世界の動き 2024年2月6日 火曜日

今日の言葉:
「大雪」
 昨日は久しぶりの大雪だった。新宿で用がありやむを得ず車で出かけたが、帰路は5時20分に新宿を出て、大田区の自宅まで3時間かかった。途中事故やスリップしている車もなく自然渋滞のようだった。高速道路が閉鎖されたので一般道が極端に混雑したのだ。
 以前ニューヨークに住んでいた時はホワイトアウトになりそうな豪雪でも高速道路は閉鎖されたことは無かった。一般道路も除雪は行き届いていた。道路は人間活動の根幹であるという信念がある。日本では高速道路が必需品であるという考えが浸透していないと感じる。
 能登半島の震災による交通の遮断にもそうした考えが大きな理由になっているのではないかと感じる。
 大雪のたびに混乱する道路事情を見て考えた次第だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ブリンケン氏は最新の停戦協定の推進を開始した
【記事要旨】
 ブリンケン国務長官は昨日サウジアラビアに到着し、中東訪問を開始した。 彼はイスラエルとハマスの紛争がより広範な地域戦争に発展するのを防ぎ、ガザの人質解放案を中心に同盟者を結集させようとしている。
 ブリンケン氏の訪問は、米国とアラブ同盟国が停戦の可能性の提案にハマスが応じるのを待っている中で行われた。 提案された合意案では、ハマスはガザでの戦闘の一時停止とイスラエルの刑務所にいるパレスチナ人の釈放と引き換えに、ガザで拘束されているイスラエル人人質100人以上を返還することになる。
 バイデン政権はまた、米軍を標的にしたイラン支援の民兵組織に対するさらなる報復攻撃も追求している。 米当局者は、ブリンケン氏は今回の攻撃が中東での戦闘の激化と解釈されるべきではないと米国の同盟国を安心させるよう努めると述べた。
 多くの人が、10月7日の攻撃につながった治安上の失敗についてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を非難し、同首相の退陣を望んでいる。 早期選挙を強制する明確な方法はないが、彼を追放する方法は他にもある。
 紅海:商船に対するフーシ派の攻撃により、運送費が高騰している。
 空爆:クルド人軍事組織の公式メディアによると、無人機がシリア東部にある米軍と同盟軍の駐留基地を攻撃し、クルド人軍事組織の戦闘員6名が死亡した。
【コメント】
 停戦への機は熟してきている。サウジが動けばイスラエルにも効果があるだろう。何とか成立させて欲しいものだ。

2.チリで大規模な火災が発生
【記事要旨】
 チリの山火事による死者数は少なくとも122人に増加した。ガブリエル・ボリッチ大統領は2日間の服喪期間を発表し、400人以上が死亡、150万人が避難した2010年の地震以来、チリにとって最悪の災害だと述べた。
 火災が発生したとき、首都サンティアゴ西側の沿岸都市ビーニャ・デル・マールやバルパライソの近くでは、多くの人が夏休み中だった。 不備な初期の避難指示が死者数の一因となった可能性を示唆しており、当局は火災の一部が意図的に引き起こされたものであると考えている。
 カリフォルニアの大洪水:チリの山火事は、周期的な気候パターンであるエルニーニョによって悪化した可能性があり、カリフォルニアでの記録的な暴風雨による被害も悪化した可能性がある。 住民は増水、土砂崩れ、降り続く雨に直面し、50万近くの住宅や企業が停電したままとなった。
【コメント】
 カリフォルニアの洪水報道は知らなかった。50万人もの停電とは大きな災害だ。チリの火災も加州の水害もエルニーニョのせいと言うのはどうなのだろうか。日本にはどういう影響があるのだろうか。

3.チャールズ国王は癌と診断された
【記事要旨】
 バッキンガム宮殿は、英国君主チャールズ3世が一種のがんと診断され、治療のため公務を一時停止していると発表した。 この発表は、わずか18か月前に始まった彼の多忙な統治に影を落とした。
先週、75歳の男性は前立腺肥大の治療を受けて退院した。 宮殿はがんの種類については明らかにしていないが、手術中にがんが発見されたと述べた。 宮殿関係者によると、前立腺がんではないという。
【コメント】
 国王はもう75歳か。早い快癒をお祈りしたい。

その他の記事より
・米高官の訪中
 Top U.S. treasury officials will visit Beijing this week for economic talks.
・サムソンでの不正
 Samsung’s top executive was acquitted of stock price manipulation and fraud.
・米ハイテク企業での人員削減
 Tech companies are still cutting jobs in the U.S. as they invest in A.I. capabilities and try to cull workforces that swelled during the pandemic.

