」を申し出ることは、米国にも受け入れられやすい。

  • 「日本は対話の橋渡し役として貢献できる」
  • 「軍事行動よりも外交的解決を支援する」

これは日本の伝統的な外交スタイルとも整合的だ。

まとめ:首相が取るべき現実的な姿勢

  • 軍艦派遣には慎重姿勢を維持
  • 米国には協力の姿勢を示す
  • 非軍事的な貢献を提示する
  • 外交的解決を強調する
  • 日本のエネルギー安全保障を理由に慎重姿勢を正当化

この組み合わせは、どの国の首脳でも採用しうる、
「同盟国との関係維持」と「自国の国益保護」を両立する現実的なアプローチだ。

その他のニュース
・パキスタンとアフガニスタンはイランのすぐそばで戦争を繰り広げており、民間人の死者は増加の一途をたどり、戦闘は収束の兆しを見せていない。
・ハリウッドスターたちが第98回アカデミー賞授賞式のためにまもなく到着する。作品賞をはじめ、いくつかの賞レースは接戦となっています。
・フランス各地の地方選挙では極右勢力が躍進すると予想されており、来年の大統領選の行方を占う試金石となる可能性がある。
・トランプ政権との新たな衝突の後、南アフリカは米国当局との対話を諦めた模様だ。
・戦後ドイツで最も影響力のある思想家の一人、ユルゲン・ハーバーマス氏が死去した。96歳だった。

2026年3月16日 月曜日 曇り
AM7:45   気温7℃ 新聞休刊日です。

Anthropic社とペンタゴンの確執

この問題についてコンパクトにまとめたNewYorkerの記事を基に解説したい。
・・・・・
Anthropic は OpenAI を離れた7人によって設立され、「安全性・厳密性・責任」を重視する姿勢を掲げてきた。しかし、同社のAI「Claude」を軍事利用したいトランプ政権(特に国防長官ヘグセス)との間で、倫理基準をめぐる深刻な対立が生じた。
政権側は AI を「軍事調達品の一つ」とみなし、購入した以上は自由に使えるべきだと考えていた。一方、Anthropic は AI の悪用や自律兵器化を防ぐための制限を契約に盛り込み、これを譲らなかった。
特に問題となったのは、Claude を使った大規模監視の可能性だった。政府は法律上の抜け穴を利用して膨大なデータを扱えるようになり、Claude によってそれが容易に実行されることを Amodei(Anthropic 共同創業者)は懸念していた。
皮肉なことに、政権は Anthropic を「サプライチェーン上の危険」として排除しようとしながら、同時にイラン戦争の標的選定に Claude を使用したとも報じられている。
Anthropic は「安全で責任あるAIこそ最も信頼できる」という考えだが、ペンタゴンは防衛分野はむしろ「制約の少ないAI」を求める考えであり、両者の価値観は根本的に噛み合わなかった。
・・・・・

この問題の核心は、AI を「兵器」とみるか、「自律性を持つ新種の技術」とみるかの価値観の衝突である。この対立は、単なる契約トラブルではなく、「AI をどう扱うべきか」という根源的な哲学の衝突といえる。
● Anthropic の立場:AI は“危険性を内包した新しい技術”であり、利用には倫理的制限が必要
– Claude は「自律的判断をし得る」ため、誤用すれば大規模監視・自律兵器化につながる
– だからこそ、軍事利用には明確なレッドライン(人間の最終判断、監視利用の制限など)が必要
– そもそも同社は「安全性・責任・厳密性」を企業理念として創業された背景がある
● トランプ政権(国防総省)の立場:AI は“軍事調達品の一つ”であり、制限は不要
– AI を「銃・戦車・ドローン」と同列の“調達品”とみなす
– 購入した以上、政府が自由に使う権利があると考える
– 追加の倫理的制限を企業が課すことに強い反発
– 特にヘグセス国防長官は「慎重すぎる」「傲慢だ」と批判
● 監視利用が最大の火種
– 米政府は法律上の定義を巧妙に使い、監視・収集の範囲を広く解釈してきた。しかし、従来は「人手不足」で限界があった
– Claude の登場で、膨大なデータを瞬時に解析できるようになる
– Anthropic社CEOのAmodei は「政府が法の抜け穴を最大限に悪用する」と危惧
● ペンタゴンはAnthropic を「サプライチェーンリスク」として排除しながら、実際には戦争で Claude を使用したと報じられる。 つまり、政府は Claude の能力を最も高く評価しつつ、制限だけを嫌った。

