いま持ち物のダウンサイジングを進めている。私の持ち物で最大の場所を占めるのが本だ。面白そうな本はBookOffに持ち込む前に再読し、備忘としてこのブログに記す作業をこれまで細々としてきたが、今後は増えそうだ。
今回はモートン・ハンセン著『GREAT@WORK効率を超える力』だ。一橋の楠木建教授が監訳・解説をしている。原題は”Great at Work” by Morten Hansen である。
この本は、著者がBCG(ボストンコンサルティンググループ)のロンドンにビジネススクールを終えて入社した際に、全身全霊を込めて仕事に長時間取り組んだが、ふと気が付くを同期入社のナタリーは少ない時間で彼よりも素晴らしい仕事を達成しているのに気づいたという書き出しだ。実はこのつかみの部分が一番面白い。ナタリーの秘密を一般化し、少ない努力で効果をあげている人の大規模な調査による彼の発見をまとめたのが本書だ。
ただし、リサーチの成果の説明は平凡だ。
多分見出しを引用すれば、賢明な諸兄は、著者が何を言いたいかわかるはずだ。見出しは以下だ。
プロローグ:
「”どんな努力”にも必ずリターンがある時代」の終焉
効率を越える習慣1:「すること」を減らし、そこに徹底する
効率を越える習慣2:今そこにある仕事を「再設計」する
効率を越える習慣3:「成長のサイクル」を巧みに回す
効率を越える習慣4:「情熱X目的」を強力なエンジンにする
効率を越える習慣5:「しなやかな説得力」で勝ち抜く
効率を越える習慣6:解決を明日に持ち越さない
効率を越える習慣7:一個のプロジェクトに全力投球する
「スマートな働き方」から広がるプラス効果
エピローグ:
「トップ・パフォーマー」として走り続けるために
著者はUCバークレーの経営学の教授のようだ。ノルウェイ出身で本当にわかりやすい英語を話すので彼のHPをYouTubeで観るのはお薦めだ。https://www.mortenhansen.com/ を参照されたい。一つ一つの動画が短いのもうれしい。
この本には載っていないが、動画で彼が言っていた自分の仕事の何がパフォーマンスに結び付くかチェックする方法は役に立つ。
過去2週間の自分の予定表を見直して、自分の仕事の成果に結びついた活動にはマルを、役に立たなかった活動にはダブルラインをつけてみよう。予定表の殆どがダブルラインで埋まり、マルが付いたのは数個ではないか?だとしたら今後の2週間はマルが付く活動に絞って時間を使えばあなたの仕事の生産性は大いに高まるだろう。というのが彼のお薦めの方法だ。
良い本だ。また再読するかもしれないので明日BookOffへ持っていくのは辞めようかな。ダウンサイジングの本を読む必要がありそうだ。
(2022.3.9 Wednesday)