2024年2月6日 火曜日

世界の動き 2024年2月5日 月曜日

今日の言葉:
「ひな祭り」
 昨日久しぶりにデパートに行った。ひな人形が催事場のかなりの部分を占めていた。節分の豆まきが済んだと思ったらもうひな祭りだ。
 季節の過ぎるのは本当に早い。うかうか過ごしても一日。しっかり過ごさないともったいない。時間が最も貴重な資源だからだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米国がフーシ派に対する攻撃を主導
【記事要旨】
 米国は昨日、イエメンでフーシ派の対艦巡航ミサイルを破壊したと発表した。 米国と西側同盟国がこの地域でイランの支援を受ける武装集団を標的にしたのは3日連続となった。
 フーシ派は西側諸国の攻撃に応じると誓った。 土曜日、米国、英国および少数の同盟国は、イエメン国内13カ所でフーシ派の標的36カ所を攻撃したと発表した。これは、フーシ派による紅海の船舶攻撃を阻止するための最新の取り組みである。
 米国はまた、イランと密接な関係にある民兵組織に関連するシリアとイラクの7つの拠点を爆撃し、武力行使を大幅にエスカレートさせた。 この報復攻撃はイラン軍とその支援する民兵を対象としたもので、先月末ヨルダンで無人機攻撃により米兵3人が死亡したことを受けて行われた。 昨日、米国の国家安全保障高官らは、バイデン大統領がさらなる報復攻撃を命令したと発表した。
 分析:米国はイラン自体への攻撃を控えており、これはより広範な戦争を避けるためだとアナリストは言う。 イランもまた、この地域の熱気の鎮静化の意向を示している。
【コメント】
 米国の危険な動きだ。トランプから揶揄され選挙対策としてもバイデンは拳を振り上げざるを得ない。
 イラクにまだ米軍基地があるのは米軍が撤退すればイランが支持する民兵やISがイランの治安を破壊するからだ。
 今回の武力行使で、米国は中東問題に一層引きずりこまれ、身動きが出来なくなる。

2.ウクライナは容赦ない敵と戦う
【記事要旨】
 ウクライナ軍は東部前線で、人員、砲力で劣勢に陥っている。 米国のウクライナへの軍事支援が停止している中、ロシアは圧倒的な兵力でウクライナ人を圧倒しようとしている。
 弾薬が致命的に不足しているため、ウクライナ軍は前進してくる敵兵のわずか1人か2人にしか発砲する余裕はない。 そこでロシア軍は現在、ウクライナの塹壕を襲撃するのに十分な兵力を集めようと、少数の部隊で前進している。
 しかし、ロシアはこの戦いに膨大な資源を注ぎ込んだにもかかわらず、わずかな利益しか得ていない。 廃墟となった都市アヴディウカの占領を目的としたわずか2か月の作戦で、1万3000人以上のロシア兵が死傷した。
 ロシア:人々がネガティブなニュースを無視する傾向が強まるこの国では、列車から投げ落とされて死亡した猫が国民の悲しみのはけ口となっている。 それはクレムリンにとっても有益な気晴らしでもある。
【コメント】
 ウクライナの苦境と人々の苦しさは当事者でない我々には理解できない。能登半島の地震の被害者の苦境も。
 暖かい家の中で不自由なく暮らしている日常のありがたさを感じる。理不尽な神様に感謝だ。

3.拡大する中国の核軍備
【記事要旨】
 中国は米国との競争が激化する中、強固な核兵器を構築してきた。現在、中国の軍事戦略家らは核兵器を防御の盾としてだけでなく、敵を威嚇し征服するための潜在的な鉾としても注目している。
 兵器庫の建設は習近平の長期的な目標だった。 彼はそのサイズを約500個の弾頭まで倍増させ、さらに多くの弾頭を搭載する予定だ。 中国が兵器の存在を利用して西側の紛争への介入を制限できるという自信を持てれば、兵器は台湾の将来を形作る可能性もある。
【コメント】
 傍若無人な姿勢は第二次大戦前の我が国に酷似している。経済力でほぼ米国に均衡しているので始末に悪い。世界的に見ればアフリカ諸国の中国支持が高く、国際的な対応も困難だ。

その他の記事:
・中国のスパイ鳩か
 Last week, a pigeon was released from a veterinary hospital in India. It had been held for eight months — despite being cleared of suspicions that it was spying for China.
・ファンタニルの流入止まらず
 China and the U.S. resumed negotiations on curbing the flow of fentanyl, but face obstacles on other geopolitical issues.
・前首相への減刑
 Malaysia halved the sentence and reduced the fine for Najib Razak, a former prime minister convicted of stealing millions of dollars from a government fund. Many are outraged.

2024年2月5日 月曜日

政治にガバナンスを求める?