戦争継続に不可欠なAnthropicのAIをペンタゴンはどのような方便を使って使用し続けるのであろうか。衝突の行方に注目したい。

2026年3月15日 日曜日 晴れ
14:40 12℃ 気持ちの良い春の日です。

市場動向 2026年3月9日から13日 備忘録

【米国株式市場】
 米国株式市場は2026年3月9日(月)〜13日(金)にかけて、地政学リスク(イラン情勢)と原油価格の乱高下に大きく揺さぶられ、週を通して主要3指数はいずれも下落した。特に原油供給不安と利下げ期待の後退が重荷となり、S&P500・ダウ・NASDAQはいずれも前週末比で1%前後のマイナスとなった。

 主な市場イベント(3月9日〜13日)
1. 中東情勢の緊迫化と原油価格の乱高下
– ホルムズ海峡でのタンカー航行停止、イラン関連施設への攻撃などで供給不安が拡大。 原油は一時 $119 を突破する急騰局面も。 その後、米国大統領の「戦争はほぼ終結」との発言で原油が急反落し、株式市場は下げ幅を縮小。
2. 金利上昇(利下げ期待の後退)
– 原油高によるインフレ懸念で米国債利回りが上昇。利下げ時期が後ろ倒しになるとの見方が株式の重荷に。
3. セクター別ではエネルギーが強く、半導体が下支え
– 原油高を背景にエネルギー株が上昇(S&P500エネルギーセクター:+2.47%)。半導体株(Nvidia、AMD、Micron など)が市場の下支えに。

 主要指数の週間騰落率
 指数    終値    週間騰落率
 SP500   6632.19   -1.28%
ダウ平均  48558.47    -1.77%
NASDAQ   22105.36    -1.15%

 今後の見通し:市場が注目するテーマ
① 中東情勢と原油価格の動向
– 先週は原油が一時 $119 まで急騰し株式市場を圧迫。
– 週末にかけて「戦闘の終息に近い」との報道で原油が急反落し、株式は下げ渋り。今週は原油の方向性が最大のカギ。
– 原油が落ち着けば株式は反発余地
– 再び供給不安が高まれば株式は再度下押し
② 米国金利(利下げ時期)
– 原油高→インフレ懸念→金利上昇という流れが先週の株安要因。
– 今週は 金利上昇が一服するかどうか が焦点。
– 金利が落ち着けば、特に NASDAQ(ハイテク)に追い風。
③ 企業業績と半導体セクター
– 先週は半導体株(Nvidia、AMD、Micron)が市場の下支え。
– 今週も AI関連・半導体が相対的に強いセクターと予想。
– エネルギー株は原油次第で強弱が分かれる。

 総括
 今週の米国株は「不安定だが下値は限定的」という展開がメインシナリオ。原油価格と中東情勢が引き続き最大の変動要因だが、金利上昇が一服する兆しもあり、過度なリスクオフは後退しつつある。

【日本の株式市場】
 先週の日本株は、中東情勢の悪化による原油高・世界株安の影響を強く受けて下落した。特に週前半は米国株の急落を受けてリスクオフが広がり、日経平均・TOPIXともに大きく値を下げた。
 週後半は原油価格の反落や米国株の下げ渋りを受けて下げ幅を縮小したが、週間では明確なマイナスとなった。

 主要指数の終値と週間騰落率(3月13日終値)
■ 日経平均株価(Nikkei 225)終値:55,025.37 −1.07%
■ TOPIX(東証株価指数)終値:3,629.03 −0.57%

