N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
報道の自由の世界ランキングで日本は71位だそうだ。日本について国境のなき記者団は、大企業の影響力が強まり、記者や編集部が都合の悪い情報を報じない「自己検閲」をするようになっている国の例として韓国やオーストラリアとともに言及している。
N.Y. Timesの記事を読んでいて思うのは、すべての記事が記者の署名記事で、記者が自分の尊厳を掛けて記事にしている。日本のメディアではそういう意識は低い。ニュースの広がりにも日本は欠ける。最近は、ウクライナ、知床の観光船、キャンプ場の少女の話ばかりだ。
1.ロー対ウェイドの終わり
【解説】
ロー対ウェイド時間とは
ロー対ウェイド事件(Roe v. Wade, 410 U.S. 113 (1973))は、「妊娠を継続するか否かに関する女性の決定は、プライバシー権に含まれる」として、妊娠3カ月まで女性の人工中絶権を全面的に認め、6カ月までも条件付きで認める内容。 この時期まで、女性が人工中絶を選ぶ権利は憲法が保障するものだと認めた。 判決の違法性を訴える裁判で、最高裁は1992年に合憲判断を示している。
【記事要旨】
米最高裁は妊娠中絶については州ごとの判断を優先するという判決を下すという情報が流出しその内容の正しさを認めた。抗議の市民が最高裁に集まっている。ロバーツ司法長官は司法への信頼が揺らぐと流出についての調査を指示。最終判決までは数か月かかる見込み。
民主党内は意見が対立し共和党は概して歓迎。バイデン大統領は人工中絶権が守られないと同性婚とか他の憲法判断にも影響するとうったえる。
【感想】
意図的にリークして世論の反応を見ようという動きか。憲法判断も前例主義にしない米国の司法制度は自由度があるともいえる。
2.マリウポリから退避者が生還
【記事要旨】
数週間以上製鉄所の地下に閉じ込められていた150人以上の女性と子供がウクライナ支配地域に避難した。退避後ただちに露軍は攻撃を再開。EUはロシアからの原油禁輸を検討。露は中国とインドに大幅値引きで売らざるを得なくなる。露は西側からの支援ルートとウのインフラへの攻撃を強めようとしているが動きが鈍いとの分析も。
【感想】
まだ1000人以上が地下に閉じ込められているとの報道もある。露ウ政府は救出に全力を尽くしてほしいものだ。露は「ウ軍に囚われた人間の盾を救出した」と宣伝するのだから、もっと人命を救って欲しいものだ。
3.反同性愛殺人への判決が下る
【記事要旨〕
1988年に米の学生であるScott Johnsonがゲイが良く行く崖の下で死体で見つかった事件。Scott Whiteという男とシドニーのパブで知り合ってそこへ行ったと判明。当初は自殺とされたが、Scottの兄のSteveは、現場での不審死の事例があり、疑念を抱き再審査を請求し今回の12年の有罪判決になった。当時警察はゲイに対する反感強く捜査に積極的ではなかった。
【感想】
人権がらみはTimesがフォローするニュース。日本ではあまり報道されない類。憲法記念日では改憲・護憲論議はあったが昨年一年間の憲法の係る判決といった視点での報道は無く、国民の憲法理解は深まらない。
その他:
南アジアの酷暑
As extraordinary heat sweeps South Asia, climate scientists are arguing that extreme weather is the new norm.
米でも老害
Democrats privately acknowledge that Senator Dianne Feinstein, 88, has serious memory problems.
香港は食の都
Hong Kong has always been a food city. Now people of all social classes are flocking to bare-bones “two dishes and rice” restaurants. The cheap Cantonese comfort food served up is a welcome respite from two years of political upheaval, economic downturn and seemingly endless pandemic restrictions.
(2022.5.4 Tuesday)