世界の動き 2023年5月3日 水曜日

今日の言葉:
「麻薬が効かなくなる時バタフライが来る」
 米国での三つの銀行が破たんしたことで、インフレ対策のFRBによる金利引き上げが終了する見込みが出てきた。今日のNYSEでダウが900ドルも下落したことも引き金になっている。金利の引き上げどころか引き下げに転じると見る米国のエコノミストもいる。
 一方日本では、先日の政策決定会合で日銀の植田総裁は金融緩和の継続を明言した。
 金利が存在する国では金利引き下げの対応が出来る。金利の無い我が国では周りが緩和に転じた際に取れる政策はあるか?ない。
 10数年間に及ぶゼロ金利と言う麻薬に依存してきた経済は脆い。米国での銀行破たんがバタフライ効果を日本にもたらすことを懸念する。

1.韓国の残忍な売春
【記事要旨】
 「慰安婦」という婉曲表現は、通常、第二次世界大戦中に日本人によって性奴隷にされた韓国の女性を表す。 しかし、日本の植民地支配が終わってからずっと、韓国とアメリカの兵士の間で性的搾取が続いた。
 昨年、韓国の最高裁判所が慰安婦 100 人に補償するよう政府に命じた後、被害者は現在、米国に訴訟を起こすことを目指しているが、どのような手段を見つけることができるかは不明だ。
 1975 年、16 歳のときに売春斡旋業者に売られたパク・グネは、GI からの激しい殴打やその他の虐待に耐えたと語った。 「アメリカ人は一部の兵士が私たちに何をしたかを知る必要があります」と彼女は言う。
 韓国の最高裁判所は判決で、「政府は韓国が米国との軍事同盟を維持し、米ドルを稼ぐのを助けるために売春を「正当化し、奨励した」ことで有罪である」と述べた。裁判所はまた、政府が女性を拘束し、性感染症の治療を受けるよう強制した「組織的かつ暴力的な」方法についても非難した。
 1961 年、ソウル周辺の人口の多い地域である京畿道の地方政府は、その管轄内の慰安婦の数は 10,000 人であり、増加しており、50,000 人のアメリカ軍に対応していると推定した。 これらの女性の多くは、米軍基地周辺に建設されたギジチョン、つまり「キャンプタウン」で働いていた。
【コメント】
 見出しを見て、また日本軍の慰安婦問題かと思ったら、戦後の米軍基地周辺での話だった。
 このような話題をトップ記事に持ってくるのはタイムズらしい社会派ぶりだ。
 今日は憲法記念日だが日本人の人権意識は低く、韓国との大差を感じる。

2.オーストラリアは電子タバコvapeを根絶するために動く
【記事要旨】
 オーストラリア政府は、最も広範なたばこ規制の動きで、電子たばこの禁止を提案した。
 ニコチンベイプは、オーストラリアでは処方箋がないと入手できないとされているが、多くのコンビニで販売されており、政府は若者の間で電子タバコの人気が高まっていることを特に懸念している。
 昨日発表された提案では、すべての使い捨て電子タバコを禁止し、非処方箋電子タバコの輸入を停止し、一部のフレーバー、色、成分を制限し、製品中のニコチンを制限にも役立つ。
 オーストラリアの保健大臣は、国が喫煙を禁止したり、誕生年ごとに喫煙を段階的に廃止したりする計画はないと述べた。隣国ニュージーランドは最近、2008年以降に生まれたすべての人に対するたばこの販売を永久に禁止した。
 米国では健康規制当局は近年取り締まりを開始したが、電子タバコのフルーティーなフレーバーを介して若者がニコチン中毒になることを考慮していない。
【コメント】
 この記事は米国へ規制強化を求めるものなのだろう。日本では電子タバコはたばこ葉を使っていなので一切規制されていないようだ。中毒性は無いのだろうか。

3.中国の散財祭
【記事要旨】
 パンデミックによるロックダウンが終了し、中国の贅沢品の支出は、同国経済全体よりも速いペースで回復しており、多くの西洋ブランドがその恩恵を受けている。
 パンデミック前は、同国の贅沢品支出の 3 分の 2 が中国本土以外で行われていた。裕福な中国人は、自国の輸入関税と税金を回避するために海外で買い物をしていたからだ。 しかし、中国国外への旅行は、パンデミック前よりもはるかに困難なままだ。
数字:
 Louis Vuitton、Tiffany & Company、Dior などのブランドを所有する LVMH は先月、主に中国での回復に後押しされて、前年同期から第 1 四半期の収益が 17% 増加したと発表した。
 宝飾品、金、銀の小売売上高は、3 月に前年比で 37.4% 急増しました。
 Hermès は、アジア (日本を除く) での売上高が 好調な中国正月のおかげで23% 増加したと述べた。
【コメント】
 中国では、コロナ期に購買行動を一時的に控えていた消費者が需要を一気に回復させている。 いわゆるペントアップ需要が発生している。
 記事の中に「アジア(日本を除く)」Asia(excluding Japan)という懐かしい表現がある。30年程前は株式市場を語るときこうした表現が多用された。それだけ日本の存在感がアジアの中で際立っていたのだ。今はアジア(中国を除く)が一般的で、非常に寂しい。

その他:
ウクライナでのロシア軍の被害
 The U.S. said at least 100,000 Russians had been killed or wounded in Ukraine in the past five months.
 Russia is imposing tighter restrictions in occupied parts of Ukraine, including on travel between towns, Ukrainian officials said.
パレスチナ人のハンスト死
 Khader Adnan, a prominent Palestinian prisoner, died after a hunger strike in an Israeli prison. Palestinian leaders and armed groups threatened retaliation.
米国の歳出上限
 The U.S. could run out of money to pay its bills by June 1, Treasury Secretary Janet Yellen said, if lawmakers do not reach a deal on debt.

2023年5月3日 水曜日