今日の一言
「債券投資」
株式のボラティリティを避けるためには当然債券をポートフォリオに組み込むことが考えられる。これは個人でも機関投資家でも同様だ。
日本生命はCLOの投資では従来AAA格の債券にしか投資して来なかったがAA格にまで拡大を検討しているそうだ。
ブルームバーグのデータによると、米5年国債の利回り4.1%に対して、CLO流通市場での現在のAAA格の利回りは5.2%前後、AA格は5.6%前後、A格は6%を超える。こうした利回りの改善が大きな魅力だ。
個人投資家にも参考になる動きだ。
ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエル軍当局者、ガザ地区が飢餓の瀬戸際にあると警告
【記事要旨】
イスラエルは数ヶ月にわたり、ガザ地区の住民には十分な食糧があると公言してきたが、ここ数日、一部のイスラエル軍当局者が司令官に対し、数週間以内に広範囲にわたる飢餓が発生すると警告したと、イスラエル国防当局者3人が明らかにした。
ガザ地区の人道状況を監視しているイスラエル軍当局者は、封鎖が速やかに解除されなければ、多くの地域で最低限の生活必需品を賄うための食糧が不足する可能性が高いと述べた。月曜日には、国連が支援する栄養失調監視イニシアチブも、ガザ地区で飢餓が差し迫っていると警告した。
背景:イスラエル軍内部からの警告は、イスラエルの治安当局の一部が主要な援助団体と同じ結論に達していることを明らかにしている。
今後の見通し:国防当局者3人によると、イスラエル軍指導部は状況の深刻さを認識し、ハマスを回避しながら援助物資の供給を再開する方法を検討している。
地上では、イスラエルの戦闘機が昨日、ガザ地区南部のハンユニス市を爆撃し、同地区に残るハマスの最後の指導者の一人、ムハンマド・シンワル氏の殺害を試みた。
【コメント】
イスラエル軍部の関係者がガザでの飢饉を警告したのが新しい展開だ。以前から人道団体や国連関連機関が警告し続けていたがついに飢饉が切迫したということだろう。
炊き出しに群がる人々や子供の映像は悲惨だ。イスラエルの指導者はガザでホロコーストを実行する意向のように思われる。ナチスがユダヤ人を劣等民族を見做したように、今のイスラエルはガザの住民を劣等民族と見做しているのだ。
2.トランプ大統領、シリアに対する米国の大きな転換を発表
【記事要旨】
トランプ大統領は、シリアに対する制裁解除を発表した翌日、本日サウジアラビアでシリアのアハメド・アル・シャラ大統領と会談する予定だ。
この発表は、トランプ大統領の湾岸諸国歴訪の初日に行われた。サウジアラビアでは、大統領が盛大な歓迎を受けた。トランプ大統領は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談後、シリアに対する制裁解除を決定したと述べた。
「皇太子のためにできることは何でもする」と、トランプ大統領はリヤドで開催された投資フォーラムで述べた。制裁解除はシリアにとって大きな変化を意味する。14年近く続いた戦争からの復興を支援する国際的な援助と投資が可能になる。
背景:米国は、2011年のシリア蜂起に対するバッシャール・アル=アサド大統領による残忍な弾圧を受け、シリアに制裁を課した。シリアの新指導者とアラブ諸国の同盟国は、制裁措置はもはや目的を失っていると主張した。
初めての出来事:かつてアルカイダの支部を率いていたものの、自身のイメージを落ち着かせるために同組織との関係を断ったアル=シャラ氏にとって、トランプ大統領との会談は驚くべき転機となるだろう。
取引:ホワイトハウスは、トランプ大統領がサウジアラビア政府および企業と6000億ドル規模の取引を確保したと発表したが詳細は曖昧だった。
【コメント】
シリアへの制裁解除はアル=シャラ氏の不安定な新政権にとって大きな支援になりそうだ。ただ、トランプ氏が今後の展開を熟慮しての動きかどうかは不明だ。
3.ゼレンスキー大統領、トランプ大統領に和平交渉への出席を要請
【記事要旨】
ウクライナのゼレンスキー大統領は、トランプ大統領が月曜日に和平交渉への出席を表明したことを受け、トルコで行われる和平交渉に向け、明日会談を行うようトランプ大統領に要請した。ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領が会談への出席を表明すれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にも同様の圧力がかかると考えていると述べた。
クレムリンは、プーチン大統領が会談に出席するかどうかについてコメントを控えた。報道官は「大統領が適切と判断し次第、発表する」と述べた。
【コメント】
プーチンの提案にウクライナと米国が前のめりになっている印象だ。期待しないで交渉の行方に注目したい。プーチンの求めるウクライナの非ナチ化要求に、米国はどうした対案を準備しているのだろうか。
その他の記事
旅行:国境での拘束とビザ発給の混乱により、海外からの旅行者が減少。米国は125億ドルの損失を被る可能性がある。
中国:習近平国家主席は北京でラテンアメリカ諸国の当局者に対し、技術協力の拡大を希望すると表明した。
マスク:テキサス州オースティンはかつてイーロン・マスク氏を歓迎した。しかし、彼が右傾化するにつれ、かつてリベラルで有名だったこの街も彼と共に右傾化し始めた。
ビジネス
日本:ホンダと日産は悲観的な利益見通しを発表したが、これは米国の関税に関連した数十億ドル規模の損失によって圧迫された。
ドイツ:調査によると、製造業は米国への投資から撤退しており、既に米国に投資している企業も将来に暗い見通しを抱いている。
宝飾品:世界最大の宝飾品ブランド、パンドラは、貿易戦争を乗り切るための「戦闘態勢」を整えていると述べた。
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カナダ:ホンダは、人気車種「CR-V」の生産をオンタリオ州から米国工場に移管し、カナダで電気自動車とバッテリーを製造する110億ドル規模の計画を延期すると発表した。
2025年5月14日 水曜日