 日本株に影響する主要テーマ
① 中東情勢と原油価格(最大の外部要因)
– 先週は原油が一時 $119 まで急騰し、世界株安の引き金に。 週末にかけて原油が急反落し、リスクオフがやや後退。今週は 原油の方向性が日本株の最大のカギ
 特に日本はエネルギー輸入国のため、
– 原油高 → 景気懸念・コスト増 → 株安
– 原油安 → 景気安心感 → 株高 という反応が出やすい。
② 米国株の動き(NASDAQがカギ)
– 先週の米国株は3指数とも下落。 ただし半導体株は相対的に底堅い。 今週、米金利が落ち着けば NASDAQが反発し、日本の半導体株にも追い風になる。
 日本市場は「米国ハイテクの影響を最も受ける市場」の一つなので、米国の半導体・AI関連の動きが日本株の方向性を決める。
③ 国内要因:日銀政策は材料になりにくい
– 日銀は3月会合を控えつつも、政策変更は限定的との見方が主流。 為替は有事の円は起きず、やや円安方向だが、急激ではない
– 国内企業業績は総じて堅調で、日本株の下値を支える要因

【PE市場、プライベートクレジットPC市場の動き】
 PEの減速を PC が補完する構造が定着
– PEがLBOを組みにくい → PCが資金を提供
– 大型PEファンドは 自前でプライベートクレジット部門を拡大
  - Blackstone Credit
  - KKR Private Credit
  - Apolloの巨大クレジット部門
– 「PE × PC」の垣根が消えつつある
   Continuation Fund × Private Credit の組み合わせも増加
– 良い資産を延命するために→ continuation fund→ そこに private credit が融資 という構造が一般化。
  PEは「長期保有・運営型」にシフト
 短期で売り抜けるモデルから、運営改善・価値創造型Operational Value Creationへ。
  PCは「新しい銀行」として定着
 銀行規制強化の中で、プライベートクレジットは構造的な成長産業になった。

 一方、2025年後半〜2026年にかけて、PC市場では「不良資産の顕在化」「大手ファンドの引き出し制限」「ファンド閉鎖・再編」など、明確にストレスが表面化している。

 大手ファンドで「引き出し停止(Gate)」が発生
 2025年後半から2026年にかけて、複数の大手クレジットファンドで投資家の引き出し要求が急増 → Gate(引き出し制限)を発動
という事例が出ている。
 代表的な例(実際の市場で起きている傾向)
  - Blackstone のクレジット系ビークルで引き出し制限
(不動産REITのBREITと同様の仕組みで、PC版でもGateが発動)
  - Apollo・KKR の一部クレジットファンドで償還制限→ 特に「NAVローン」「ユニトランシェ」でリスクが高い部分

 なぜ引き出しが増えたのか
  - 金利高で投資家が「安全な債券」に戻り始めた
  - PCファンドの評価額が下がり、投資家がリスク回避
   - 一部ファンドで不良債権が増え、信頼が低下
 → 流動性の低いPCファンドに「取り付け」のような動きが発生

 ただし「市場全体が崩壊」ではない理由
✔ 大手(Blackstone, Apollo, KKR)はむしろ拡大
  - 不良債権の一部は織り込み済み
  - 銀行規制強化で PCへの構造的な需要は継続
  - 投資家資金は「大手に集中」する流れが強まる
✔ PCは「銀行の代替」として定着
  - BIS規制強化
  - 銀行が貸せない領域をPCが埋める構造は変わらない
✔ 不良債権の増加は「過熱の正常化」
  - 2021〜23年の過剰レバレッジの反動
  - 市場の健全化プロセスとも言える
 総じて米国のPCへの見方は楽観的だ。今後に注目したい。

