米国で二つの銀行が破綻し、欧州でCredit Suisseが救済された後実施された当局のストレステストでは米銀の10%が資本不足と言う結果だ出たそうだ。これは少し危険な数字だ。
数多くの悪条件が重層的に銀行を襲っているのは確かだ。
金利の上昇、高インフレ、サプライチェーンへの懸念、コモディティ価格の高騰、悪化する一部の消費者のバランスシート、消費者心理の低迷、地政学的リスクといった事象は、金融・経済のボラティリティの高まりにつながる要因であり、銀行経営に対する不確実性を深めている。
従来のデータは、多くの場合、現在の状況には役に立たず、銀行経営者の多くは、現在の状況を乗り切り、潜在的な機会を見つけるために新しいアプローチが必要であることを認識している。では、何をすれば良いのか。
一連の異常な事象の相関関係に直面している銀行は、さまざまな要因を取り入れ、顧客とポートフォリオへの影響を理解しながら、マクロ リスクとミクロ リスクのバランスをとる方法を見つける必要がある。ただし、現在の事象の組み合わせは前例のないものであり、従来のモデルの変数を微調整するだけでは課題を解決することはできず、根本的な変更が必要だ。
組織全体について言えば、不確実性の中で成功する組織には以下の「3つの優位性」が必要だ。
・優れた洞察力(洞察力)
・特定の行動に対する明快さとコミットメント(明確性)
・実行速度 (実行力)
これらの「3つの優位性」を実現させる「5 つの必須事項」について見てみたい。
・複数のシナリオを作成し、それらのシナリオの
ポートフォリオと個々の債務者への影響を迅速に
シミュレートする能力を養う
(悪条件が重層的に起こるシナリオを作る)
・ビジネスサイクルの変化を反映するために、
リスク制限とトリガーを再検討する
(現在の手法は10年間の低金利に慣らされている)
・将来を見据えた新しい意思決定指標の作成
(過去をご破算にして将来を見据えるべき)
・意思決定システムから情報を得て「事前に作成された」
打ち手を準備する
(事前にプランを準備しておけば、緊急対応力が増え、
臨機応変の対応を可能にする)
・機能横断的な視点とよりフラットな階層を通じて、
機敏な意思決定を可能にする体制を整える
(ボトルネックを最小限にして進むべき方向の意思統一が
速やかに出来るようにする)
銀行経営者が取るべき最初のステップは、現在の能力とリソースを再検討し、データと予測能力を強化し、それらの根底にある仮定を再考することだ。そうして、機敏な意思決定フレームワークを効果的に具備することで、銀行は信用に関する洞察力、明確性、実行力を磨くことができる。
不確実性の増す混沌とした時代がもたらす避けられないリスクと豊潤な機会を整理することがでるはずだ。
2023年4月15日 土曜日