 TBSテレビが令和臨調の提言を以下のように報じている。
・・・・・・・・・・
 「政党のガバナンスはまるでなってない」。有識者が政治資金改革で緊急提言です。「令和臨調」運営幹事 新浪剛史氏(経済同友会代表幹事)
 「一体どの程度お金がかかってるのか。入りと出を含めた政治とカネの全体像を国民に対して明らかにすべきだ」
 経済人や学者らが参加する「令和臨調」が政治資金改革の緊急提言を行いました。
 この中で、今の国会で合意すべき事項として▼パーティー券の購入者の公開基準を5万円にすること、▼政治資金収支報告書に虚偽記載があった場合、政治家本人も責任を負う「連座制」の導入などを求めました。
 座長として会見した経済同友会の新浪代表幹事は“政治改革は昭和・平成で積み残されてきた”と指摘し、「国民の政治不信を払拭するような改革をぜひとも成し遂げていただきたい」と注文を付けました。
・・・・・・・・・・
 実際の提言ははるかに複雑なものだがTBSの報道はガバナンスの欠如に偏重している。

 確かに、民間企業に比べて政党は適切なガバナンスを欠いているという批判がある。 この認識にはいくつかの要因があるだろう。

 透明性の欠如: 政党は民間企業と同じレベルの透明性を持って運営されていない可能性がある。 意思決定プロセス、金融取引、政党の運営は、企業部門ほど公開されていない。

 党内力学: 政党は、多様なメンバーとイデオロギーを持つ複雑な組織だ。内部の権力闘争や派閥主義は、効果的な統治を妨げる可能性があるが活力源でもある。 民間企業が持つ権限系統の明確な階層的な構造とは大いに異なる。

 限定的な説明責任: 政党は、民間企業と同じレベルの説明責任を負わない。 日本もそうだが多くの民主主義国では同様だ。有権者が選挙と選挙の間で政党に責任を問う手段は限られており、企業のリーダーが株主に対して行うほど、政党のリーダーは有権者に対して直接責任を負わない。

 イデオロギーの役割: 政党は効率的な統治よりもイデオロギーの目標や政策上の立場を優先する。 価値観や原則に重点を置くと、ガバナンスへの配慮が薄れる。

 短期的な視点: 政党にとって、主な目標は次の選挙で勝利することだ。これは、長期的なガバナンスを考慮するよりも当面の政治的利益を優先する意思決定につながる。

 国民の認識と信頼: 政党は時々懐疑的な目で見られ、その統治能力に対する国民の信頼は低い場合があるが、我が国に限らず多くの国に見られる。 この信頼の欠如により、効果的なガバナンス構造を確立および維持する取り組みがさらに損なわれる。

 政党と民間企業のガバナンスを比較するのはリンゴとみかんを比較するのに似ている。比較には限界があることに留意することが重要だ。大原則は、政党は選挙を通じて国民に対して説明責任を負うが、民間企業は主に株主に対して説明責任を負う。業績の悪い企業経営者は更迭される可能性が高いが、投票率の低い選挙では支持率が25%もあれば政権を維持できる。

 選挙によって「禊が済んだ」などと政治家に言わせないことが望まれるが、投票に行かない有権者と「現状維持バイアスの高い」有権者が豊富なこの国では、政治にガバナンスを求めることは、無いものねだりと思わざるを得ない。

2024年2月4日 日曜日

この記事を読んでいかがでしたか?

危ない商業不動産

中国のデベロッパーの過剰債務が清算せざるを得ない状況になっている。中国での不動産バブルの崩壊は世界経済への影響は殆ど無いという楽観論が主流だがそうだろうか。

金曜のNYTimesの記事を引用する。「商業用不動産の問題が世界中の銀行に重くのしかかっている。 金融機関であるニューヨーク・コミュニティ・バンコープ、日本のあおぞら銀行、スイスのジュリアス・ベアの株価は、それぞれが不動産会社への貸し倒れに関するエクスポージャーを詳細に説明したことを受けて昨日下落した。 オフィス空室率が依然としてパンデミック前の水準を大幅に下回っているため、これは商業用不動産市場の衰退を金融業者が考慮していることを示す最新の兆候だ。」

金曜の日経新聞ではあおぞら銀行の問題だけが取り上げられていたが、不動産向け融資の問題は欧米の銀行へも広がっているようだ。

注意しないといけないのは、日本の経済システムは復元力がとても弱く、世界からの影響が大きく出る点だ。サブプライムローンの問題を思いだそう。邦銀はサブプライム融資の金額は欧米の銀行に比べて少なかったが、問題の影響は最も大きく受けることになった。

現状、日本もアメリカも株価の高騰で湧いており、実体経済を隠している。米国で言えば、Magnificent 7に支えられた株価高騰で、それ以外の株が高騰しているわけでは無い。米国での不動産ローン、自動車ローン、消費者ローンの延滞率の増加に気を付けたい。過去の経験則は、邦銀が米銀以上に打撃を受けるのだ。

2024年2月3日 土曜日

ストーブを焚く

 寒い日にストーブの暖かさは格別だ。
 しばらく留守にして冷えきった家に入り、まず、薪ストーブの火を起こす。エアコンやファンヒータでは温かさが一気に家中に広がらない。

 新聞紙を切って火をつけやすくして、その上に小枝や割り箸を取っておいたものを乗せる。その上に小さい薪。さらにその上には大きな薪を置く。夕方から夜まで家を温めるためには大きな薪が4-5本必要だ。

 「ストーブの 火を見て少し 書き進む」
 いま、新刊本の原稿を書いているのだが、薪の暖かさと、時々木の弾ける音が、「頑張れ」と声援をくれているように思える。厳冬の少ない楽しみの一つだ。

2024年2月2日 土曜日