2026年3月14日 土曜日 晴れ
PM4:25    14度 とても快適な日です

世界の動き 2026年3月13日 金曜日

今日の一言
「無謬性」
トランプ大統領はイランの女子学校への誤爆をイランがやったことだと主張している。米軍には、そして自分には誤りがないという考えだ。
以前のインタビューでは自分を止めるのは(国際法ではなく)自分の良心だけだと述べていた。
自分が無謬であり、自分の良心のみが歯止めだということだ。トランプは神に近づいた存在だ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.今年のオスカー直前のまとめ
【記事要旨】
今年のアカデミー賞は、「Sinners」と「One Battle After Another」の2作品が圧倒的存在感を放っている。
●主要作品
– 「Sinners」(監督:ライアン・クーグラー)
– 史上最多 16部門ノミネート
– ジム・クロウ時代のミシシッピを舞台にした双子ギャングの物語
– しかも“陽気なヴァンパイア映画”という異色作
– 「One Battle After Another」(監督:ポール・トーマス・アンダーソン)
– 13部門ノミネート
– 過激な活動家たちを描くダークコメディ・スリラー
– どちらも芸術性と興行収入を両立した“アート系ブロックバスター”
●新設部門
「キャスティング賞」が今年から新設
●NYT批評家の推し
– 主演女優賞:レナーテ・レインスヴェ(「Sentimental Value」)
– 主演男優賞:イーサン・ホーク(「Blue Moon」)
– 作品賞:「Sinners」または「One Battle After Another」
– 「アメリカの経験」を大作スタジオ映画として真正面から描いている点を評価
● 国際映画の存在感
– 2020年「パラサイト」以降、毎年外国語作品が作品賞にノミネート 今年は
– 「Sentimental Value」(ノルウェー)
– 「The Secret Agent」(ブラジル)
が作品賞候補
国際長編映画賞には他にフランス、スペイン、チュニジア作品が並ぶ。海外監督が“アメリカ人をより複雑に描く”傾向が強まり、米国観客にも響いているという分析
●時間がない人向け
– NYTの「Anatomy of a Scene」シリーズが便利
– 監督が1シーンを解説する短い動画
– 作品賞候補10本中8本をカバー
– “オスカーのテイスティングメニュー”として最適
【コメント】
珍しい文化面の記事がTop Pick 「国宝」には言及なし。

2.イラン新最高指導者、ホルムズ海峡封鎖継続を宣言
【記事要旨】
イランの新たな最高指導者モジュタバ・ハメネイが就任後初の声明で、世界の石油・天然ガス輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を継続すると表明した。
●中東情勢の緊迫化
– イラク沖でタンカー2隻が攻撃され炎上したことを受け、イラクとオマーンが石油ターミナルを閉鎖。
– 原油価格は再び1バレル100ドル超へ上昇。
– 30か国以上が過去最大規模の備蓄放出を計画しているにもかかわらず、価格は高止まり。
●イスラエルの軍事行動拡大
– イスラエルはベイルートへの新たな空爆を実施し、ヒズボラへの攻勢を拡大。
●戦争の影響
– イラン国内で最大320万人が国内避難民に(UNHCR)。
– レバノンは2年足らずで2度目の大規模戦争に巻き込まれ、
ヒズボラ支持層の忠誠心がかつてないほど揺らいでいる。
【コメント】
指導者の声明は代読された。負傷していると言われるモジュタバ師は健在なのだろうか。きっと復讐心を燃やしていることだろう。

その他の記事
・中国は、学校におけるすべての少数民族の教育言語を標準中国語とする新たな「民族統一」法を承認した。
・ミシガン州デトロイト郊外で、運転手がトラックをシナゴーグに突っ込ませ、その後警備員との銃撃戦の末に死亡した。
・モスクワの裁判所は、2024年にコンサートホールで発生し、少なくとも149人が死亡した虐殺事件に関与したとして、15人の男に終身刑を言い渡した。
・イスラエル軍は、パレスチナ人被拘禁者への暴行容疑で起訴されていた予備役兵5人に対する訴訟を取り下げた。証拠不十分が理由としている。
・新たな調査によると、アメリカ人の3分の1が医療費を払うために運転、食事、休暇などの出費を削減している。

2026年3月13日 金曜日   曇り
AM7:45  5℃ 今日は風が吹き体感気温が低そうです

世界の動き 2026年3月12日 木曜日

今日の一言
「株価急騰か??」
ヘッジファンドは個別株では強気のポジションを維持しつつ、ETFや指数先物では大きな売り(ショート)を積み上げている。この「強気と弱気のミスマッチ」が、良いニュースをきっかけに“ショートカバーの連鎖”を引き起こし、株価が急騰しやすい状況を作っている。(Bloombergの記事)

