世界の動き 2023年6月2日 金曜日

今日の言葉:
「悲観的な若者たち」
日本の若者は将来を悲観しているようだが米国の若者も同様のようだ。以下Bllombergの記事によると、
「米国では若い成人の半数以上が親より貧しい生活を送ると考えていることが、最新の調査で明らかになった。42%は住宅購入の頭金を用意することを諦め、給料ぎりぎりの生活を「おおむね受け入れている」という。調査では金銭感覚と習慣について性や年齢、所得、人種別に分析。定期的に貯蓄をしていると回答したのは黒人で33%、ヒスパニック系で36%だったのに対し、白人は29%にとどまった。「世界的な困難を考えると、きょう一日だけを生きればよいと思う」との文章に共感すると回答したのは48%だった。」
こうした刹那的な考えの広がりが米国で銃の乱射事件を起こす遠因になっているかもしれない。日本でも凶悪犯罪が増えているが同様の状況だろう。

ニューヨークタイムズ記事より
1.米国のデフォルト回避に向けた最後の一押し
【記事要旨】
米上院の両党指導者らは、財務省が米国の資金が枯渇するとの見方を示した月曜のデフォルト(債務不履行)の可能性を前に、債務上限を引き上げる法案の採決に向けて急いでいた。
下院は水曜日にこの法案を承認したが、上院の行動スケジュールは流動的だった。 上院がこの法案を承認した場合、法案はバイデン大統領に署名されて成立することになる。
上院での審議中、支出を削減しながら31兆4000億ドルの債務上限を2年間停止する内容の法案に対する批判がでた。
保守的な共和党議員の中には、歳出の大幅削減を求める議員もいたが、法案に盛り込まれた国防総省の支出数値が低すぎて軍事準備を妨げる可能性があると批判する議員もいた。
【コメント】
呉越同舟で何とかデフォルトは回避できそうだ。

2.裁判でオーストラリアで最も勲章を獲得した兵士が汚される
【記事要旨】
この名誉棄損事件は、世紀の裁判と呼ばれていた。 もっとも勲章を授けられた兵士は戦犯だったのか。裁判所の判断は「はい」だ。
4年前、この兵士ベン・ロバーツ・スミスは非武装のアフガニスタン捕虜を冷血に殺害したと報道したオーストラリアの新聞3紙を告訴した。 裁判官は新聞の彼の行動に関する記述が実質的に真実であると認定し、彼に不利な判決を下した。 これは刑事事件ではなく、ロバーツ・スミスは裁判の対象ではなかったが、この国の法廷で戦争犯罪容疑が審理されるのはこれが初めてだった。
告発者に有利であるとして批判されてきた名誉棄損法下で、報道機関にとってまれな勝利となった。 オーストラリアがアフガニスタンでの20年間の任務と現地での精鋭特殊部隊の行為と報道機関が闘い続ける中、この判決は事件そのものをはるかに超えて響くだろう。
【コメント】
英雄は血まみれだったということか。戦争だからしょうがないという考えに流されなかったオーストラリアの報道機関は見上げたものだ。我が国の報道は政府への批判が弱まっていることが憂慮される。

3.米中の雪解けは遠い
【記事要旨】
米中当局者間の最近の相次ぐ会談は、緊張緩和の試みを示唆しているようだ。 しかし、中国はテーブルに復帰したものの、さらに強硬な姿勢を打ち出し、バイデン大統領が予測した関係の「雪解け」を複雑化させている。
中国は米国製チップの禁止など独自の制限を設けて米国のハイテク輸出規制を反発し、米国の誠実さに疑問を呈している。
国防総省は、ロイド・オースティン国防長官が李尚福国防相をシンガポールでの会談に招待したが、それを拒否した。これはは中国政府が軍事問題で交渉する意図がないことを示す一例だと述べた。
3月にその職に任命された李氏は、ロシアからの軍事装備購入を巡り、2018年から米国の制裁を受けている。 中国政府は「対話に好ましい条件を作り出す」ために同氏に対する制裁を解除するよう要求した。
「対話がなければ、双方にとって容認できないリスクが存在する。それには台湾を巡る紛争に夢遊病で参加する」リスクが含まれると米の専門家は言う。
中国は、米軍に関する洞察を得るために国防総省、シンクタンク、民間企業からの公開データをマイニングするためにオープンソースのインテリジェンスに投資していることが報告書で判明した。
ビジネス面では、中国製の C919 ジェット機が初の商用飛行を完了したが、依然として西側のライバル企業が同国の航空機のほとんどを供給している。
【コメント】
振り上げた拳はなかなか下ろせない。グローバルサウスを取り込み、中国は米国に外交的に譲歩する理由はなさそうで、緊張関係は続くだろう。

その他:
ウクライナの戦争
A Russian missile attack on Kyiv killed three people, including a mother and her 9-year-old daughter.
The Russian border town of Shebekino is facing the frontline reality of the country’s war against Ukraine.
セネガルでも騒動
Clashes erupted between protesters and security forces across Senegal after the country’s top opposition leader was sentenced to prison and barred from running in future elections.
箱だけでなく一本一本に
Canada will require tobacco companies to put warnings on individual cigarettes.

2023年6月2日 金曜日