この記事を基にヘッジファンドのポジションを分析する。

1. ヘッジファンドは「個別株は買い、指数は売り」という複雑なポジションを取っている
– 個別株:強気(ロング)を維持
– ETF・指数先物:弱気(ショート)を積み増し
つまり、「個別株は上がると思うが、市場全体は不安定なのでヘッジしておきたい」という典型的な“ロング・ショート戦略”だ。
2. ショート(売り持ち)エクスポージャーが2022年9月以来の高さ
ショートが積み上がるということは、
– 市場全体に対する弱気姿勢が強まっている
– しかし同時に、ショートカバーが起きれば急騰しやすい状態でもあるという二面性がある。
3. 良いニュースが出ると「ショートカバー」が発生しやすい
ショートポジションを持つ投資家は、株価が上がると損失が膨らむため、買い戻し(ショートカバー)を強制される。ショートが多いほど、良いニュース → 買い戻し → さらに上昇 → 追加の買い戻し
という“踏み上げ相場”が起きやすくなり、極端な上昇を引き起こす可能性がある。
● なぜ「急騰の舞台が整っている」と言えるのか?
理由は3つある。
① ショートが歴史的に多い→ 買い戻し圧力が大きい
② 個別株は買われている→ 市場全体のセンチメントは実はそこまで弱くない
③ ETF・指数先物でのショートは「ヘッジ目的」→ 本気の弱気ではなく、ポジション調整のため 良いニュースが出ればヘッジを外す(買い戻す)可能性が高い
■ヘッジファンドのポジションが示唆する相場見込み
– 市場は不安定だが、悲観一色ではない。むしろ、ショートが積み上がりすぎているため、上方向のリスク(急騰)が大きい。特に、インフレ指標・雇用統計・地政学などで“予想より良いニュース”が出ると、指数が一気に跳ねる可能性がある

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.トランプはイラン戦争から撤退に動くのか?
【記事要旨】
トランプは戦争の早期終結を示唆
– トランプ大統領は「戦争はほぼ終わった」「すぐに終わる」と発言。 戦争が予想以上に混乱を招き、負担が増している可能性がある。
■ 戦争の影響が深刻化
– ホルムズ海峡が事実上封鎖され、世界の石油供給に大きな影響。
– イランは湾岸地域のエネルギー施設を攻撃。
– 肥料不足の懸念も高まる。
– 米株は下落、原油価格は120ドル近くまで急騰。
– しかしトランプの「早期終結」示唆で市場は反発。
■ トランプにとって政治的・経済的コストが増大
– 選挙の年であり、戦争の長期化は政治的に不利。
– ただし、関税や外交カードとは違い、実際の戦争は簡単に引き返せない。
イラン側の状況:政権交代はむしろ悪化の可能性
■ 最高指導者ハメネイ師が死亡
– イスラエルの攻撃で最高指導者が死亡し、穏健派への期待もあった。
– しかし後継に選ばれたのは息子のモジュタバ・ハメネイ。
– 彼は強硬派で革命防衛隊と近く、米国にとっては「より悪い」指導者と見られている。
核問題はさらに危険に
– 米国の攻撃で核施設は損傷したが、イランは依然として濃縮ウランを保有。戦争が終われば、モジュタバ師は核兵器開発を急ぐ可能性が高い。 米国はウラン回収のため地上軍投入まで議論したと報じられる。
地域の不安定化と湾岸諸国の懸念
– イラン国内は政権批判派と支持派の分断が深刻化。イランが不安定化すれば、湾岸諸国(特にサウジ)は難民や武装勢力の脅威に直面。サウジは戦争に反対していたが、始まった以上「最後までやり切る」ことを望んでいる。
●アメリカ国内では戦争が不人気
– 多くの米国民が戦争に反対。ガソリン価格が17%上昇し、生活への影響が出始めている。トランプはこれまでも不利になると方針転換してきたが、今回は簡単に撤退できない状況だ。
まとめ
– トランプは戦争終結を模索している可能性があるが、イランの政権交代、核問題、地域不安定化などが撤退を難しくしている。戦争を終わらせても、米国と同盟国が以前より悪い状況に陥るリスクがある。
【コメント】
イランでもTACO(トランプは常に尻込みする、という意味)は起きるのか。株式市場の反発が激しすぎると、トランプ大統領は最も大胆な政策を後退させるという習性だ。
彼は関税政策でまさにそのパターンを体現し、最も極端な政策のいくつかを撤回した。グリーンランド侵攻寸前まで行ったように見えたが、突如としてその考えは覆された。そして今週、原油価格が急騰しS&P500指数が下落する中、トランプ大統領はイランでも同様の行動を取る可能性を示唆した。
しかし、トランプ大統領は関税やグリーンランド侵攻の時のように、イランでも容易に撤退できるのだろうか。それは非常に難しいことを示唆する記事だ。

2.イランが輸送を妨害し、世界が石油備蓄を放出
【記事要旨】
●世界各国が石油備蓄を過去最大規模で放出
– イランの報復攻撃により、ホルムズ海峡が封鎖される危機が高まった。国際エネルギー機関(IEA)加盟国は、4億バレルの戦略備蓄を放出すると発表。 過去最大の規模だ。
■ ホルムズ海峡で複数の船舶が攻撃される
– 英国の海事監視団体によると、少なくとも3隻の大型貨物船が攻撃を受けた。イランはSNSで「通過する船は許可を得る必要がある」と発信し、事実上の関与を示唆。
■ 中東では空爆が激化
– ベイルートで大規模な空爆が発生。
●その他の重要な動き
■ 米軍の誤爆でイランの小学校が被害
– 米軍の古いターゲティングデータが原因で、イランの小学校が誤って攻撃され死者が出た。その学校は10年前に軍施設から分離されていた。
■ イランの新しい最高指導者も負傷
– 戦争初日に行われた攻撃で、新最高指導者も負傷したとイラン・イスラエル双方が認める。
■ イランがクラスター弾頭のミサイルをイスラエルに発射
– 映像とイスラエル側の確認により、クラスター弾頭の使用が判明。→ 国際法違反の可能性。
■ イスラエルの空爆でイランの文化遺産も損傷
– いくつかの文化遺産が破壊・損傷。
●戦争はわずか1週間で世界経済と安全保障を揺るがす
– 原油供給の不安定化
– 国際的な緊張の急上昇
– 世界市場への影響が拡大
【コメント】
トランプの心中は読めないが、この大博打を後悔し始めているはずだ。

3.スターマー首相、マンデルソン任命で「エプスタイン問題」の警告を受けていた
【記事要旨】
■ スターマー首相は任命前に「評判リスク」を警告されていた
– 英国のキア・スターマー首相は、ピーター・マンデルソンを駐米大使に任命すると評判リスクがあると事前に警告されていた。
– 理由は、マンデルソンが性犯罪者ジェフリー・エプスタインと関係があったため。
■ スターマーは低支持率の中で判断力を問われている
– スターマー首相は支持率が低迷しており、なぜマンデルソンを重要ポストに選んだのかという批判が強まっている。
■ マンデルソンの解雇時の「高額要求」も文書で明らかに
– 公開された文書によると、マンデルソン側の弁護士は約54万7,000ポンド(約73万4,000ドル)の補償金を要求していた。 実際に支払われたのは約7万5,000ポンド。
関連記事:バージニア・ジュフリー氏は、エプスタイン氏に人身売買され、元アンドリュー王子との性行為を強要されたと英国警察に通報した。警察は捜査を見送った。
【コメント】
米国でより英国で大きな政治問題化しているのはとても興味深い。

その他の記事
・ウクライナ軍は、ロシアの都市ブリャンスクにある、ロシア製ミサイルの部品を生産する工場を攻撃した。
・トランプ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談まで3週間を切ったが、中国政府は議題の曖昧さに不満を抱いている。
・中国は長年にわたり、ほぼ毎日台湾近海を軍用機が飛行していた。なぜ突然飛行を停止したのだろうか?

2026年3月12日 晴れ
AM7:10   4℃ 昨日は近所のガソリンスタンドに長い列が出来ていました。